涙界(なみだかい)のプリンスこと劇団ひとりに「もっとも泣きざまが素晴らしい男」を聞いてみた 涙界(なみだかい)のプリンスこと劇団ひとりに「もっとも泣きざまが素晴らしい男」を聞いてみた

「男は人前で涙を見せるべきじゃない」と言われたのも今は昔。テレビではイケメンが泣いている姿がクローズアップされるようになり、高校球児の涙は美談として語られる。

そんな今、僕たちが見習うべき「もっとも、泣きざまが素晴らしい男」は誰なのか。涙界(なみだかい)のプリンス、劇団ひとりに語ってもらった。

―具体的には、どんな泣きざまがいいんでしょうか?

劇団 泣きざまといったら涙界のキング、西田敏行さん。キングから涙の神髄を学びましょう!

―西田敏行さんは涙界のキングだったんですね(笑)。

劇団 (無視して)西田敏行さんのぐわっ!という泣きざまの特徴は、話の筋がわからなくても泣けるところです。キングの泣きざまは最高級のお手本ですよ。

―今、涙界のベスト3って一体、誰になるんですか?

劇団 上から西田さん、上島竜兵さん、そして野々村(竜太郎)さん(元兵庫県議)。これが涙界のベスト3! まあ上島さんは安く泣きすぎですが(笑)、それでも礎(いしずえ)を築いた功績、経験を考慮すると不動の2位でしょう。

―野々村さんの涙って世間的な評価は低いと思いますが?

劇団 彼は、過ちがあったから涙が安っぽく見えてしまいましたが…どうでしょうか、もし我々が彼のバックボーンを知らず、あの涙を見ていたら。

―政務活動費の不適切な支出問題をボクらが知らずに、野々村さんの泣きざまだけを見たらって話ですね?

劇団 そうです。ボクはあの涙を評価しているんですよ。あそこまで振り切ってしまえるのはなかなかのモノです。ただ、涙の「時」と「場所」を間違えた典型なのが残念ですがね。

号泣議員・野々村氏、最大の失敗は?

―どういうことですか?

劇団 もしも彼がリストラされたサラリーマンだとして、ああやって記者会見で泣いていたら印象は違うはずです。

―他に野々村さんの失敗は?

劇団 世間は「涙が武器」だと知っているんです。その武器である涙という刀を抜いた瞬間が全員に見えた、それが野々村さんの致命的な敗因なんですよ。

―野々村さんは涙という刀を抜くのに慣れていなかったってことでしょうか?

劇団 逆です。涙をなりわいにしているボクからすると、彼の涙を見て「あ、これは初めてじゃないぞ」ってわかりましたから。

―涙の手練(てだれ)だと?

劇団 初めてであそこまでの涙は流せません。過去に何度もああいうことを彼はやってます。だからこそ、涙に慣れすぎてしまい、それがあだになってしまった。…皮肉な話ですよ。

―野々村さんの最大の失敗ってなんだったんでしょうか?

劇団 野々村さんにはあの記者会見の舞台が大きすぎました。できれば、彼にはこのインタビューを読んで会見に臨んでもらいたかった。そしたら違った展開になっていたでしょうね。

(取材・文/黒羽幸宏 撮影/辰巳千恵)