吉田菫(ボーカル・ギター担当/以下、すぅ)、梅村妃奈子(ドラム担当/以下、ひなんちゅ)、山内あいな(ベース担当/以下、あいにゃん)、黒坂優香子(キーボード担当/以下、ゆかるん)の4人からなるガールズバンド「Silent Siren」。
2010年にファッション雑誌の読者モデルが集まり結成。彼女ら読モに憧れる中高生から圧倒的な人気を集め、2012年にメジャーデビュー。わずか5年目にしてガールズバンド史上、最速の日本武道館公演を果たした。
7月24日にNHKホールでファイナルを迎えた全国ツアーも大盛況で、勢いに乗る話題の彼女たちに満を持して独占インタビュー。音楽以外のことも根掘り葉掘り聞いちゃいましたよ!
-Silent Siren(以下、サイサイ)さんって、そもそもどんなバンドなんですか?
ひなんちゅ:う~ん、エンターテインメント性のある、お客さん参加型のライブをする国民的ガールズバンド…になろうとしてる、男気溢(あふ)れるバンドだと思います!
-では、目指すところは?
ひなんちゅ:てっぺんに登れるようなバンドになりたいです。日本を代表するガールズバンドになりたいので、紅白歌合戦に出たいですね。TV番組にも出たいし、武道館が終わったので、次はアリーナツアーできるくらいのクラスになって、海外も進出して、ホントやれることは全部やりたい。ポール・マッカートニーみたいになりたいですね!
あいにゃん:かっこいいー!
-いきなりポール・マッカートニーですか!? いきなりレジェンドな…(笑)。
ひなんちゅ:(ポールのように)日本に来たら東京ドーム即完みたいな。つまり、海外の大きいとこに行っても即完みたいな…ってくらいの夢を持っとかないと、やってらんないと思うので。そこを目指してます!
目指すはTOKIO!?
-な、なるほど…とても野心的! では、ライバルや目指しているバンドは?
ひなんちゅ:ない!
-勝気ですね!
ひなんちゅ:…まあ強(し)いて言うなら、TOKIO。
一同:アハハハハッ(大爆笑)。
-ト、ト、TOKIO!?
ひなんちゅ:ライバルじゃないですよ! 目指しているのがですよ。エンターテインメント性もあるし、それぞれのキャラクターもあるし、それでいてバンドもめちゃめちゃうまいし、人気もあるし。誰でも知っているっていう、そういう意味ではTOKIOさんをすごく尊敬しています!
-広く大衆に受け入られたいって願望なんですかね。で、“エンターテインメント性のある、お客さん参加型の”ライブってことですが、具体的にコンサート会場でどんなことを?
ひなんちゅ:MCで「サイサイコーナー」というゲームをするコーナーがあるのですが、そこで“借り物競争”や“あっち向いてホイ”とか“二人羽織”、“叩いてかぶってじゃんけんぽん”なんかをやってますね。一見、古典的にも思えるんですけど、物をあんまり使わないシンプルなゲームのほうが、一周回って面白いんじゃないかってことで。
-やってることは、ドリフ(ザ・ドリフターズ)じゃないですか(笑)。オッサンにもすごく親近感が湧いてきましたよ。そして結成5年目にして早くも憧れの武道館を達成!と。ガールズバンドの中では最速だったとか…
ひなんちゅ:誰かと比べたり、誰よりも早くとかそういう気は全くなくて、いつか武道館にとは思っていました。私たちは突然、武道館に立ったわけではなく、小さいラブハウスを少しづつ埋めて、Zeppや野音を埋めて、順序があっての武道館だったので、すごく達成感がありました。
あいにゃん:やっぱり、結成当初から口に出していた場所でしたよね。5年前はバンド経験はあるにしても本当に下手クソで、でもなぜかその頃から根拠のない自信みたいなものがあって。武道館というひとつの夢が叶ったってことは大きな自信につながりました。
「なんでバンドやってんの?」と嫌味を…
-素敵な話です。そもそもどんなきっかけでバンドを?
ひなんちゅ:すぅに初めて会った日にバンドを組んだんですよ。読者モデルの撮影スタジオで、10-FEETっていうバンドの「RIVER」って曲が流れてきて、それがきっかけで意気投合したんです。私は女のコっぽくないところがあって、きゃぴきゃぴが苦痛ではないんですけど、あまり話が合うコがいなくて…でも、すぅは違ったんですよね。つまり共鳴したわけですよ。それからすぐにバイト先で知り合ったベース経験者のあいにゃんを誘ったんです。
-初演奏はどこで?
ひなんちゅ:当時、読者モデルやりながらバンドをやっている男のコたちがいて、定期的に原宿のアストロホールっていうライブハウスでファッションイベントをやっていて。そこのライブに呼ばれたのが最初の演奏でした。読者モデル目当てのお客さんが多くて常に300人くらいは埋まっているみたいな。
初ライブがそうだったんで、ライブすればお客さんが来ると思ってしまい、調子に乗って違うライブをブッキングしたら全然お客さんいなくて、わずか5人とか…。たくさん来てくれたらウチらにも利益があり、来なければウチらがライブハウスにお金を払わなければいけないシステムを初めて知り、これはヤバイ!と思って猛練習を始めたんですよね。
-人気読モたちが突如、ライブシーンに参入したわけですが、他のバンドから何か言われたりは?
