1950年代~1960年代にかけて、『少女クラブ』『なかよし』にて連載された手塚治虫の不朽の名作『リボンの騎士』。それが今回、『なかよし』創刊60周年を記念してミュージカル化されることに!
主人公のサファイア役には乃木坂46の生田絵梨花、サファイアの恋敵である魔女の娘・ヘケート役に同グループキャプテンの桜井玲香が大抜擢され、開幕前から話題沸騰中!
ということで、11月12日(木)の開幕に向け、稽古真っ只中のふたりを直撃!
* * *
―『リボンの騎士』の出演が決まった時はどう思いましたか?
生田 それこそ、私のおばあちゃんも知ってるぐらいの名作ですし、広い世代に渡って浸透している作品なので、その主人公のサファイア役を演じるって聞いた瞬間から緊張してました。「私に務まるのか…」っていう思いもあって。でも、もちろんすごく嬉しくて、頑張んなきゃって思いましたね。
桜井 私は「魔女の娘の役」って聞いた時に、もう嬉しくて! 「魔女!? 敵役! 暴れられる~!」みたいな(笑)。それに私のお母さんが大好きな作品なんです。かなり喜んでました!
―生田さんの演じるサファイアは、天使のイタズラで“男の心”と“女の心”の両方を持って生まれ、女のコなのに王国の王子として育てられたという難しい役柄。演じてみていかがですか?
生田 サファイアはふたつの心を自分でもコントロールできなくて葛藤している女のコなんですけど、その“芯”の部分では、ものすごく正義感が強いんだなって思います。ストーリの中で“男の心”を天使に取られちゃった時は体が弱くなっちゃうんですけど、それでも「悪と戦うんだ!」って決意したりとか。
―似ている部分を感じることもあったり?
生田 自分がこうと決めたら曲げずに突っ走っていく感じは似てるかなって。
桜井 生ちゃんは、そういうところが確かにありますね。料理とかを一緒に作ると、気付いたら、どんどん先の手順に進んでて、しかもグッチャグチャなんですよ(笑)。
生田 料理は苦手なので…(笑)。
生ちゃんは“圧倒的ヒロイン感”を持ってる
桜井 以前、番組の企画で生ちゃんがハンバーグを作った時は、“つなぎ”を入れてないから全然固まらなくて。それを誤摩化すために強引に葉っぱで包んでましたから(笑)。
生田 サファイアも男の心を取られて弱いはずなのに「いや、私は立ち向かうんだ!」って強引に突き進んでいくので、やっぱり自分と通じるところはありますね(笑)。
―今、ハンバーグのつなぎの話とサファイアの意志の強さを一緒にしました?
生田 ……(笑)。
桜井 生ちゃんはムリヤリ我流で進むタイプなんですよ。
―なるほど…(笑)。一方、桜井さんが演じるヘケートは、サファイアから“女の心”を盗もうと画策する魔女の娘です。やっぱり自分と比べてどうです?
桜井 私、原作のヘケートと「顔がすっごい似てる」ってスタッフさんによく言われるんですよ!
―確かに! 桜井さんは“魔女顔”っぽいかも!(笑)
桜井 そう! だから、そこを自信に変えていこうかなって(笑)。あと「嬉しい!」「悲しい!」って、感情をハッキリ出すところは自分と近いものがあるかな~とは思いますね。
生田 ヘケートは玲香にピッタリだと思います。稽古をやっていると、もうヘケートにしか見えない(笑)。ふたりの掛け合いのシーンではリアルにその迫力にやられてます。
桜井 もう、バンッバンいってますから!
―バンッバンですか!(笑)。“女の心”を巡ってストーリーは展開していくわけですが、桜井さんから見て、生田さんの女のコっぽいところは?
桜井 “圧倒的ヒロイン感”を持ってるところ。なんかもう、生ちゃんが立ってるだけで周りがパッ!とするし、その場がパァ~!っとなるし。生ちゃんが喋り出した瞬間に「はっ…ヒロイン…!」みたいな感じなんです!
