19歳で日本人男性の優しさに触れて以来、ずっといいイメージを持っているというオーサさん 19歳で日本人男性の優しさに触れて以来、ずっといいイメージを持っているというオーサさん

日本在住のスウェーデン人漫画家、オーサ・イェークストロムさんが感じる、日本の不思議を描いたコミックエッセイ『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』の最新2巻が刊行された。

1巻は発売前に重版決定、2巻も発売直後に重版が決まり、1、2巻ですでに累計10万部突破と売れている。

日本の漫画と出会い、13歳から絵を描き始め、スウェーデンで漫画家・イラストレーターとして仕事をしていたが2011年に来日し日本語の語学学校へ。卒業後、デザイン専門学校に通いながら描いた漫画で一躍、ブレイクを果たした経緯を語ってもらった、後編!(前編記事→「日本人は一番好きな漢字、ないんですか?」

―アメブロで人気になった理由は不明…それで単行本発売前から増刷とはスゴい。売れているという実感はいつ頃から?

オーサ 何かの取材の時に担当さんから「ヒットしてます」と言われた時ですね。友達にも言われましたが。あとニュース番組? TVに出た後にハンコを作りに行ったら、店員さんに「漫画描いている人じゃないですか」と言われました。

―その見た目は1度見かけたら忘れないインパクトがありますもんね。オーサさん自身の外見が作品に有利に働いているとは思いますか? 本の帯にも写真が使われていますけど。

オーサ 多少あると思います。でも、本当に上手でしたら顔で本を売らなくていいと思いますね。

―日本では顔で本を売るのも常套手段…なのもカルチャーギャップでしょうか。ところで、単純に不思議なんですけど、作品の中にはほとんど恋愛の話が出てこないですよね?

オーサ …実は私も『ダーリンは外国人』みたいな恋愛ネタを描きたいんですけど、まだまだ。もう少し研究しないといけません。

―日本で浸透しているスウェーデン女子といえば映画評論家のLiLiCoさんとか。肉食系ハンターな感じで異性を研究しまくっている印象ですが(笑)。

オーサ スウェーデン女性はハンターで合ってます!

―合ってていいのか(苦笑)! ハンティングしたことはあります?

オーサ (興奮気味に)スウェーデンには告白という文化がないですが、日本人とデートしたら告白を待たないといけなくて面倒ですね(笑)。

―デートをしながら恋人になれるか見極める文化ですものね。オーサさん、もしかして日本では相手からの告白を待っ…。

オーサ (遮[さえぎ]るように)スウェーデンは女性が告白してもいいですから!

―…何かあったんでしょうか…日本人男性の恋愛傾向に不満があるのか(苦笑)。日本人男性についてはどうですか?

オーサ 優しいので好きですよ。実はカンボジア旅行でお金を盗られた時に、日本人男性に助けられたんです。19歳の時でそれから今までずっと日本人男性のイメージは良いままです。

草食男子はスウェーデン女子にとっては素敵です

 性格を聞くと「シャイ。でも友達といる時は社交的ですよ」 性格を聞くと「シャイ。でも友達といる時は社交的ですよ」

―でも最近は草食男子傾向で日本人女子はゲンナリ気味なんですが。

オーサ 草食男子は良くないと言う人がいますが、スウェーデン女子にとっては素敵ですね。スウェーデンは税金が高い分、福祉が充実してる国ですから、相手がお金持ちとかの安心感は女子にとって重要ではなく、男性に求めているのは家庭の責任をとって家事や育児をやってくれることです。

―イクメンは全世界の女性共通の希望と(笑)。

オーサ でも日本人の男性はものすごく働いている人が多いからスウェーデン女性との組み合わせは難しいかもしれませんね。

―じゃあダメじゃないですか~。それに北欧男子はイクメンで家庭的な印象が強いので、とりたてて日本人に目を向けなくてもいいのでは?

オーサ スウェーデン男性も人によります。子供が生まれる前はちゃんと責任をとる人は多いと思いますが、子供が生まれたら昔の男性みたいに家のことをやらない人もいますね。

―えー、ショック。どこの国の男も同じなんですかね(苦笑)。では好きな男性のタイプは?

オーサ 結局、好きになった人が好みなんだと思いますが。筋肉質なタイプはあまり好きじゃないですから、細い人のほうがタイプかもしれません。ただ、自分より細い人はイヤですね。あとヒゲですね。スウェーデンは今、ブワッと生えてるヒゲが流行しているんですが、それもイヤです。

―付き合うならスウェーデンと日本、どちらの男性がいいですか?

オーサ 私は日本人と付き合ったほうがいいかな、と思います。

―となると、将来はやっぱり?

オーサ 日本に住み続けたいです。日本のほうが面白いと思いますね。スウェーデンは自然が好き人なら素敵な国だと思えますが、なんにもない!

―ストックホルム (首都)には何かあるでしょう?

オーサ 少しありますけど、東京に比べたら何もないです。東京はなんでもあるじゃないですか。展覧会、博物館、漫画フェスタ、漫画喫茶、コミケ、コミティアとかインスピレーションを受けられる場所がいつもどこかにあります。人も温かくて優しいし、外国人に興味を持ってくれますよね。問題は日本人の名前が難しいことです…。

将来的には恋愛も描いていきたい

 一軒家のシェアハウスに住む。自分のスペ―スは6畳ほどのこの和室だ 一軒家のシェアハウスに住む。自分のスペ―スは6畳ほどのこの和室だ

―覚えにくいですか?

オーサ はい。だから、ワタナベさんだと「ナベを渡す」とかで覚えるんです。

―映像イメージを作るんですね。漫画家っぽい! これからも日本に住むとすれば、やっぱり漫画を描き続けて生活をしたいですよね?

オーサ 理想です。

―今後、どんな漫画を描いていきたいですか?

オーサ 今は4コマ漫画を楽しんで描いていますが、将来的にはストーリー漫画を描きたい気持ちも強いです。怖いのとかファンタジー、あとはやっぱり恋愛ですね。

―ホラーは好きなんですか。

オーサ 苦手です。すごく怖くなりますね。映画の『リング』、『呪怨』を観た時に本当にトラウマになって1週間眠れませんでした。

―そんなJホラーみたいな漫画を描きたい?

オーサ 私は外国人なので、自分なりの漫画を描いていきたいですね。

―となると、『ダーリンは日本人』みたいな? 夫が外国人パターンの漫画ばかりだから夫が日本人は新鮮かも!

オーサ その相手がいらっしゃるかは、まだわかりません(涙)。

●オーサ・イェークストロム 1983年生まれ、スウェーデン出身。2011年より日本に住み、日本の不思議をテーマに4コマ漫画を描き始める。現在は漫画以外にもトークショーやTVなど活動の場を広げている。ブログで4コマ漫画を更新中【http://ameblo.jp/hokuoujoshi】