ひなんちゅ:音楽一本でバンドをやっている人たちから見たら、私たちは出ている雑誌でも宣伝できるし「そんな甘い気持ちで音楽やってんじゃねえ」みたいなことを思われたりして…。「なんでバンドやってんの? モデルのほうが稼げるじゃん」って嫌味を言われたり、でもウチらは稼ぎたいと思ってやっているんじゃなくて、好きだからやっているのに!
-それは大変でしたね。
ひなんちゅ:あとは「本当に弾いてるの?」とか「音源あるんじゃないの?」とか。ライブに呼ばれて行っているのにも関わらず、「えっ、楽器あるんですか? アイドルじゃないんですか?」みたいなことも…。
あいにゃん:やっぱり、その当時は演奏面でも自分にも自信がなかったし、言われたことに対して悔しいから頑張るみたいな感じでしたね。ライブを見てくれてても、演奏のどこが良かったって言われるんじゃなくって「あー、可愛かったよー」みたいな感じで、「可愛い系を目指して頑張ってます」って思われているのかなみたいな…そうじゃなくって、もっと演奏を見てほしいっていうのが強かったですね。
ゆかるん:そういうのが一番嫌だよね!
バカにするやつらは全員抜かしてやる!
ひなんちゅ:この頃、ウチらは雑誌の撮影をして、その帰りにスタジオに入ったりしてて。右肩に読者モデル用の一週間分ぐらいの私服を持ちながら、左肩に楽器持ってみたいな…すっごく重いんですよ! もちろんタクシーに乗るお金もないし、そんな苦労をしてて、悔しさひとしおでしたよ。
でも、仮にひとりが落ち込んだとしても、他のメンバーは全然大丈夫で、そういうメンタルが強い4人で良かったです。ウチらの方がいいバンドだみたいにホントにそう思ってたし、下手かもしれないけど、間違いなく曲はいいって思ってた。だから、バカにするやつらは全員抜かしてやろうみたいな気持ちでした。
-文句を言ってきたバンドは、今はどうなっているんですかね?
ひなんちゅ:わからないですね~
-じゃあ、駆け出し時代はやっぱり貧乏でした?
ひなんちゅ:そうですね! 渋谷のノア(スタジオ)で、深夜12時から朝6時の深夜パックがあるんですけど、スタジオ代が安い上に、カップラーメンとおにぎりが無料で付いてくるんですよ…。
すぅ:あれ、良かった~。あれが幸せだったよ。夜中の2時半くらいに、夜食で食べてたな~
あいにゃん:あと、読者モデルの撮影って、1回の撮影で交通費としてで2、3千円もらえるんですよ。それが入った封筒を手にしたままスタジオに行って、ひとり千いくらねって言って、その封筒からみんなでスタジオ代を出してましたね。
すぅ:やってた。その日のギャラで。
あいにゃん:結局、その日の交通費もあるので、プラマイゼロみたいな感じで。
すぅ:懐かしい~。1年はやってたね~。
ひなんちゅ:読者モデルの撮影で、スタジオにお菓子とかお弁当があるんですけど、それを根こそぎ持って帰ってましたね。
すぅ:それを音楽スタジオで食べるっていう…(苦笑)。
ひなんちゅ:結構、いい飲み物とか置いてあるんですよ。
-ふふっ、わかります。ちなみに余っても困るので、食い物はどんどん持って帰ってもらったほうがいいんですよね。
●この続きは、明日配信予定。彼女たちの恋愛トークが炸裂、お見逃しなく!
(取材・文/週プレNEWS編集部 撮影/山下隼)
■Silent Siren(サイレント サイレン) 全員が読者モデル出身の原宿発の4人組ガールズバンド。2012年11月、シングル「Sweet Pop!」でメジャーデビュー。原宿を中心に女子中高生に人気が広がり、LINEの公式アカウントの登録数は40万人を超え、2015年1月には、ガールズバンド史上最速で、日本武道館でのワンマンライブ開催した。
●山内あいな(やまうち・あいな)ニックネーム:あいにゃん 担当:ベース 1988年7月3日生まれ 神奈川県出身 156cm
●梅村妃奈子(うめむら・ひなこ)ニックネーム:ひなんちゅ 担当:ドラム 1991年3月13日生まれ 東京都出身 163cm
●吉田菫(よしだ・すみれ)ニックネーム:すぅ 担当:ギター&ボーカル 1992年12月28日生まれ 福島県出身 161cm
●黒坂優香子(くろさか・ゆかこ)ニックネーム:ゆかるん 担当:キーボード 1989年6月6日生まれ 埼玉県出身 151cm