8bitサウンドマスター! サカモト教授によるスーファミの特殊音楽トーク

『スーパーマリオカート』『ドラクエV』『ストII』など数々の名作を生み出したスーファミが世に誕生して今年で四半世紀。

ファミコンに比べ圧倒的なグラフィックス力を持って画面が大回転、その時代のPCと比べても見劣りしないキレイすぎるドット絵など当時、少年だったおっさん世代には革新すぎだったマシンだった。

そして忘れられないのが、サウンド。スーファミに搭載された音源チップ・SPUは後にゲーム市場でライバルとなるソニーが開発した逸品だった。アクションからRPGまで良質なサウンドを生み出したスーファミだが、特殊すぎるサウンドもあったという。

そこで、頭上にゲーム機を載せてゲーム音楽を演奏する異色のミュージシャン、サカモト教授がゲーム音楽を通してクソ&マイナーゲーの世界を紹介!

―スーファミになって、音楽のクオリティが飛躍的に上がりましたよね。

教授 そうですね。メーカーもサウンド部門をつくったり、作曲家に頼むようになったのは主にスーファミの時からなので。傾向としてフュージョンチックなカッコいい曲が多く、例えば、ガンアクションゲームの『怒りの要塞』は音楽も世界観も超カッコいい!

あと、『ラブクエスト』ってRPGは音楽もポップでかわいらしい。スーファミですが、これがエロい(笑)。

―不勉強で恐縮ですが、全っ然知らないです!(笑)

教授 今、発掘するのも面白いですよ。『ファーストサムライ』という日本好きな外国人が作ったゲームは、これがなかなかのクソゲーで(笑)。開発者が侍を主人公にして演歌っぽい音楽にしたかっただけだろ!っていう。

―ではこれが、サカモト教授の選ぶベストクソゲー?

教授 いえ、ワーストなら断トツで『摩訶摩訶』! RPGですが、システム的に無理ゲーで、ボスまでたどり着けないほど、とにかくバグる(笑)。僕は半年かけてクリアしましたが、このゲームのおかげで相当な根気が養われました(笑)。

―クソゲーも人生の役に立つんですね!

教授 でも当時はゲームを買ってもらうのは一大イベント。それをこんなゲームに費やした時には、そりゃへこみましたよ…(涙)。

さかもと教授2007 年よりニコニコ動画内でゲーム音楽を演奏した動画を投稿すると、瞬く間に話題に。多くのミリオン再生動画を持ち、現在はゲーム音楽の提供やオリジナル楽曲も制作する

(取材/昌谷大介 牛嶋 健 武松佑季 千葉雄樹 東 賢志(A4studio)撮影/下城英悟)