あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』。
前回の山寺宏一さんからご紹介いただいた第13回ゲストは、芸人で南海キャンディーズの山里亮太さん。
10年ほど前、人気がブレイクし始めてすぐ週プレ本誌で連載を持っていただいた縁もあり、前回はそのアイドル対談時の裏側を明かしてもらったが、そこから自身のモテについて、合コンやデート事情の話にーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)
―ちゃんと教えてもらったブランドのお店にまで行って。作戦実行してますね(笑)。
山里 わかんないけど、取りあえずちょっと女のコにプレゼントしたくて、今どういうのがいいんですかねって。それで持ってこられたのがイスラエルの塩だったんです。いや、一体、いま世の中どうなってるんだって話ですよ。なんで俺、イスラエルの塩を…5千円するのか、塩が!と。
―僕も仕事で95年くらいにイスラエル行きましたが、その頃からありましたよ。その時はAHAVAっていう別の高級ブランドが人気で。死海の塩ですよね。
山里 なんかね、試しにやってみますかって塗り込まれて、手を洗ったらトゥルットゥルになって。なんだこれっ!? すげーって、ふたつ買いました。
―プレゼント用と自分用?(笑) そのイスラエルで僕は死海にも行って、中入って。例の浮かぶやつも体験したんですが、周囲に泥エステのエリアもあって、体中に塗りたくると、やはり2週間くらいトゥルットゥルでした(笑)。…で、プレゼントして?
山里 それ持って行ったけど、その時はその時でまた大変だったんですよね。なんか女のコ2で俺1みたいな。きたな、モテ期!みたいな感じでいたら、俺がご馳走して、奮発して高いカラオケ行って。「カラオケ館みたいなところじゃヤダ、有名人だし」っていうんで、スッゲーバカ高いところがあるんですよ、30分ひとり2700円もする。
そこ入って、やたら携帯いじってんなと思ったら「知り合いのバンドマンがスゴい山ちゃんのファンだっていうけど呼んでもいい?」みたいな。そしたらもうひとりが「呼んじゃいなよ!」とかいう感じで、そのバンドマンが来て。結局そいつと女のコがいちゃいちゃして、俺が帰りに会計して、外出たら誰もいないっていう…。
―えー! そんなネタみたいな話が…。
山里 もう地獄ですよ、これは本当にもう。まあひょっとしたらあれはキツネだったんじゃねえかなって(怒)。
―正直、相手を選ぶべきというのもありますが…残酷ですね。
山里 難しいです、そこらへんは。やっぱりモテたことがないから、たぶん今、俺の背中にみんな、福沢諭吉を見ながら寄ってきてるんですよ、多少なりとも。
―あるいは有名人としての見せ物的な…?
山里 そうそう。例えば、山ちゃんのことスゴい好きなんですって言うけど、なんかそれはたぶん、くまのプ○さん的なほうだなって。そのコたちにいつも聞くのが、例えばプ○さんがギンギンに勃起してたらどうなんだって。
「卑屈なくせにナルシストなんです」
―ははは。でも、それ突きつけるのも負のスパイラルでは? ますます女のコに対して発しているオーラが疑心暗鬼的な…。
山里 まあでも、難しいっすよね、これはもう。だから俺も田中(卓志・アンガールズ)さんも割り切ったんですよ。僕らはこの世界に身を置いて、メディアに出させてもらってる以上、金目当ての女しか無理だと。で、その失敗の先にひょっとしたら奇跡的にね、全くTV観ないみたいなコがいて…。
1回あったんです。デザイナーの女性を友達に紹介してもらって、ご飯食べて。まあスゴい変わった人で、終盤くらいに「あの失礼なんですけど、まだ今日お名前伺ってなくて…教えてもらっていいですか」って言われた時に、へっ!? って。あ、知らねーんだみたいな。で、山里といいますって言ったら「お仕事は何されてるんですか?」「一応、吉本興業で芸人を…」「あ、すみません、私、家にTVとかなくて」みたいな。
―それは期待がふくらむ出会いだったのでは?
