元フジテレビの長谷川豊アナは、フリーに転向するまでの約14年間、間近で女子アナブームを見続けてきた。人気女子アナになるために必要なものとは?
■フジは笹崎里菜を強奪すべきだった!
―長谷川アナは1999年入社で、同期は内田恭子アナと大橋マキアナ。彼女たちは瞬く間にブレイクしましたが、その人気の過熱ぶりを感じることはありました?
長谷川 一緒に働いている分にはわからなかったんですが、マスコミ報道で実感する部分はありました。フジのアナウンス部にはほとんどの週刊誌が置かれているんですが、毎週のように彼女たちを含む同僚アナの記事が載っているんです。人気あるんだなぁって思っていました。
―ということは、そうした記事を当事者である女子アナの皆さんが目にする機会も?
長谷川 もちろんありましたよ。内田恭子アナは当時、雑誌などで「ノースリーブがトレードマーク」と書かれていたんですが、それを意識してか真冬でもノースリーブを着ていましたから(笑)。
―記事の中には、胸チラやパンチラなどの写真が掲載されることもあったと思います。
長谷川 フジテレビのアナウンス部は本当に仲が良かったので、僕たちが「この下着、色気がないなぁ」とツッコミを入れると彼女たちもゲラゲラ笑っていました。週刊誌もサービス精神旺盛だから、どう見てもCカップしかないのにEカップやFカップと書いてくれたりして。「こんなにあるわけないだろ~」って言うと「別にいいじゃないですか」ってむくれながら、明らかに笑顔なんですよね。
実はこうした記事って、悪いことばかりじゃないんです。雑誌に名前が出ることで知名度が上がり、結果的に番組に起用されやすくなるんです。
最近のフジのアナは野放図?
―え、そうなんですか?
長谷川 番組のキャスティングを握る編成マンって、大半は女子アナをよく知らない。だから、雑誌を参考にしてMC候補に名前を挙げることも多いんです。ある意味、週刊誌が女子アナを育てていると言ってもいいかも。
―一方で、プライベートも記事にされて大変ですよね。
長谷川 いや、それはTVに出ている以上、仕方ないことですから。ただ、僕は後輩たちに「何か撮られた時にイメージが悪くなるから絶対に変装はするな」「取材相手と交際はするな」「会社員がサインの練習なんてするな」と口が酸っぱくなるほど言いました。僕が退社してからは野放図になっているようですが…。
―最後に、人気アナになるために必要な才能とは?
長谷川 アナウンスメント技術だけでなく「スター性」がキー局では必要です。今年の新人でいえば、日本テレビの笹崎里菜アナが有望株。内定取り消し騒動でゴタゴタしている時、フジは絶対にスカウトすべきでした。彼女はフジのほうが生きると思いますし…。
■『週刊プレイボーイ』22号(5月17日発売)「18ページ大特集 女子アナvsカメラマン30年史」より(本誌ではさらに女子アナ情報からインタビューまでてんこ盛り!)