MCに森高千里を起用し注目を集めていた『水曜歌謡祭』(フジテレビ系、毎週水曜19:57~)。
初回の視聴率は7.3%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と低視聴率だったものの森高は清楚なファッションながら期待のミニスカートで美脚を披露。往年の美しさを失っていない姿に満足したファンも多いはず。
Jポップに詳しい音楽評論家の宝泉薫氏はどう見たか。
「初っぱなから和田アキ子が『私がオバさんになっても』歌うわ、松崎しげるはますます色黒化してるわで出演者が濃すぎるため(苦笑)、森高千里の授業参観に出てもおかしくない好感度の高いファッション&物怖じしない言動が爽やかに見えましたね」
だが、森高のポーカーフェイスが相変わらでまたファンにはたまらなかったのに対し、相方のアンジャッシュ・渡部は噛みまくりで力量不足が明るみに…。宝泉氏も森高を生かしきっていないとバッサリ。
「渡部も『ミュージックステーション』のタモリ的な振る舞いができればいいんですが、終始、森高の天然っぷりをイジれませんでした。ナレーションの軽部真一アナの方が音楽にも詳しいし、よっぽど上手く回った気がします」
その一方、往年のあのアイドルと並んだことでさらに森高の“オバさんにならない”感も引き立っていた、と宝泉氏が言う。
「工藤静香ですね。ザ・ボディコンのような容姿で『恋するフォーチュンクッキー』などをAKB48らとコラボしていて“場末感”がスゴかった。歌唱力はさすがですが、46歳にはとても見えない森高よりも1歳年下という見方をすると雲泥の差でしたね」
では、そもそもなぜ歌番組の司会に森高千里は抜擢されたのか。芸能ライターは言う。
「もともと根強いファンは多いんです。2012年の活動再開ライブは40、50代のファンが駆けつけ、翌年に発売された2万円近くする記念アルバムは5千本も売れてますから。また結婚、出産と経てもキッコーマンのCMに出るなど主婦層にも認知度は高い。幅広い層に好感度の高いアーティストはあまりいないですから」
オバさん主婦層も森高を支持?
では、森高と同年代で“オバさんになってしまった”その主婦層は“オバさんにならない”森高をどのように見ているのか?
「『水曜歌謡祭』見たけど、今のアイドルと並んでも引けを取らない美貌。よくテレビで見かける美魔女とかは整形やコラーゲン注射とかで痛々しい印象だけど森高さんは無理せず健康的で年相応なのがいい。私はあんなミニは穿けないけど・苦笑」(42歳・主婦)
「昔はキツい美人って感じだったけど、今はカドが取れて優しい顔になった気がする。20代の森高って逆にちょっと老け顔というか、ようやく年齢と容姿が釣り合ってきたような感じ。イケメン旦那と1男1女のママで羨ましい。ウチなんてデブ旦那と男児ふたりで毎日が大騒ぎですよ!」(40歳・主婦)
また、森高と同年齢で自然体の美を保つ内田翔子さん(46歳・化粧販売員)にも“森高の魅力”と“女性に好かれるワケ”を分析してもらった。
「森高さんには叶姉妹のような“作り物感”がなく、ほどよい生活感があるのが良いですよね。それにオタク向けのアイドルやって学祭の女王としてミニスカふりふりしてた時は決して本心からやりたかったわけじゃないと思うんです。そういう時代も乗り越えたからこその今っていう“生き様”も好感度があります。
あと、噂では森高さんって健康オタクらしくて。40代からは生活習慣が容姿に出ますから! 私も普段から食事はかなり気遣ってますし。でも一番大事なのは…愛あるセックスかな」
そこんとこもっと詳しく~! …と言いたいところだが、最後に前出の宝泉氏に森高の魅力と今後の活躍を総括してもらおう。
「森高の魅力は変化し続けているところにあります。歌手デビューしてオタクが好きなアイドル像を築き上げ“サブカル路線”をひた走り、90年代前半から『渡良瀬橋』や『雨』など女性の心情を歌う“等身大のワタシ”に切り替えた。その後、結婚&出産を経て夫婦共演するなど“幸せアピール”することで食品や家電メーカーがCM起用しやすいイメージを作り上げたのもよかったですね。
言われるがままに芸能活動してきた潔い姿勢と、我の意識がほとんどない自然体であることが長く広く愛されてきた要因なのでは。仮に『水曜歌謡祭』がコケたとしても森高的にはダメージはないでしょうね。もしかしたら今年の紅白歌合戦の出場もあるかもしれませんよ」
(取材・文/河合桃子)