“ある特定の職業”に就いている人たちのハートに火をつけている『ジュラシック・ワールド』劇中のシーン (C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

8月5日、いよいよ日本でも公開される映画『ジュラシック・ワールド』。

現代に恐竜を蘇らせる人気シリーズ第4作目、14年ぶりの新作ということもあり、先に公開された海外ではすでに大ヒット中。公開後3日間の世界興行収入は5億2410万ドル(約644億円)と、オープニング興行収入の史上最高記録を更新している。

そんな大反響の中、映画公開以降、劇中のあるシーンが世界中の“ある特定の職業”に就いている人たちのハートに火をつけているという。

その問題のシーンとは、ジュラシック・ワールド内の研究施設に勤務している恐竜行動学のエキスパートであるオーウェンが、恐竜に襲われそうになった飼育員を助けるため、凶暴な3頭の恐竜を制する緊迫感溢(あふ)れる場面――。

実は、このシーンに世界中の動物園飼育員が触発され、自分達が普段飼育している動物相手にSNS上でゆるすぎるパロディ画像を続々公開しているのだ。

例えば、オーストラリアの「ライオンカントリーサファリ」で働く男性飼育員は、ミナミシロサイ相手に撮影。

一番右端のサイ、草食ってないですか…?

アメリカ・アトランタの「ジョージア水族館」ではラッコで…。

ラッコって立つんですね。

ニュージーランド・オークランドの「オークランド動物園」ではブタ相手に…。

さらに、アメリカ・シアトルの「ウッドランドパーク」ではペンギン。

アメリカ・ノリスタウンの「エルムウッドパーク」ではレッサーパンダまで…。

そして、オーストラリア・シドニーの「タロンガ動物園」ではクアッカワラビーも。

どれだけ流行っているかは、ハッシュタグ「#JurassicZoo」「#jurassiczookeeper」などで確認してみてほしいが、もう、この手のパロディ画像がわんさか出てくるのだ。

ついには公開前の日本でも!

このパロディ画像ブーム、すでに海を飛び越え、実は日本にもやってきている。公開前にも関わらず、日本の飼育員たちまでがこぞってこのポーズの画像をSNS上にアップしているのだ。

日本での“一番手”は長崎県西海市の「長崎バイオパーク」。こちらの飼育員が6月21日にカピパラを相手に画像をソーシャル上にアップしたのが始まり…。

カピパラの緊張感のなさが震えます。つーか、全然、飼育員を見てない

続けて、飼育員らはダチョウ、コモンリスザル、オオカンガルー、ラマ…を相手にした画像を次々とアップ。

チョイスする動物のせいか、どれもほのぼのとするような(緊張感がないともといえるが…)画像ばかり…。

それにしても、すでに映画が公開され話題になっている海外と違い、日本では映画公開前だというのに、なぜこんなネタ画像を公開したのか。実際に画像をアップした「長崎バイオパーク」の飼育員・末竹純さんに話を聞いてみると…。

世界中でプロ根性を刺激されている?

「最初にこのポーズのことを聞いたのは友達からです。『今、世界中の動物園でこのポーズが流行っているんだって』と言うものだから、気になってネットで調べたところ、まだ日本の動物園ではやっていないようだったので挑戦してみようと思いました」

カピパラ、ダチョウ、リスザル、カンガルー、ラマと、なんか選定がゆるすぎるような気もしますが、なぜこんなチョイスに?

「今回撮影した動物たちはとてもおとなしく、エサで誘導しやすい種類(笑)。ジュラシック・ワールドの写真は人間と動物の位置関係が大切だと思ったので、比較的言うことを聞いてくれる動物たちを選びました。とはいえ、実際にやってみると、カメラの方向を向かせたり、映画の恐竜と同じ場所に留まらせるのは大変。エサで誘導しながら、写真を撮ったりしたんですよ。

ちなみにリスザルの場合、手を横に広げるだけで怖がって逃げてしまうので、手の開き具合を探りながら恐る恐る撮影したものです」

思いのほか、あの写真を撮るのは難しいとのこと。それゆえに世界中の飼育員がプロ根性を刺激され、いろんな動物でパロディに挑戦しているのかもしれない。

日本でも長崎バイオパーク以外に沖縄市の「沖縄こどもの国」、岡山市の「池田動物園」、姫路市の「姫路市立動物園」の飼育員さんらがすでに参戦。公開前から飼育員さんらのパロディ合戦は早くも熱を帯びている。

いよいよ公開間近というわけで、迫力あるオーウェンのポーズを劇場で見れば、飼育員のみならず動物好きなら、きっと魅了されるはず? 自分のペットをモデルにパロディ画像をSNSにアップする人が続出するか…。

(取材・文/アヤカ)