4月16日にスタートしたドラマ『アイムホーム』(テレビ朝日系、毎週木曜21時~)がホームドラマ初主演のキムタク(木村拓哉)の評判も上々で話題となっている。

その妻役を演じているのが、OA前に妊娠も公表した上戸彩。ネット上では「胸が大きくなっていて目が離せない」など別の視線でも注目されているが、社会現象ともなった『半沢直樹』で堺雅人の妻を演じ支持を得て以来、すっかり“妻役”が板についた印象だ。

ここ最近でも前クールの『◯◯妻』で、家事は完璧だけれどミステリアスな妻を演じた柴咲コウ。同じく『流星ワゴン』でギャンブル狂の妻を演じた井川遥など何気に妻役の女優でドラマの成功が支えられているともいえる。

そこで、『週刊プレイボーイ』が読者アンケートで「今、妻役を演じるならこの女優!と思うのは誰?」と聞いたところ、下記の結果となった。

1位 上戸彩   59票2位 柴咲コウ  23票3位 黒木瞳   17票4位 井川遥   15票5位 石原さとみ 14票

以下、6位・石田ゆり子(12票)、7位・真木よう子木村多江(11票)、9位・仲間由紀恵(10票)、10位・松嶋菜々子深田恭子大島優子(9票)。

…というワケで、やはりぶっちぎりの1位は、上戸彩。そこでアイドル評論家の北川昌弘さんに総評を聞いたところ、

「この中でドラマの影響を受けていないのは、イメージとして妻もしくは母親役を確立している黒木瞳さん。石原さとみさんは週プレ読者的に旬の好きな女優という感じでしょう。この時期に、この質問というのは上戸さんの1位にしたくて聞いたアンケートですか?」

…と疑われバッサリ切られましたが、偶然です(キッパリ)。ここまで上戸さんが断トツの1位なのは、『アイムホーム』の話題性以外にも理由が? 結婚後に彼女は連ドラに4作品出演しているが『半沢直樹』から『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』もあり『アイムホーム』まですべてが妻役。

「結婚もしましたし、所属事務所は武井咲さんや剛力彩芽さんなど次世代の主演クラスが育ちましたから、今まで通りに上戸さんが主演をやっていく必要もなくなったんでしょう。その延長上にあったのが、出番が少なくても構わなかった『半沢~』と、成功する保証もないのに不倫する妻役で冒険する余裕もあった『昼顔』。失敗したら休んでもよかったわけですしね」(前出・北川氏)

「子作りのために仕事をセーブ」「いやHIROが忙しくて子作りができないから仕事復帰した」など噂も飛び交っていたが、こんな特別な事情の中で選んだ仕事がたまたま妻役だったというだけか…。

リアルとは違う癒やしの妻像?

だが、やはりターニングポイントになったのは、結婚後初出演となった『半沢直樹』での妻の花役。スムーズに妻役へシフトした勝因はズバリ、“マネージャー妻”!と語るのは芸能ライターS氏だ。

「男の理想を絵に描いたような妻役でしたが、ベースとして“セックスしてない感じ”が良かったのでは。会社で壮絶な戦いをしている半沢に、文句を言いながらも『ぜってー負けるんじゃねーぞ』など無条件で励ます。高校の野球部のエースとマネージャーみたいな青春っぽい夫婦関係だったため、実際に人妻になった上戸も今までのイメージの延長のままハマりましたね」

さらに『昼顔』ではセックスレス夫婦で子作りに悩む妻役、その設定が「男性視聴者として、こんなかわいい奥さんなら不倫を“してあげたい”感覚になったはずです」(前出・S氏)

『アイムホーム』も現時点では生活感あるシーンがなく、妻役としては『半沢直樹』と同じように夫婦のリアルさが薄い。逆に、バスタオル1枚のセクシーカットでドキッとさせてくれたりと、実生活で人妻となり、これから母になるにも関わらず、女の現役感を捨てずに妻役のイメージを手に入れているーー恋愛対象になり得る人妻こその1位といえるだろうか。

今回のランキングでは、昨今、男性の妻役イメージを具体化していると評判の井川遥も注目。彼女のどこが魅力なのか? 前出の芸能ライターS氏によると、

「“癒し系”のイメージを変わらず貫いていて『いつでもあなたの帰りを待ってる』と男を黙って受け入れそうな印象。さらに、グラビア時代で披露した柔らかそうな肢体の記憶がセックスでも癒してくれそうなイメージなので、世の大半のヘタレ男の妄想にピッタリとハマる」

その他、5位以下では深田恭子、大島優子が週プレ読者にお馴染みだが、そろそろ妻役への脱皮を求められているのか。一方、真木よう子や松嶋菜々子、木村多江は映画などでも妻役を演じる機会が増えイメージが定着した感がある。石田ゆり子も独身だが、以前から芯の強さだけでなく上品で3歩下がってついてきそうな男の理想像をキープしている。

また仲間由紀恵は、自身の結婚がリンクしたことも背景に考えられるが、いずれにせよ基本にあるのは“癒やしてくれそう”“優しそう”で包容力がありそうなムード重視といえる。

「イマドキ、夫を精神的に攻撃しない。そして顔をうずめて安らげそうなくらい胸があること…なんて時代錯誤で女性蔑視になりそうですが(苦笑)。実生活で妻に虐(しいた)げられているような日常をドラマの中にまで持ち込まれたくないということでしょう」(前出・S氏)

そういう意味では、これまで母親や妻役を何回も演じてきた上に、新婚ホヤホヤの観月ありさの名前が挙がっていないのは、確かに男性が“ドラマの妻像”に強さを求めていないという現れ…?

(取材・文/渡邉裕美)