大きな目玉がなかったため、話題に乏しかった秋の番組改編。
その中である意味、攻めの姿勢を見せたのがフジテレビ。ゴールデン帯で『優しい人なら解ける クイズやさしいね』『世界の何だコレ!?ミステリー』『巷(ちまた)のリアルTV カミングアウト!』という3つの新番組を立ち上げたのだ。
視聴率が低迷するフジとしては是が非でも巻き返しを図りたいところだが、上智大学文学部新聞学科の碓井広義(うすい・ひろよし)教授は番組キャスティングに疑問符を投げかける。
「『クイズやさしいね』は火曜日放送で、MCはウッチャン(内村光良)。月曜日にもゴールデン帯のバラエティ『痛快TV スカッとジャパン』の司会を務めているので、ウッチャンは2日連続の出演となる。MCの人気に頼る形で視聴率を稼ごうという思惑が透けて見えてしまう。これは番組内容に自信が持てない表れでもあるのではないでしょうか」
実際、9月末に深夜枠で『クイズやさしいね』のパイロット版を放送したのだが、評判はイマイチだった。
「アシスタントに加藤綾子アナを起用するなど、かなり気合いが入っていたんですが、フタを開けてみれば、ただのクイズ番組。キモである“やさしい”の基準が曖昧(あいまい)すぎて、内容はかなりブレブレでした」(テレビ評論家・朝日富士夫氏)
特番はお金がかかりすぎる
新番組の他にも、フジは日曜日の19時から22時まで「日曜ファミリア」という3時間枠を新設。特定のレギュラー番組を置くのではなく、週替わりで特番を放送していくという。フジ局員が話す。
「日曜日のゴールデン帯は日テレの独壇場。これまで幾度となく勝負を挑んだものの、そのたびに返り討ちに遭っていたんです。もう打つ手がないのが正直なところ。特番で回して、いずれレギュラー番組に採用できるヒット番組が奇跡的に生まれれば…」
元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏は、こうタメ息をつく。
「特番はそのたびにスタジオセットを組まなければいけないですし、出演者も毎回替わるからレギュラー番組に比べると余計にギャラがかかる。フジの上層部が未だに『お金を使えば面白い番組ができる』と思っているとしたら、視聴率回復なんて夢のまた夢でしょう」
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