山里 でもなんか、次ちょっとこっちでライブやるんでつったら、急に男いる空気をめっちゃ出してきて。終わったな、あれは…。
―今また、どんどん顔が苦々しく(笑)。
山里 いやいや、全然普通ですね。もう全然びくともしなくなってきました。
―でも女のコがね、例えば嵐がいいとかイケメンの俳優がって言いながら、実際に付き合う、結婚するってなると別なとこあるじゃないですか。小学校のクラスでも、大っぴらには言わないけど、実はクラスの中の変わった男のコが好きだったとか、女子の好みは多様っていう。
山里 そう、だから僕らのテーマはそこですよね。ステーキ食いたいやつよりもホヤを食いたいやつを探せ! しかもそれが美人だったら最高っていうね、うん。
―ビジュアル的な面はやっぱり外せないんですか?
山里 いや、だってもう、こんなにモテなくてずっときて、次はホームラン打ちたいじゃないですか(笑)。せっかくこの世界にきて、曲がりなりにもちやほやしてもらってる職業にいるから。
まあ、こんなこと言って、僕ももう38歳ですから、ちょっと変わってはきましたけどね。知的であるとか優しいとか、内面のほうにも目を向けられるようになって。服をしまむらで買いましたみたいなコもいいなとか、昔、弟にお弁当を作ってた過去の話をしてくれるとか、絶対いいコだってほうが今は優先順位高いですよ。
だからさっき言った対談連載の時みたいに芸能人と付き合いたいって気持ちはもうないですね、ほとんど。
―芸能人、アイドルでも、例えば山里さんはAKB48ファンでもあるわけですけど、彼女たちのプロ意識がスゴい高い一方で、素の染まってない原石もいそうじゃないですか。
山里 いやあ、でもそこに手を出すと、今までの僕の生き方が全部否定される感じがするから怖いですよね。なんだこいつ、めっちゃAKB48褒(ほ)めてたのに結局、そういう対象だったのかってなるとカッコ悪いじゃないですか。そこはね、僕のスゴいタチ悪いのが、卑屈なくせにナルシストなんですよ。
「何をGカップグラドルと焼き肉食ってんだって」
―それはわかる気も(笑)。ナルシストゆえに自分の理想に追いつかず卑屈になるっていう?
山里 すげーナルシストなんですよ、僕。だって、生まれ変わったらもう1回僕ですもん、なりたいの。ま、1週間、嵐とかになってみたいのはあるけど(笑)。
ナルシストのくせに卑屈だし、ちょっとややこしいんですよ。それもサブカルの人達が崇め奉るというか、こじらせるようなオシャレなやつじゃなくて。だから、アイドルとかと付き合うと、もうずっと俺のことを大事にしてくれてるラジオのリスナーとかを裏切る気持ちとかもあって。それがヤダなっていうのが強いんです。
僕が一番いけない写真の撮られ方は“南海キャンディーズ山里、Gカップグラドルと麻布で焼き肉デート”…これが俺の0点だと思ってますから。
―あははは、そこまでイメージしてるんですか(笑)。
山里 はい。絶対イヤでしょ? なんだあいつ、モテねーとか童貞の代表みたいなツラして、やることやってんじゃねーかみたいな。なんか、僕とその組み合わせが最悪な気がするんですよ。
例えば、ロッチさんとかもそうじゃないですか。コカド(コカドケンタロウ)さんがGカップグラビアアイドルとデートしてたって、それはやっぱりモテるんだなでいけるんですよ。そこが俺みたいに自虐とブサイクでずっとやってる人間だと、何をGカップグラドルと焼き肉食ってんだってなっちゃうんです。
―いろいろ考えてるんですね(笑)。
山里 ま、一番平和なのはやっぱ一般人女性ですよね。ザキヤマ(山崎弘也・アンタッチャブル)さんとかもカッコいいじゃないですか、実は何年間も一般の方とね。矢作(兼・おぎやはぎ)さんとかも。後はもう本当に、僕の場合、聞いたことのない国の外人さんとかですよね、一番面白いのは。
―それ面白いですけど(笑)、いきなりカイヤさんとかそういう感じの?
山里 いや、絶対ね、黒人系が面白いんですよね。しかもアフリカとかの。言葉が難しいんですけど、そうすると一生、嫁ネタでスベらないじゃないですか。
―よくわからない、ガボン出身とか?
