2015年、「週プレNEWS」が選ぶ、今年“大注目する期待のアイドル”インタビューも、5人目です!
モーニング娘。’15や、℃ーuteなどが所属するアイドルのエリート集団『ハロー!プロジェクト』。その末っ子として2013年にデビューしたJuice=Juice。同年の年末には、第55回日本レコード大賞の新人賞を受賞した。
そんな正統実力派のエース、宮本佳林チャンの登場だ!
* * *
―そんなわけでございまして!「2015年の注目アイドル」として来ていただきました!
宮本 選んでいただいたこと、本当に光栄です! 週プレNEWSを読んでいる皆さまに、何かしらの印象に残らなきゃなって思ってます!
―素晴らしい発言です! さすが「ミス・ハングリー精神」と呼ばれるだけはありますね。
宮本 いえいえ、そんな! 普通ですよ!
―ファンの中では「宮本プロ」と呼ばれていたり、「宮本佳林伝説」というものがいろいろあるらしいですが…。そもそも、どんな子供だったんですか?
宮本 ちっちゃい頃から、どんなに努力しても一番になれなかったんですよ。不器用というか…。微妙なポジションで生きてきて、「なんかこう微妙なんだよね…」って思ってました。絵も下手だし、話すのもうまくまとまらなかったりとか…。
10歳ですでにメイクしてた?
―いつ頃、そういう自分を自覚したんですか?
宮本 小学校1年生の時の学年マラソン大会で20位だったんですよ。2クラスしかなかったので、女子全部で40人なんですけど。で、それで「自分って最低だな」って思ったんです。
私、幼稚園の年中からダンスをやってるんですけど、それでダンスも頑張って、体力も付けて、1年後のマラソン大会では頑張ったんですよ。でも6位で。
―14人も抜いたんだから、すごいじゃないですか。
宮本 6位ってすごく微妙じゃないですか? 「もうちょっとで抜けそうなコだっていたのに、なんで頑張れなかったんだろう」って気持ちもあるし、「頑張っても1位になれないんだ」って思って。勉強も頑張ってたけど、一番になれなくて。「上には上がいる」って思い知りました。
―いや~、6位でも充分だと思いますけどね。まあそこから宮本佳林の「ハングリー人生」が始まるわけですね。で、ハロプロに入ったのは何歳の時でしたっけ?
宮本 9歳です。
―もう9歳からアイドルなんですもんね。顔には自信があったんですか?
宮本 ないです! 自分の顔が嫌いで。「なんでこんな顔なんだろう」って思って、10歳の時に顔筋体操を始めました。メイクもその頃に目覚めて。10歳なりにメイクしてましたね。
骨が折れてるのに全力で踊ってた!
―10歳でメイク?? そんな早くからしちゃダメですよ!! 肌荒れちゃう!
宮本 (笑)。でも、たしかに濃くしすぎちゃったりして、マネージャーさんに「10歳のメイクじゃない!」って怒られてました。なんていうか、私がハロプロエッグ(ハロー!プロジェクトの研修生)に入った時には、周りにたくさんカワイいコがいたんですよ。だから「自分はこのままじゃただのちっちゃな普通のコだな」って思って。メイクもそうですけど、ダンスとかも、めちゃくちゃ努力しないとって思ってました。
―そんなこと考える10歳なんていないですよ。ダンスの練習も相当やったんでしょ?
宮本 そうですね。当時は朝4時とかに起きて自主練してました(笑)。先輩が踊っている映像を見て、自分もそのマネをして踊ってダンスを覚えたりしてたんです。で、公演のリハーサルの時に演出の先生が「はい、あなたダメ! 他に、このコのパート踊れるコいる?」みたいになったことがあって。
私、もともとその曲に出演する予定じゃなかったんですが、ダンスを覚えていたので代わりに入れてもらったりってこともありました。それも10歳の時ですね。
―スゴすぎますよね。ボクの10歳なんて、やっと補助輪なしで自転車に乗れるようになったくらいですよ! あと、佳林伝説だと「足が折れてるのに全力で踊ってた」というのもありましたよね。
宮本 そうなんです! 一昨年の夏ですね。転んで「なんか痛いなー」と思ってたんですけど、病院に行ったら「ひねったんですかね」みたいに言われて。じゃあ大丈夫かなーと思ってライブで踊ってたら痛みが治まらなくて。で、もう一回行って、CTを撮ったら骨折してました(笑)。
―笑いごとじゃないですよ! そのライブをたまたま観てたんですが、ありえないほどにメチャクチャ踊ってましたよね?
