相変わらず視聴率は20%以上をキープ、安定した人気を誇るNHK朝の連続ドラマ小説『マッサン』。
モデルとなったニッカやサントリーのウイスキー人気も復活、それぞれ余市や山崎などの工場を訪れる観光客も殺到し、入れないほどになっている。
本編では、先週からついに舞台もその本社工場を構えることとなった余市に移し「北海道編」がスタート。なかなか話が進まないといった“まどろっこしさ”も指摘された「大阪編」から大きく話が動いた。
それに伴い、「理想の経営者であり上司」「“やってみなはれ!”の気っぷのよさがいちいちカッコいい」と評判だった“鴨居の大将”役の堤真一がフェイドアウト。またマッサンの母親役でエリーをイジメまくり「いかにもなハマリ役」で存在感を示した泉ピン子もお役ご免となり“ピンロス”な視聴者も?
だが、新編ではそれに代わる魅力的なキャスティングが用意され、往年のアイドルファンを喜ばせている。マッサン一家と運命を共にする熊虎一家の娘・ハナ役に小池栄子、マッサン夫婦と関わる理髪店の嫁・チエ役で酒井若菜が起用されているのだ。
ふたりは同じ1980年生まれの34歳。2000年前後にグラビアを席巻、ともに巨乳グラドルとして絶大な人気を誇った。ここ10年ほどで女優にスタンスを移し実績を重ねているのも共通点。
映画担当を長く務め、ドラマの特集も多く手がけた本誌編集がこう語る。
「2002年くらいからそれぞれ女優としての基盤を築いた感じですか。それまでもドラマに出たりはしてましたが、小池さんは森田芳光監督の映画『模倣犯』で、おっ、こんな演技もできるんだと注目され、翌年の堤幸彦監督『2LDK』は主演で熱演、小品ですが評価を上げました。
酒井さんも02年に『木更津キャッツアイ』に出演、モー子役が定着し代表作に。翌年には映画化もされ、さらに04年の松尾スズキ初監督作『恋の門』に主演、これも高い評判を得ました」
レッテルや色眼鏡をはねのけ成長
その後、映画にドラマに多数出演、着実に演技の幅を広げたふたりを、朝の連ドラで同時に見られるのもファンとしてはなんとも嬉しいかぎり。
両者にインタビュー経験があり、舞台なども見続けてきたライター・K氏はこう評する。
「ふたりとも、もともと女優志望だったということで、巨乳アイドルとしてのレッテルや色眼鏡で見られがちだった分、反発もあったでしょうし、人並み以上に本気で頑張ってきたんだと思います。さばさばした小池さん、繊細でナイーブな酒井さんとタイプは違えど、その一生懸命さで周りが応援したくなるところも似てる。
ドラマでバリバリ主演女優を張る感じではないですが、小池さんは2010年の舞台『甘え』(作・演出/本谷有希子)に主演し、これが素晴らしくて。新境地となったのではと。酒井さんも一時、恋愛スキャンダルで体調不良が報じられたりもしましたが今は精力的に活動。朗読劇に出演したり、昨年は鈴木オサムの舞台にも出て手応えを感じたようです」
いずれもイイ歳の取り方をして、女性としても脂の乗り切ってきた演技といえるようだ。
「ちょうど、プライベートでは既婚の小池さんですが、ハナの結婚に向かって盛り上がる今週の『マッサン』はまさにスポットライトを浴びる見どころ。逆に、まだ未婚の酒井さんが役柄ではぬくちゃん(温水洋一)の嫁というのが悔しいところですが(笑)。これからの出番に期待です」(K氏)
彼女たちをもう一度グラビアでも見たい!…当然、そんなファンの願望に週プレも応えたいところではあるが。まずは朝の楽しみが増したことを毎日の活力にしつつ、今後の活躍を心待ちにしようではないか。
(取材・文/週プレNEWS)