今でも古武道や登山などで体を鍛えているという釈由美子。映画ではさらに引き締まった筋肉美を披露!

その鍛え抜かれたスレンダーな体が評判の釈由美子が、14年ぶりの本格アクション映画に挑戦した。

今回の映画は人気バイオレンス漫画『職業・殺し屋。』(西川秀明著)を原案にした『KIRI―「職業・殺し屋。」外伝―』(6月20日~全国順次公開)。釈が演じる主人公・キリは、かつて母親を殺した犯人への復讐に燃える女暗殺者であり、ナイフを使ったキレのあるアクションシーン満載だ。

20代ではグラビアアイドルとして活躍していた彼女だが、その頃ともまったく違う筋肉美を披露。その秘訣とともに映画への思いを語ってもらった。

―映画冒頭からショッキングな釈さんの姿にも驚きましたが、失礼ですけど、目が据わっている釈さんが少し怖かったというか…。

 タイトル通り、殺し屋という職業で、クールなヒロインを意識していたのでそれは嬉しいです(笑)。

―とはいえ、たびたび申し訳ないようですが、似合いすぎてるように感じてしまいまして。

 自分でも目の奥に悲哀感というか、寂しさや孤独みたいなものがあるとは思っています。それが勝手に出てきてるんでしょうね。今までもドラマ「スカイハイ」だったり、心に何か抱えた人物を演じることは少なくないんですけど、キャスティングしていただいた、これまでの監督やプロデューサーが自分の本質を見抜いているんだなと思います。

―確かに今までも何かを背負っている役は多かったですよね。でも、バラエティでいわゆる不思議ちゃんみたいな記憶も残っていたので印象的でした。

 20代の頃ですよね。20代は仕事を始めてすぐで、運と縁と勢いだけ、幸運に恵まれていたと思ってるいます。デビューしてすぐグラビアに出て、写真集も出せたんですよ。そのおかげでバラエティ番組にも出れて、そこでおバカキャラの走りというか不思議ちゃんとか言われて注目してもらって、ひと言でいえば20代は旬だったなって。

―確かにTVの露出も多く、毎週いろいろな雑誌の表紙も飾ってましたよね。

 でもその頃は与えられたことをやるというか、受け身だったと思っています。今思えば、もっとアクションも演技もちゃんと勉強すればよかった。経験を重ねたから言えるけど、そういう後悔や反省があって、だからこそ30代は受け身ではなく、自分がこうありたい、こうなりたいと発信していく明確な意思を持って行動しようとシフトしたんです。

父の余命を伸ばしたいと葛藤しました

―ではそれもあって今回のキリ役ではアクションもですが、お芝居として追求した結果、あんな表情だったり演技をできたと。

 いえ、最初はそのつもりだったんですけど、違うんです。観ていただければ伝わると思うんですけど、彼女は暗殺者として生きることがアイデンティティなんですが、自分をわかってくれる人や家族がいないという寂しさで、何度もやめようかなという葛藤があります。でも走り出した以上は振り返っている場合じゃない、というのが彼女の生き方。それがその時の自分とかぶっていたので、役作りも何もせずに撮影に入っていけました。

―その時の自分というのは?

 脚本を渡されたのが、父が末期がんで余命半年と宣告された時でした。自分も久しぶりのアクションだし、作品も面白いと思いましたが、すごく葛藤したんです。父の余命を伸ばしたいと思って、仕事が空いた隙間の時間に、民間療法だったりいろいろ治療をしていたんですけど、作品が始まったらそれもできなくなると本当に迷いました。

でも作品の話をしたら、父が背中を押してくれて、「じゃあ行くからには中途半端にできない。映画に集中したいから、後はお願い」って家族に託しました。

―それは本当に大変な状況ですね。

 ちょうどクランクインした日、たまたまですけど、まるでタイミングを計ったかのように父の病状が悪化して入院してしまったんです。だから私もその期間は背負うものがあって、「父と別れたくない」と葛藤や焦りがありながらも、作品に集中して完成したら一番に父に見せたいなと思っていました。

結局、間に合わなかったんですけど、振り返って作品を観ると、そういう状況で私自身も戦っているシチュエーションじゃないと、あの表情は出せなかったかもなと思うんですよ。芝居を超越した感じというか、自分で言うのもおかしいんですけど(笑)。

―そんなことがあったとは思いませんでした。プライベートでも壮絶な時期だったんですね…。演技だけでなくアクションも激しく、かなり身体作りも徹底して?