宮本 (笑)。それからしばらくは車椅子と松葉杖で(笑)。しかも、その時に『イジワルしないで 抱きしめてよ』という曲のMVを撮るタイミングで。踊れない私の助っ人として、モーニング娘。の石田亜佑美さんが来てくださってダンス部分を踊ってくれたんですよ。
オーディションに落ちてボロ泣き
―なんとも不思議なMVですよね。歌ってる時は宮本さんなのに、ダンスシーンではセンターに石田さんがいるという。最初観た時、「あれ? 宮本さん、髪伸びたな…違う!」って驚きましたよ。
宮本 正直、すごく悔しかったんですけど、石田さんってダンスが本当に上手なんです。だから、私だけじゃなく他のメンバーも「負けないくらいに頑張らなきゃ!」って気持ちを持ったと思うんですよ。良い刺激になったっていうか。だから本当に感謝してます。まぁ、なかなかないMVになってるので、機会があったらぜひ観てほしいですね(笑)。
―ちなみに、モーニング娘。’15といえば、宮本さんは「モーニング娘。の9期」「スマイレージ(現・アンジュルム)の2期」「モーニング娘。の10期」「モーニング娘。の11期」のオーディションを受けてるんですよね。で、全部落ちてる、と。
宮本 はい(笑)。
―どうなんですか? 特に10期の時なんて、同じ年くらいでハロプロエッグの後輩の工藤遥さんが受かっちゃったわけですよ。
宮本 そうですね。それでいうと、りなぷ~(スマイレージ2期に受かった勝田里奈)もハロプロの後輩だったので追い抜かれた感覚はありました。最終で、私と竹ちゃん(竹内朱莉)とりなぷ~の3人が残って、私だけ落ちたので…。しかもステージ上で発表で。私、応援席でボロ泣きして、そのまま応援席に座ってました。
で、モーニング娘。10期の時はレッスン場で、どぅー(工藤遥のニックネーム)が次の審査に進んだって聞いたんですよ。自分にはその知らせが届いてないから「…落ちたんだ」って知って、そのまま泣き崩れちゃったんですよ。
―レッスン場で「うわーーん!」と。甲子園球児みたいに?
宮本 何ももう考えられなくて。そのままレッスンに出れなくなっちゃうくらい泣きました。
―いやー、最初に「どうしても一番になれない人生」って言っていましたけど、そういう経験をたくさんすると、本当にそういう気持ちになっちゃうんでしょうね。で、モーニング娘。11期では?
宮本 それもステージ上で発表されて。目の前で後輩の小田さくらちゃんが合格したんです。でも、小田ちゃんは本当に歌が上手で。レッスンを一緒にやってても「すごいな!」って思ってたので、「私、負けたんだな」ってスッキリ思えました。
しかも11期は『歌姫オーディション』っていう名前が付いていたんで「歌で負けたんだ」って。…でも「負けた」ってハッキリと思えたことで、「他の道を切り開けるように頑張ろう」って、前向きに思えたんですよね。
後輩たちの天然なカワイさをパクる?
―そんな長い長いハングリーな道を進んできたわけですが、Juice=Juiceになって、昨年の2年目はどうでした?