玲香は常に良い香りがしてる
―パッとして、パァ~っとなって、ヒロインって感じですか…?? わかりにくいけど…なんかわかる気がします!
桜井 声といい、このキラキラ輝く目といい、オーラといい、生ちゃんしか持ってない天性のものって感じがするんですよね!
生田 えー、そうなの~?(照れながら)
桜井 うん! 普段、生ちゃんが「お腹空いた」とか言ってる時もヒロインオーラが出てるから!
―そんな時まで…!? では、生田さんから見た桜井さんの女のコっぽいところも教えてください。
生田 良い香りが常にしてるところ。香水の香りなのかな…いや、“玲香の匂い”だよね。
桜井 えー、なんかやだ~!(笑)。
生田 一緒にいても良い匂いがするし、さっきまで玲香がいたであろう場所も匂いでわかる(笑)。
―「この匂い、玲香はまだ近くにいるぞ!」的な感じでわかるんですね(笑)。桜井さん、何か香りのヒミツはあるんですか?
桜井 いや、わかんないです!(恥ずかしそうに) でも乃木坂46の中田(花奈)が、私の「背中の匂いがすごい好き」って言うんですよ。気持ち悪いですよね…。
―確かに!(笑) ちなみに『リボンの騎士』ではサファイア、ヘケートとヒーロー役のフランツ王子、海賊ブラッドの4人の恋愛模様も描かれますが、おふたりはどっちの男性がタイプでしょう?
生田 どうだろうなぁ~。フランツでもブラッドでもないんですけど、プラスティックっていう、ちょっと頼りない男のコが登場するんです。途中からそのコにサファイアの“男の心”が入って、凛々(りり)しくなるんですよ。そういうギャップ、大好きかも(笑)。
―なるほど。桜井さんはどうですか?
桜井 えー、誰だろう…。
生田 博士(サファイアの教育係)とかイイ人だよ。
桜井 博士ね~。イイ人そうではあるよね。じゃあ、私は博士で!
全部です! 全部がヤマ場!
―テキトーですね(笑)。では生田さんはプラスティック、桜井さんは博士がタイプということで…。
生田 …私達、変化球すぎない? 普通さ、フランツかブラッドでしょ?(笑)
桜井 そこを、あえて選ばないのがいいんだよ。
―(笑)。では最後に今回の舞台への意気込みを教えてください!
生田 原作のファンタジーな世界を舞台でリアルに表現できたらと思っています。それに、原作とは展開や結末が違ったりするんです。それって、現代だから表現できるものだと思うので、原作ファンの方にはまた新しいものとして観ていただけたら嬉しいですね。
―やはり原作のファンが根強い分、プレッシャーも大きいのでは?
桜井 そうですね。でも普段、アイドルとしての私達を応援してくださるファンの方が観に来てくださったら、ステージの上からでも「あ、応援してくれてる!」ってわかると思うし。そのパワーがきっと本番での自信になると思うので、少しでも興味が湧いた方は是非観に来ていただけたらなと思います。
―それではズバリ、見どころは?
生田 全部です! 全部がヤマ場!みたいな。
―それはそうとして(汗)…もうちょっと具体的な見どころは?
桜井 いろいろなヤマがあるんですよ。
生田 大きいヤマが5個はあるよね。いや、もっとあるかも。
桜井 その大っきいヤマの間に小ちゃいヤマがあって…(笑)。とにかく、あっという間に終わってしまうくらい楽しいミュージカルをお見せできると思います!
―とりあえず、最初から最後までずーっとヤマってことですね!(笑) 新たな『リボンの騎士』、かなり期待大です!
(取材・文/岡本温子[short cut] 撮影/武田敏将) ※註 手塚治虫の塚は正式には旧仮名遣いとなります
■なかよし60周年記念公演 ミュージカル『リボンの騎士』 東京公演:11月12日(木)~11月17日(火)@赤坂ACTシアター 大阪公演:12月3日(木)~12月6日(日)@シアターBRAVA! チケット等最新情報は公式サイトをチェック! http://www.nelke.co.jp/stage/ribbon-no-kishi/