全国的に有名な地元の銘菓「萩の月」のパッケージを掲げCM起用に感無量の岩田華怜

「まさか、小さい頃からテレビで見ていたCMに自分が出られるなんて思いもしませんでした。本当に光栄です。母校の小学校、通っていたミュージカルスクール、青葉城址などで撮影したのですが、とてもリラックスして撮影できました。AKB48のメンバーとして仙台に里帰りができて本当にうれしい気持ちでいっぱいです」

15日、都内で発表会見があり、東北を代表する銘菓『菓匠三全』の「萩の月」新CMに起用されることになった、AKB48チームAの岩田華怜(かれん)が感極まってそう語った。

「萩の月」といえば、おそらく全国的にももはや知らない人はいないはず。そのCMにはこれまで、杜けあき、朝海ひかる、海隼人など宮城県出身のタカラジェンヌが歴代出演してきた。今回、『菓匠三全』は3年後に迎える70周年に向けた新たなステップとして起用を刷新することにしたという。

そこには、故郷を離れて活躍する人物と「萩の月」のふれあいの中に生まれる価値を発信していこうというメッセージがこめられているそうで、ズバリ彼女がふさわしいと認められたワケだ。

2011年3月11日、当時、小学6年生だった岩田は震災後、仙台の自宅マンションが立ち入り禁止となり、祖父母の家に身を寄せた。しばらくは電気も使えず、七輪で寒さをしのぎ、冷凍食品も冷たいまま食べていたとか。

震災から3週間後には、東京で「AKB48研究生セレクション審査」が行なわれる予定だった。すでにエントリーしていたものの、実際に受けるべきかどうか悩んだという。その時に背中を押してくれたのが母親だ。

「AKB48に入って故郷に戻ってくれば大きな力になれるんじゃない?」。

その言葉で彼女は上京を決心。結果は、見事に合格。

その後、AKB48のメンバーとして被災地にも訪れ続けた。戻ってくるたびに地元の人たちから「お帰り」と声をかけられ、やはりAKB48に入ってよかったと実感できたそうだ。

故郷への思い、AKBへの夢

そうして地元を離れながら東京で活躍、被災地活動でも地元とのふれあいを大事に育み続けた結果、今回のCMイメージにピッタリと起用された。

「まさか、男のコのような女のコだったのにAKB48として活動して、こんなCMまでいただいて……。人生何が起きるかわからないですね。東北で一番有名なお菓子メーカーさんに起用されるとは思ってもいませんでしたし。『萩の月』は本当に大好きな仙台名物の銘菓なので、私もここからまたスタートするという気持ちで、未来に向かって全力で頑張っていきたいです」

そして、故郷・仙台への思いについてあらためてこう綴(つづ)った。

「私にできることがあればどんどん進んでやっていきたいです。被災地活動もこれからも続けます! 夢は言い続ければ叶うということを、若い世代の人に示すことができればいいなと思っています」

以前、本誌の取材で彼女はこんなことを語っていた。

「本当にAKB48に入ってよかったです。自分の選択は間違っていなかったんだなって。いつかは、たかみなさんのようにAKB48を引っ張っていく存在になりたいです」

震災から約3年7ヵ月。岩田華怜は自分の夢に向かって着実に歩いている。

●岩田華怜が出演するCM「仙台篇」は11月上旬から宮城地区で放映予定

(取材・文・撮影/林将勝)