『パズドラ』、3100万ダウンロード突破! 『モンスト』、1700万ダウンロード突破! 最近、アプリゲームに目を向けると、1000万単位の景気のいい数字が登場する。
一方、携帯ゲームの売り上げ本数を見ると、『妖怪ウォッチ2真打』が予約本数100万本でビッグニュースの扱いだ。本数で比較すれば、差は圧倒的。これだけの差があれば、メーカーもアプリゲーム開発に傾き、携帯ゲーム機は衰退していってしまう一方? 『週刊ファミ通』前編集長・ファミ通web戦略企画室室長の長田英樹氏にこの件について聞いた。
「2013年に3DS用ソフト『パズドラZ』が発売されました。無料で3100万ダウンロードされた『パズドラ』の携帯ゲーム機版で、売り上げは150万本でした」
“ソフトは無料”の概念がアプリのユーザーにあるため、同じゲームでも有料だと売れる本数は減るのだ。
「据え置きゲーム機や携帯ゲーム機のソフトメーカーは数千円での商品を売るので、ゲームバランスを徹底的に考えて作るから開発費も時間もかかる。アプリのゲームは、とりあえずゲームをリリースしてユーザーの声を聞いてブラッシュアップする。だから開発費が安く、無料ダウンロードなのでユーザーから苦情があまり出ない。両者の一番の違いはこの点だと感じています」
やはり、携帯ゲーム機は参入障壁の低いスマホゲームにのみ込まれてしまうのか…。だが、アプリゲーム専門誌『ファミ通App』編集長の目黒輔氏はこう指摘する。
「アプリゲームと携帯ゲームは、そもそも別モノです。画面にタッチするアプリゲームはパズルなどには向いていますが、アクションゲームなどのシビアな操作が必要なものとはあまり相性が良くないと言われています」
では今後、どうなっていくのか?
「今、アプリゲームのユーザーは目が肥えてきていて、自分で考え、やり込みながら攻略する、移動中のヒマつぶしには向かないようなゲームのダウンロード数も増えています。この流れで、単純なゲームから一歩進んだモノへの欲求が強くなれば、アプリゲームだけでは物足りなくなり、内容やグラフィックなどのクオリティーが高い携帯ゲーム機や据え置き型のゲーム機が欲しくなる人も増えてくるでしょう」(長田氏)
(取材・文/井出尚志、渡辺雅史、高山 恵[リーゼント] 鈴木晴美)