山里 そうそう。うちの嫁は得意料理がさって言って、その料理の話だけでも絶対ウケるし。喧嘩の理由とか、あと結納の仕方でずっとウケるでしょ? お父さんにライオン届けてこいっていう話とかで。
「それだったら、風俗行くなっていう(笑)」
―(笑)。でもそれ、本来的な目的とは違うことになってません?
山里 いや、ちゃんとお笑いにすべてを捧げるって覚悟ができたら、絶対そっちだと思ってます。
絶対ウケるんですもん。家にロケきたら、ワケわかんない木の筒とかをずっと嫁が叩いてたりとかして、カン、カン、カン、カン、ちょっと今収録止めろ、止めろつって。「何してるんですか、今?」「いや、ちょっとあの精霊に挨拶してるんですよー」って、絶対ウケるじゃないですか(笑)。
―ほんと、ありな気はしてきましたが(笑)。嫁のほうも山里さんになんの先入観や偏見もなくて、それこそさっきのデザイナー以上に。
山里 それはないですよね。ただの日本人としか思わないから。本当にピュアだと思う。
―でも女性の好みは多様って話に戻ると、俳優の六角(精児)さんなんかも4回くらい結婚していたり。モテ男系の徳井(義実・チュートリアル)さんとかじゃなく、そういうダメ人間とされるタイプに学ぶほうがありでは?
山里 あの、六角さんがやってる技で財布を渡すっていうのがあるって聞いたんですけど。それ1回やってみて、普通に引かれて終わりましたね。俺の財布がダサくてってのもありますけど、すっげーレシートとかいっぱい入ってて(笑)。
―ちなみに、タイプじゃなくて、こちらからごめんって言ったようなパターンはないんですか? 向こうがスゴい好きになってくれて、自分さえOKだったら付き合ってたのに、みたいな。
山里 うーん…中野のキャバクラとかでそういう時ありましたけどねえ。でも絶対ダメだなとは思いましたね。こいつ、かなり高い確率でロンハー(『ロンドンハーツ』)に売るなっていう…まあ実際、売ったし(怒)。
でも、なんかちょっと自分を追っかけてきてくれるみたいなのを感じると、どうしたらいいかわからないんですよ。たぶん俺のこと好いてくれてるな、このコはっていうのはあるんです、キャバクラのコですけど。LINEとかきたりすると「私がキャバクラ勤めてるからって思わないでほしいんだけど、本当に普通にひとりの男性としていいと思ってます」みたいなこと言われちゃうとね、うーんって。
で、ダメな男として、なんか変に繋ぎ止めちゃうみたいな狡(ずる)さもあるんですけど。かといって、じゃあ付き合いたいかっていったら、ここで俺の全てを終らせるのもなあみたいな。
―そこで自分が飛び込むには何かが足りない?
山里 そう、本当の遊び人だったら、たぶんそれで一夜の関係みたいなのを獲りにいくと思うんですよ。でも俺はそれで失うものがでかすぎるなって思って。例えば、それを撮られたりとか、もしくはそのコがSNSで言ったりとか。それだったら、風俗行くなっていう(笑)。
●この続きは次週、12月6日(日)12時に配信予定! 風俗通いの理由から南海・静ちゃん復活の裏話まで…!
●山里亮太 1977年4月14日生まれ、千葉県出身。吉本の養成所、NSC大阪校に入るために関西の大学を受験し、関西大学に入学。その後、2003年に山崎静代と 南海キャンディーズを結成。翌年2004年にM-1グランプリでは準優勝、それをきっかけにブレイク。ピンでの活動も増え、ドラマ、映画出演も多数。 2009年には朝の情報番組『スッキリ!』で謎の男としてレギュラー出演、2010年には日本テレビ『密室謎解きバラエティ 脱出ゲームDERO!』で ゴールデンタイムのレギュラー番組初司会を務める。現在は『ヒルナンデス!』『アウト×デラックス』『センニュウ★感』などのレギュラー番組を抱え、また ラジオ番組『水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論』も人気を博す
(撮影/塔下智士)