昨年秋にアルバム「Best Album ”ガチャっとBEST<2010~2014>」でメジャーデビュー。デビューアルバムがインディーズシングルをまとめたものというのも異色

1980年代のプリンセス プリンセス登場から、2000年代はZONEやWhiteberryなどが一世風靡(ふうび)したガールズバンド。

今年1月には読者モデルとして活躍するSilent Sirenが日本武道館でワンマンライブを成功させるなど、今やいくつもの“ギャルバン”が誕生してしのぎを削り、すっかり定着した印象だ。

そんな中、「週プレNEWS」が注目するのが昨秋にメジャーデビューしたGacharic Spin(ガチャリック スピン、通称:ガチャピン)」!

2009年に結成したガチャピンは、リーダーのF チョッパー KOGA(ベース)を筆頭にTOMO-ZO(ギター)、はな(ドラム・メインボーカル)、オレオレオナ(キーボード、メインボーカル)、そして13年からはパフォーマーとして、1号 まい、2号 ありさが加入した6人バンド。

AKB48ファンなら覚えているかもしれない。12年に発売したAKB48「GIVE ME FIVE!」では、インディーズながら高橋みなみなどのメンバーに演奏とパフォーマンスを指導。それがきっかけで同年、西武ドームで行なわれたAKB48の握手会イベントでは、メンバーのTOMO-ZOが登場したことで注目を集めた。

特異かつ強烈な個性でじわじわファンを獲得してきたガチャだが、ボーカルがおらず、ドラムスとキーボードが歌うというのは珍しいスタイル。そして、それぞれの色分けされた衣装もアイドル風。パフォーマーふたりは実際にアイドルユニット「ガチャガチャダンサーズ」として、アニメ「テンカイナイト」のエンディングを担当し、子供世代にまでその名を知らしめようとしている。

多彩な要素がありすぎて正直、イロモノとして見られても仕方がない気もするが、その実力は折り紙つきだ。

対バンで恐れられるパフォーマンス

その実績はというと、相川七瀬のバックバンドを務め、昨年はSHOW-YAとの対バンも実現。サブカル界の重鎮・大槻ケンヂ(筋肉少女帯)も注目しているという。

2011年からはアメリカやフランス、韓国でもツアーやフェスに参加。アメリカのギターメーカー「ポール・リード・スミス」が主催するフェスにも参戦するなど海外からも認められる存在となっている。

実際に、F チョッパー KOGA(ベース)を筆頭にTOMO-ZO(ギター)、はな(ドラム・メインボーカル)の3人は、各々が自分の楽器の教則DVDもリリースするほどの演奏技術を誇り、当初からのファンはかつてのバンドブームを経験した30、40代が中心だ。彼らがまず熱狂的にハマり、都市部から地方までこぞって遠征に行くという。

その各ライブでは、終演後にファンと物販などで交流、イベントでは撮影会を開催するなどアイドル顔負けの距離の近さ、親しみやすさもオジサン心を掴んだようだ。

しかし、何より彼女らの魅力はライブパフォーマンス。今やライブハウスでアイドルがライブを行なうことも普通となったが、バンドとアイドルのクロスオーバーが起きている中、熱狂的ファンが多くを占めるアイドルたちに“対バン”でガチャの「後ろはイヤ」と言わせるまでの影響力なのだ。

「もともとバンドが好きで、テクニックや楽曲もすごいんですけど、観衆のノセ方、煽(あお)り方もめちゃくちゃうまいんですよ。パフォーマーの動きもあるので、こっちが振りを覚えやすかったり。『ライブではしゃいだ!』って充足感がハンパないです。有名アイドルとも対バンしていますが、毎回、やるたびに持っていかれるので嫌がる相手が多いという噂は聞きますね」(30代のファン)

国内外で年間100本以上のライブをこなしている経験値はダテじゃない。実際、2月には元モーニング娘。の田中れいな率いるLoVendoЯ(ラベンダー)、東京女子流と3組の対バンを行なったが、両グループのファンを交えた中、トリを務めて最も熱狂的な大盛り上がりとなった。

異色すぎて中毒性がある

さらに、「異色すぎて中毒性がある」というのは40代のバンド好きファンだ。

「楽曲も企画もすべてが幅広いんですよ。ライブごとにセットリストがガラッと変わって、正統派ロックバンドの日もあったり、アイドルノリのような時もあったり。特に予告もなくセーラー服で登場してそのままライブが始まる日もありましたね。その日になってみないと何をしでかすか想像がつかないから、『行かないと、ヤバイ!』みたいになってくるんです。

ロックバンドではあるけどアイドルっぽかったり、コミックバンドのようであったり、ひとつのジャンルでくくれないから面白いんですよ!」

それは同日ライブの中でも顕著(けんちょ)で、曲ごとにカラーがガラリと変わり、パフォーマーふたりが主役に転じたりもする。

ちなみに、激しくドラムを打ち、ギター音をかき鳴らす代表曲『爆弾娘(ボンバーガール)』はスピード感ある真っ当なロック曲でありながら、ライブではラストに2号 ありさがけん玉を披露するまでが一曲。正直、意味がわからない(苦笑)が、曲で興奮した直後のこのパフォーマンスに観客は笑いと絶叫と入り混じり、異様な興奮状態で盛り上がりを見せる。

確かな技術を持ちながらもパフォーマンスで笑いを取り、アイドルグループすら食っていくガチャピン。先月末に発売されたメジャー初シングル『赤裸ライアー/溶けないCANDY』もオリコンのデイリーCDシングルチャート19位(25日付)にランクインするなど、これからの活躍から目が離せない存在だ。

というわけで、ガチャ推しの週プレNEWSは彼女たちに直撃インタビュー、明日配信予定なのでチェックしてみてほしい!

(取材・文/週プレNEWS編集部)