2日間で14万人のファンを動員した日産スタジアムでの2DAYS ライブではセカオワの“ファンタジーワールド”が全開! 2日間で14万人のファンを動員した日産スタジアムでの2DAYS ライブではセカオワの“ファンタジーワールド”が全開!

7月18日と19日、“セカオワ”ことSEKAI NO OWARIの2DAYS ライブ『Twilight City』が神奈川・日産スタジアムで開催。2日間で14万人のファンを動員した。

今年頭から猛烈なセカオワ熱に浮かされているアラフォー主婦ライター・カワイも、即日完売で入手困難なチケットをオークション値段13000円でゲット!(定価は7900円)したが、ライブ参戦は高校生の時にハマってた筋肉少女帯以来…どうノレばいいんだろうか、とりあえずXジャンプでもすればいいのか??

そんなどうでもいい迷いは会場入りしてすぐに吹き飛んだ。周りにはFukaseやピエロのDJ LOVEなどメンバーのコスプレをするファンがあふれ、キツネのお面&浴衣を着たスタッフも出迎える。綿飴やアンズ飴などの屋台も出店しており、まるでジブリ映画『千と千尋の神隠し』の主人公が迷い込んだ町のような雰囲気。

ステージ中央には高さ40mの巨大樹木がズドドーン! そこには階段とツリーハウスのように小さなステージも設置されている。

そしていよいよ開演! 爆発音とともにステージに設置された松明がボーボー灯り、1曲目は『炎と森のカーニバル』から。『Love the warz』では火の玉がボンボン吹き上がって2階席の“幽霊屋敷跡地前”に座るコチラにまで熱気が伝わってくる。続いて『虹色の戦争』ではFukaseが「歌える?」と呼びかけると7万人がそれに応え、それにまたFukaseが吐息まじりで「いいねぇ…!」と返すと、会場のオナゴ達が一斉に「ひゃぁぁ?!」。

ライブ会場にお母さんと一緒に来ていた中学2年生のFukaseファン・ユミちゃんは「ステージ脇の赤い三両編成の列車型ステージカーにFukaseとNakajinが乗り込み、ステージを1周しながら『ファンタジー』を歌ったんです。私はスタンド1階席“銀河街”だったけどアリーナ席より良い眺めで、どこに座っても“この席でよかった”って思えるのがセカオワのライブの良いところ!」

集大成のライブに感動、絶賛の声

映画『進撃の巨人』の主題歌となった『ANTI-HERO-』と『SOS』の英語歌詞の楽曲もライブで初披露。2014年のアリーナツアー以来、すべてのライブに参戦しているという大学1年のサキちゃんは、

「『ANTI-HERO-』はこれまでのセカオワの世界観をガラッと覆(くつがえ)したヒップホップ。ちょっとオラオラっぽいFukaseの新しい魅力を感じるし、『SOS』も優しい声が本当に心に響いて。Saoriちゃんのピアノだけで歌う『ピエロ』もNakajinのアコギで歌う『スノーマジックファンタジー』にもFukaseの歌唱力が上がった印象を受けましたね」

セカオワのライブに来るファン層は20代の男女を中心に、今や小学生らしき女のコなど家族連れの母娘で来る姿もあれば、30、40代まで幅広いのが特徴的。男女比もおおよそ半々。小6女児と5歳男児の4人家族で来ていたお母さんに話を聞くと、

「セカオワのライブはステージセットも演出も、火あり水ありで子供らも見ていて飽きない。ウォータースクリーンで人魚が踊った『マーメイドラプソディー』に娘は大喜びだったし、『インスタントラジオ』であがった花火に息子は大興奮! 家族で来られるライブは他にありません。遊園地に来るような感覚です」

また、インディーズ時代からセカオワのファンだという40代の主婦・ユリさんも「私、ジャニーズも好きでよくコンサート行くんですよ。Fukaseの可愛らしいルックスと透き通る歌声はジャニーズ的な魅力にも通じるんですよ。あんな可愛いルックスや歌声で世界平和とかファンタジーを歌われたらたまりません」

このように今回のライブでは、巨大樹木はもちろん、ツリーハウスに列車型ステージカー、さらには巨大な列車型風船までアリーナ上空を飛行し、ウォータースクリーンに炎の演出など他のアーティストとは桁違いの演出にファンも大満足。セカオワ史上においても集大成といえる、過去最高のライブに感動、絶賛の声が尽きなかったのだ。

“End of The World”で海外へ!

こんなファンタジーな世界観を前代未聞の大がかりなイメージで提供する、彼らの極上なファンサービス…セカオワの魅力について、改めてJポップに詳しい音楽評論家の宝泉薫氏に聞いた。

「よくセカオワのことを“中二病(思春期にありがちな自己愛に満ちた空想や嗜好の意味)”って言いますが、彼らの魅力はこの“中二病”に徹してるところだと思います。テーマであるファンタジーな世界観やその楽曲は、ロックバンドが打ち出す現実的な反体制メッセージと相反するテーマで、そもそもバンドとファンタジーは相性の悪いものだったのが、それをごく自然に自分達流に体現してるのがセカオワです。

メンバーのルックス含め、今までのバンドが獲得できなかった小中学生やファミリーなどのファン層を取り込めたのも大きい。毎回、遊園地的な演出でライブを盛り上げているのも、ファンからしてみれば“次回はどんな世界観になるのか見てみたい”と思える大きな要素だと思います」

2013年には世界的なプロモーターLive Nationと提携し、海外バンド名を“End of The World”として活動し始めたセカオワだが、今後は海外進出への快進撃を見せてくれるであろうことも期待大。彼らの今後を宝泉氏はどう見ます?

「きゃりーぱみゅぱみゅやPerfumeのように日本語で海外進出するのではなく、英語力のあるFukaseの特性を活かして英語詞で勝負するんだなと。9月にはマレーシアで行なわれる東南アジア最大級の音楽イベント『MTV World Stage Malaysia』への日本人アーティスト初出演も決まり、まずはアジア進出ですね。

さらに欧米進出には彼らのルックスの魅力がかなり大きい。アイドル的な可愛らしさもあるFukaseにピエロのDJ LOVE、そして渋谷系とも原宿系ともいえるファッション。これらの要素は日本の“kawaii文化”に乗っかるカタチで海外に浸透するのではないでしょうか」

他のバンドにはない唯一無二の“ファンタジー”を展開し、ファンの心を掴んで離さないセカオワ。本誌記者カワイの熱も今回のライブ参戦でピークに達し、果てるかと思いきや…冷めるどころか、ますます高熱に。こりゃ“End of The World”までついていくしかない!!

(取材・文・撮影/河合桃子)