2000年度日テレ入社の鈴江奈々アナ。慶應義塾大学で最大級のダンスサークルに所属しコンテスト当日は多くの声援が彼女に送られた

女子アナ人気が最高潮に高まった第3次ブーム。この頃から、未来の女子アナをイチ早く撮影しようと、ミスキャンパスや卒業式にマスコミが押しかけるようになっていった。

ある意味、ミスキャンパス会場は未来の女子アナの宝庫。ミス受賞者だけではなく、ファイナリストから女子アナになることも少なくないのだ。女子アナブームに陰りが見える?今だからこそ、その熱気が懐かしくもある。

●人気アナばかりの奇跡の1年があった

1999年のミスキャンパス受賞者は実に華やかだった。「ミス慶應」にフジ・中野美奈子アナ、「ミス立教」にフジ・戸部洋子アナ、そして「ミス青学」にテレ朝・市川寛子アナが選ばれているのである。

「実はこの年、『ミスソフィア』に代わり、『アナウンサーコンテスト』が開かれたんです。そこで優勝したのが、テレ東の大橋未歩アナ。しかも、彼女が同年の『ミス慶應』の司会を務めたので、中野アナとニアミスしている」(女子アナ評論家・戸部氏)

2000年代に入ると、各局にミスキャンパス受賞者が続々と入社。いつしか「女子アナの登竜門」といわれるようになった。

「TV局はハッキリと明言はしていませんが、ミスキャンパス受賞者が女子アナになる割合を考えると、採用選考で有利に働いているのは間違いない」(戸部氏)

マスコミがミスキャンパスに熱視線を送るのも当然だろう。

●内定者を探し求めて卒業式会場を探索

ミスキャンパス同様、雑誌メディアにとって一大イベントになっているのが大学の卒業式である。女子アナ内定者を“先撮り”すべく、マスコミがこぞって集結するのだ。

実際に卒業式会場に行ったことのあるカメラマンA氏が解説する。

「卒業式前になれば、ある程度の女子アナ内定者の名前が判明していて、ミスキャンパス出場者やタレント活動歴のある女のコなら顔もわかる。卒業式の会場で彼女たちの姿を探し出し、アポなしで直撃するんです」

卒業式に出席している高揚感もあり、いきなりの直撃取材にも彼女たちは快く応えてくれるという。

「友達と記念写真を撮っていますし、そこにカメラマンが現れても変に警戒されないんです。ただ、竹内由恵アナは学生時代から有名で、大学の広報が周囲をガード。コメントをもらうことができず、写真を撮るのが精いっぱいでした」(A氏)

スター女子アナが次々輩出されたブームを後押しした“先撮り”だが、今春の日テレ内定取消し騒動を経て入社した新人・笹崎アナのようにいまだ狙われるケースは尽きない。女子アナのタレント化が批判されるご時世だが、恒例行事として話題を提供し盛り上げる役割はまだまだありそうだ。