宮本 1年目はケガをしてしまったこともあって、悔しさたっぷりのまま過ぎていってしまったんです。で、2年目はものすごく必死で走ったんですけど、あんまり自分を客観的に見ることができなかったなって思うんですよ。気持ちが先走ってしまって…。
2015年は、後輩グループもできたのでさらに頑張らないとって思います。普通は「新グループができました!」ってなったら、みんなそっちに目がいっちゃうじゃないですか。しかも、そういうコたちは何もかもが初めてで、ガムシャラにやっていて…すごく輝いてると思うんです。でも、私たちもその輝きに負けない輝きを出さなくちゃいけない!って。
―特に、スマイレージから改名した『アンジュルム』の新メンバー・佐々木莉佳子さんはスゴいですね。宮本さんと同じように、身体が壊れるんじゃないか?ってくらい激しく踊りますし。
宮本 新しいメンバーはみんな注目してるんですけど、佐々木莉佳子ちゃんはスゴく激しいですよね。私も小さい頃、“大きいダンス”をしてたんですけど、私のダンスをもっと整えたようなダンスなんですよ。「うわ! 輝いてるな」っていつも見てます。
ハロープロジェクト全体のコンサートで、隣で踊る時があるんですけど、やっぱり「負けられない!」って思いますね。でも、そういう気持ちも勿論だけど、観に来てくださってる皆さんの楽しみが重ならないといけないので、きちんと「魅せるダンス」として踊ろうと意識していますね。競い合うプラス、皆さんに楽しんでもらうっていう。
―他にも、後輩の『カントリーガールズ』が結成されました。
宮本 すごくカワイイですよね。私、彼女たちの天然なカワイさにメロメロなんですよ。でも、その天然さを見て、心に焼き付けつつ「この表情をどこかで使おう」って思ってます(笑)。
―えええーー?? 後輩の天然さをパクるんですか??
宮本 違います、違います!(笑)「自然に出る笑顔のカワイさ」だったり「照れて赤面するところ」だったり。歌を歌う時も表情とか重要じゃないですか。セリフがある曲もあるし。それにミュージカルをやらせていただくこともあるので、役立つかなって。彼女たちの表情を心の引き出しに入れておいて、そういう時がきたらそっと出そうかな、と。
彼女たちって、歌ってる最中に恥ずかしくて赤面して顔をそむけたりするんですよ。そんな姿、今しか見れないですからね。私にはそういう部分がまったくないので学びたいって思ってます!
空っぽの引き出しが増えていって…
―いやー、本当に努力の人ですね。では最後に、今年の個人的な目標ってありますか?
宮本 たくさんあるんですよ。…なんか、「自分がこうありたい」って思うことが、年を重ねるたびにどんどん出てきちゃうんです。生きている年月が増えれば増えるほど知識も増えていって…。自分ができてないことも、自分に足らないことも見えてくるっていうか。自分の中に空っぽの引き出しが増えていっちゃうんです。だから2015年も、毎日常に目標を持って前に進みます!
―目標だらけだと! …っていうか、本当に「ミス・ハングリー精神」ですね。オフの日とか、何やってるんですか? ゴロゴロしたり、マンガ読んだりしないの?
宮本 いやー、しないですね。テレビや歌番組とかも「時間ないから、ここのトークは飛ばそう」とかいって、いつも急いで観てます。…それ以外はJuice=Juice関連のことをしてますね。
―生き急いでますよねー。普通の16歳は、みんな洋服とか買いに行くんですよ?
宮本 私、そういうの疎(うと)いんですよ。洋服は全部お母さんが買ってきてくれたやつをスッと着てます。
―はー。好きなブランドとかはありますか?
宮本 『KUMIKYOKU』とか『23区』とかですかね。お母さんが買ってきてくれるんで。
―おぉ!? なんか、OLの定番ブランドのイメージが出た!
宮本 そうですか? でも、誰ともカブらないんですよ? 「その服、私も持ってる!」ってならないんですよ。
―そりゃカブらないでしょうね(笑)。いやー立派なものです。これからも頑張ってくださいね!
宮本 ありがとうございました!
■宮本佳林(みやもと・かりん) 1998年12月1日(16歳)千葉県出身。ハロー!プロジェクトの『Juice=Juice』メンバー。長い間、ハロプロエッグ(ハロプロの研修生)に所属し、「ハロプロの秘密兵器」と呼ばれていた。現在、『Juice=Juiceファーストライブツアー2015 News=News ~各地よりお届けします!~』が開催中。2月1日は、DRUM Beー1(福岡)、2月3日、4日、5日は、新宿ReNY(東京)。さらに2月8日は、周南チキータ(山口)にて開催!
公式サイト 【http://www.helloproject.com/juicejuice/】
(取材・文/篠本634[short cut] 撮影/武田敏将)