HKT48が7日、グループとして初の海外公演「HKT48全国ツアー~全国統一終わっとらんけん~番外編 in 台北」を台北市内にあるライブハウス「ATT SHOW BOX」で行なった。
台湾コンサートはAKB48グループとしても初で、会場いっぱいとなる800人のファンが熱狂した。
海外コンサートで何よりも大変なのは言葉の壁。自己紹介では手に中国語のカンペを書き、「ウォーアイニー(愛してます)」などとアピール。長いトークコーナーではさすがに通訳を使ってのトークとなったが、指原莉乃が可愛がっている後輩の矢吹奈子にキスをすると大きな歓声があがり、ジェスチャーでわかる部分でも大いに盛り上がった。
また、村重杏奈が世界一面白いと自賛する、体全体を使ったギャグ「明太子~」も大人気。「メンタイコー」と叫びながらポーズをマネするファンが多数で応えた。
彼らは10代~20代が中心で、とにかく皆元気。応援スタイルは日本のファンとほとんど一緒で、曲のイントロに合わせて「ヨッシャイクゾー、タイガー、ファイヤー」とMIXを入れ、合間には「チョウゼツカワイイー、サッシー」と叫ぶ。多くの地元ファンにとって、初めて生で見るコンサートだろうに、コールの入れ方が完璧なのだ。
またグッズもサイリウムはもちろん、メンバーの名前を書いたオリジナルのうちわ、日本でしか売ってないタオルやTシャツを持つファンまでいた。
そんな彼らの熱いパワーにメンバーも全力で応える。1曲目は地元名物を歌詞に取り入れた『台湾48』。そして扇子や和傘を使ったパフォーマンス、さらには台湾出身でアジアを代表する歌姫、テレサ・テンの『つぐない』まで披露。本編ラストには地元の大人気ロックバンド五月天(メイデイ)の『戀愛ING』をファンと一緒に合唱するなど、通常のコンサートのセットリストに台湾らしさをアレンジし会場を加熱させた。
アンコール後には、ファンからのサプライズも
また公演の合間にはサプライズもあり、なんと台湾からAKB48グループメンバーを募集することを発表! これまで上海やジャカルタなど海外で活動する姉妹グループはあったが、日本で活動するメンバーを海外から募集するのは初めてのこと。確かに、この盛り上がりがあれば、まるで黒船となるようなすごいメンバーが入ってくる可能性も…?
だが、今回の公演で一番驚いたのは、ファンによるダブルアンコールーー。
アンコールが終わり、メンバーがはけ、客出しの曲が流れる中、ひとりのファンのかけ声とともに「らぶたん、お誕生日おめでとう!」と大合唱。コンサートの翌日、8日が20歳の誕生日となる多田愛佳に向けてのサプライズメッセージだった。
しばらくすると、会場から「ラーブータン」と声が…。それがうねりとなって、会場全体が“らぶたん”コールに包まれる。ステージ上は誰もいない。だが彼らはコールを続ける。
何分経っただろうか、なんと、多田愛佳がステージに戻ってきたのだ! 目には涙を浮かべている。「明日で20歳になります。みなさんの応援のおかげでもう1曲だけ歌わせてもらってもいいですか!?」と聞くと会場は大歓声。多田が「みんな~」と全員を呼びこみ、まさかのもう1曲、『スキ!スキ!スキップ!』。この日、一番の盛り上がりといっても過言ではなかった。
HKT48にとって初めての海外コンサートは、グループとしても画期的な、ファンとメンバーがひとつになった伝説の公演として歴史に刻まれた。
(取材・文・撮影/関根弘康)