主演した新作映画『ジョン・ウィック』のプロモーションのため来日したキアヌ・リーブス

ハリウッドの大物スターにもかかわらず、ひとりでふらっと来日。秋葉原や横浜などに出没する姿が目撃されているのが、映画俳優のキアヌ・リーブスだ。

来日時のお約束で有名なのは、ラーメンの食べ歩き。キアヌは世界一セレブなラーメンオタクとして知られ、行きつけのラーメン店が日本各地に存在する。ある店では、キアヌが座った場所がプレミア化しているそうだ。

そんな彼が9月末、またもや日本にやってきた。『週刊プレイボーイ』本誌では、本人に直撃インタビューを敢行! 一体、今度は何をしにきたのか聞いてみると…。

「僕が主演した新作映画『ジョン・ウィック』のプロモーションのためさ」

今回はラーメンを食べにきたわけではないようだ。しかし思えば、キアヌがアクション映画に出演するのは、『スピード』(94年)や『マトリックス』(99年)以来、久しぶりのこと。なぜ51歳という年齢になって、新しいアクション映画にチャレンジすることにしたのか?

「僕は内容のあるアクション映画が好きなんだけど、そういう脚本はすぐに見つかるものではないんだ。だけど今回の『ジョン・ウィック』で久しぶりにそういう脚本に出会えたんだ」

映画での役どころをざっくり説明すると、キアヌが演じるのは、かつては伝説的な殺し屋だったが、今は殺しの仕事から手を引き、平穏な日々を送っているジョン・ウィック。しかし安らぎの毎日は、あるロシアンマフィアの手によって、突如奪われる。その怒りと憎しみが封印していた殺しのスキルをよみがえらせ…という復讐劇なのだ。

見どころはやっぱりアクション! 血はドバドバ噴き出るわ、死体はゴロゴロ転がるわの、ものすんごいアクションの応酬に大興奮する。

「アクションシーンはとにかくすべてが大変だったよ。監督はこの映画を“ガンフー”(銃とカンフーをかけた造語)と呼んでいたんだけど、撮影前にまさに『ジョン・ウィック・ブートキャンプ』とでもいうべき、3ヵ月のトレーニングをしたんだ。柔道や柔術、銃などの武器の扱い方や戦術のトレーニングまでいろいろ。あとは、ロシア語かな(笑)」

ますます日本で見かける機会が?

そんな猛烈トレーニングで獲得した、無駄な動きのない武術と、正確に急所を撃ち抜く銃さばきで敵をバタバタと倒す姿は、まるでゲーム上級者が操作しているFPS(本人視点のシューティング)ゲームの主人公のように見える。

「僕はゲームはやらないんだけど、実際のアクションをビデオゲームのように見せるということを監督は意識していたと思うよ。キッチンのシーンで人を後ろから押さえ込んで殺すところかね。ああいうシーンにこそ柔術と銃が混じり合っていて、まさに“ガンフー”なわけだけど。

アクションシーンをゲーム感覚で見てもらうのは全然ありだと思うけど、実際の劇中のアクションには痛みや犠牲が伴うということをきっちり描いているから、その現実感も感じてもらいたいね」

今も変わらず映画への情熱を持ち続けるキアヌ。新しい挑戦への意欲は衰えておらず、以前、本誌のインタビューでも日本のアニメ『カウボーイ・ビバップ』が好きで、ぜひ実写化したいと答えていた。その後、プロジェクトはどうなったのか?

「確かに5年くらい前にはそういう話はあったんだけど、残念ながら形にならなかったよ。でも、僕も年になっちゃったからなぁ。年齢が行きすぎちゃったよ(笑)」

それは残念! しかしアニメが好き、ラーメンが好きと、キアヌの日本への愛はかなりのもの。これならば、しょっちゅうお忍びで来日しているのも納得…と思いきや、実は日本の各地で目撃談が多数あったことに、ちゃんとした理由があったことも判明した。

「実は今、(小説家の)バリー・アイスラー原作のTVドラマ『ジョン・レイン』シリーズのプロジェクトが進行中なんだ。この作品は日本が舞台だから、いろいろな場所でロケハンもしたよ」

キアヌの来日が多かったのはロケハンのためだった! とはいえ、彼が日本大好きであることも変わりはない。このロケハン中も、日本の行ってみたいところ、日本でやってみたいことが新たに生まれたという。

「『ジョン・レイン』シリーズで富士山の麓(ふもと)でロケハンはしたんだけど、海はまだ行ったことないから見てみたいね。そこでボートに乗って釣りをしてみたいかな」

このインタビュー後、帰国前にやっぱり大好きなラーメンを求めて街に繰り出す姿を目撃されちゃったキアヌだが(笑)。それ以外にも興味は尽きないよう…。そのうち、日本で海釣りを楽しむ姿が見られるかも?

●このインタビューの全文は週刊プレイボーイ43号でお読みいただけます!

(撮影/笠原修一)