秋の番組改編に伴い、民放各局で新番組が次々とスタート。テレ東の深夜ドキュメンタリー『家、ついて行ってイイですか?』に注目!

秋の番組改編に伴い、民放各局で新番組が次々とスタートしているが、全体を見回すと、例年と比べて、そこまで大きな動きがなかった印象だ。

しかし、それでも注目したい新番組はある。

それはスタジオでセットを作りこんだ「バラエティ」ではなく、街中にカメラを持ち込み、タレントや一般の人々の生な反応をカメラに収める「ドキュメンタリー」番組だ。

特にテレビ東京は、予算の少なさを逆手にとって、こうした独自路線の番組を作り続けている。この秋から新たにレギュラー化された深夜番組『家、ついて行ってイイですか?』も、そのひとつだ。

上智大学文学部新聞学科の碓井広義教授が、番組の魅力を熱く語る。

「過去に特番や期間限定で放送されていた番組で、これがとにかく面白い。終電を逃した素人の家についていくという単純なアイデアなんですが、行き当たりばったりの人間ドキュメンタリーにもかかわらず、笑いアリ、感動アリの構成に仕上がっている。これはもう絶対に見逃せません!」

こうした「ドキュメンタリー」番組は、ここ数年ブームとなっている。中でも各局で増えてきたのが、タレントが街をぶらぶら歩いて人々と交流する“散歩番組”だ。

しかし、散歩番組は内容がシンプルな分、出演者の個性に番組の面白さが左右されやすい。そうした中、今秋の番組キャスティングで秀逸だったのは、高田純次が出演する『じゅん散歩』だろう。

コラムニストの今井舞氏も「毎日見るのが楽しみ」と大絶賛している。

「前番組の『若大将のゆうゆう散歩』では、加山雄三が上から目線で地元の人に接したり、ほとんど歩かなかったりと、見ていてイヤ~な気分になることもあった。その点、高田純次はこの番組でもテキトーぶりを発揮。何せ散歩中、銀座で女のコをナンパしようとしていましたからね(笑)。とてもセンスあるキャスティングだと思います」

『家、ついて行ってイイですか?』はアイデア勝負、『じゅん散歩』は演者の個性で勝負と、それぞれ狙いは違う。しかし、予算をかけて作りこんだバラエティ番組が若者世代にウケにくくなっている今、予想外のハプニングも番組の要素として取り込んでいく「ドキュメンタリー」番組が、かえって新鮮なものとして受け入れられているのかもしれない。

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■週刊プレイボーイ43号(10月13日発売)「20代から40代の男が今見ているテレビ番組はこれだ!(&見るべき番組はこれだ!)」より