売れていなくても、しぶとく 残る芸人は何が違う?

『週刊プレイボーイ』本誌連載中のコラム「ゲッターズ飯田の占い放浪記」で旬の話題を占う“最強の占い師”が、今回は芸人仲間スギちゃんのサプライズ結婚式に出席、しみじみ考えたこととは…。

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僕は元々、漫才コンビとしてデビューもしていたお笑い出身の人間です。だから特に自分の周りのお笑い芸人たちのことはたくさん占っています。いろんな芸人が化ける瞬間も見てきました。

先日、そんな仲間のひとり、スギちゃんのサプライズ結婚式に行ってきました。

いとうせいこうさんの仕切りで、小島よしおくんとかも手伝って。家からアイマスクつけられてタクシーに乗せられてスギちゃんがやって来る。「番組収録」と聞かされていたみたいで、どんなドッキリなんだと思っていたようです。

ステージに乗せられて、大勢の人の気配はあるけど、何をさせられるのかわからない。

「もう骨折したから飛び込みはやりませんよ」なんて言って、マスクを取ったらステージ上にウエディングドレスを着た奥さんと、北海道から来た奥さんのお父さんの姿も…。

いろんな方からのお祝いがありました。ビートたけしさんからお花が来てたり、コウメ太夫さんや天津の木村さんがネタをやったり、AKB48のメンバーの方が来ていたり…にぎやかでした。

お金はかかっていないけど、人の心がいっぱい集まっている素敵な結婚式でした。スギちゃんも「僕、今まで他人の結婚式でご祝儀を包んだことがなかったんですけど、これからはちゃんと包もうと思います。そのためにも、もう一発当てないといけないから仕事をください」なんて挨拶(あいさつ)をしていましたね。

みんな笑顔でした。これはスギちゃんの人柄ですよね。いい人だからここまで周りがしてやろうと思ったんでしょう。

芸人の世界は「辞めずに続ける」ことが大事

それにしてもお笑いで売れるって本当に大変です。

今や15年くらいやってても「若手」ですから。40歳前後でちょっと売れても一発で終わる人もいる。スギちゃんなんかは一発屋、一発屋と言われながらも続いていますよね。そのまま消えてしまう人は大体、目立ってはいけないタイミング、いわゆる裏運気の時に売れてしまっているんです。例えば、最近だとエド・はるみさんとかはそうかな。

では、今年の上半期にブレイクした8.6秒バズーカーのふたりはどうなんでしょうか。最近テレビで見る機会が減りましたが(笑)。占ってみましょう!

ああ。彼らは運気のいいタイミングで売れていますね! 今後も大丈夫そうです。再来年、2017年にもう1回大チャンスがあります。ただし、そこにうまく合わせて盛り上げていく努力がないと消えていくので要注意!

芸人の世界は「辞めずに続ける」っていうことが大事です。我慢して売れた人の共通点は「売れてなくても楽しそう」という共通点があります。売れることを目標にしていると、お笑いを続けていくのはつらくなってしまいます。

でも、お笑いの仕事が大好きだから、思いきり楽しもう! みんなに楽しんでもらおう!!という気持ちがあって続けていく人はどこかで必ずチャンスに巡り合えています。

これはどの仕事でも同じ。楽しそうに続けているといつか必ずチャンスは舞い込んできますから!

●ゲッターズ飯田1999年よりお笑いコンビ「ゲッターズ」として活動。コンビ解散後は放送作家、タレント、占い師として幅広い分野で活動。芸能界にも信奉者が多い

(イラスト/服部元信)