 元々、古武道を3年前からやっていて筋肉質ではあるんですけど、それも違うんですよ。先程の状況もあって、ほとんど稽古ができなかったんです。だから申し訳ない、どうしようと思ってたのに実戦がハードすぎて撮影中にすごくマッチョになっていきました(笑)。

―それも意外! 確かに登場している間のほとんど戦ってましたけど(笑)。

 特に、ひとりでトレーニングしているシーンは全部撮り終わったあとのシーンだったので、一番仕上がってパンプUPしているんですよ(笑)。腹筋もバッキバキになっていて、元々衣装も露出はなかったんですけど、ここはタンクトップのほうがカッコいいって私から提案したんです。

この場をお借りして読者に申し訳ないと…

―というか正直、あのシーンはエロカッコいいなと思ってしまいました、セクハラみたいでスイマセン!

 いえいえ、あのトレーニングシーンは動きも全部丸投げで、普段しているストレッチや古武道の型をやってるだけだったんです。終わって観てみたら、私もあんなエロチック風な撮り方をしてると思わなかったです(笑)。いわば盗撮ですよ! でもあざといセクシーさはイヤで、鍛えた体からにじみ出てくる色気だったり、男性にはない女性ならではの美しさを出せたみたいでよかったです。

―特に体が締まってるから尚更なんですけど、そのふくよかなバストも目立って、大変楽しく観させていただきました!

 ド直球ですね、さすが週プレさん、いいですね(笑)。でも、昔は食べないダイエットをやっていて、あまり胸もなかったんですけど、今は運動するので普段からよく食べるようになったらこうなったんですよ。今、週一で焼肉に行ってますもん。

―いえいえ、昔も素晴らしかったですよ!

 えぇー!? 全然生ぬるいですよ! ちょうどその20代は受け身の頃だったので、意識して仕事をするようになってみると「どこにクビレがあるんだろう、体にメリハリがないな」とか。あの時は「20代で若ければ、そこにいればいいのかな」みたいな感じでストイックさがなかったので…。

―では、今年の年明けに週プレ本誌でグラビアもやっていただきましたけど。あれはご自身でも満足するものでしたか?

 そう! この場をお借りして週プレ読者の方に申し訳ないとお伝えしたいんですよ。

―えっ? 何をですか?

 あれ、ちょうど映画のクランクアップした2,3日後のクリスマスイブに撮影したんですよ。「久しぶりのグラビアだー! 水着だー!」と思っていたのに、脱いだらお腹はタテヨコ割れてるし体中マッチョだし…男性誌のグラビアとして、これってありなの!?って…。ホントは女性らしい柔らかいラインで、グラビア仕様に戻したかったんですけど、完全にキリ仕様でホントにスイマセン。もしまだ本誌を持っている方がいれば映画を観て、その後に見直してくれると面白いかもです。

―官能的な色っぽい感じで好きでしたよ! むしろ、またやっていただけませんか?

 グラビアの仕事をやっているのが一番本領を発揮するというか、原点なので。水を得た魚のように、このまま時が止まればいいと思えるくらい楽しいんですよ。今までやってきたからですけど、自分でシナリオや設定など世界観を作れるのが嬉しいですね。でも今やるならもう熟女グラビアですよね…。

―いえいえ、水着を激しく希望していまして。そのたわわなバストをこう…。

 ちなみに今は、ガチの山登りにハマってしまって、かなり筋肉がついたままですよ。登山の体力作りのために毎日5キロ走ってますし、「どこに向かっていくんだろう、私」って思うくらいなので、今すぐは難しいですね(笑)。いつかまたやる機会があったら楽しみにしてください(笑)。

―……残念ですが、期待しています!

(取材・文/週プレNEWS編集部 撮影/五十嵐和博)