１１月２日にソウルで行なわれた日韓首脳会談。３年半ぶりに実現したトップ会談だが、今後、両国間の深い溝が埋まっていくかは評価の分かれるところーー。
そんな“戦後最も冷え込んだ日韓関係”の中、実は韓国で大ブレイク中の日本人女優がふたりいるという。
ひとりは上野樹里（２９歳）。きっかけは２００９年、日本から２年遅れで放映されたドラマ『のだめカンタービレ』だ。韓国のスポーツ紙記者がこう話す。
「それまでも名前は知られていたのですが、『のだめ』のインパクトはやはり強かった。清らかでかわいらしい、韓国の男性は彼女にそんな魅力を感じています。また、韓国ドラマにシリアスな作品が多い中、『のだめ』が心温まるストーリーだった点もよかった。あまりの人気に昨年、韓国でリメイクされ、地上波で放映されたほどです」
０９年の『のだめ』初放映以降、上野は「あの日本の女優は誰だ？」と話題に。１０年に同作の続編となる映画版のプロモーションのために韓国を訪れた際には、約３００人の熱狂的ファンが彼女の個人イベントに集まった。
その後、１１年を最後に３年ほどは韓国を訪れることがなかったが、根強い人気は続いた。上野はこれに応えるように１４年８月に韓国映画に初出演。そして今年１０月、韓国語を話せないにもかかわらず、韓国で新たな潮流となりつつあるウェブドラマのヒロインに抜擢（ばってき）された。韓国音楽界の大スター「ＢＩＧＢＡＮＧ」のメンバーとの共演でも話題のこのドラマの制作発表会見では、韓国人監督が彼女をこう評した。
「彼女ありきで進めたプロジェクト。個人的にも好きだし、アジアで唯一通用する日本人女優だとも思っている」
また、会見に登壇した上野について、現地メディアは「はにかみ笑顔の列島美女」などと報じた。中には彼女の高校の卒業写真を掲載する記事まで出たというから、その人気ぶりがわかる。
もうひとりはバリバリの“現地派”？
もうひとり、０６年の夏の甲子園の朝日新聞ポスターのイメージキャラクターを務めた藤井美菜（２７歳）はバリバリの“現地派”。
韓流ドラマを見て韓国に興味を持った彼女は韓国語をマスターし、１２年から日本に加え、現地でも本格活動を開始。地上波のバラエティ番組にたびたび出演するなどして存在感を増している。
「彼女のような目鼻立ちがくっきりとした顔立ちは韓国男子に響くんです。そして、彼女の一番の魅力は“日韓の中間的美女”だということ。過去にも韓国芸能界で韓国語を使って活動してきた日本人はいます。いずれも語学が完璧という点を売りにしてきた。その点、藤井は完璧じゃないけど、逆に『日本らしさも見える』という存在感がある。ドラマに彼女を起用してみたいという声もありますよ」（前出・韓国スポーツ紙記者）
この記者のコメントにもあるように、これまで韓国芸能界で日本人が活躍するための条件は「韓国人っぽく振る舞えること」だった。しかし、上野と藤井は逆に「日本らしさ」で人気を博しているというわけだ。
政治のゴタゴタも関係なし。やるじゃん、日本女子！
（取材・文／吉崎エイジーニョ）