11月に行なわれた「Japan Adult Expo2015」の舞台で突然のAV引退を発表した上原亜衣ちゃん 11月に行なわれた「Japan Adult Expo2015」の舞台で突然のAV引退を発表した上原亜衣ちゃん

企画単体女優(以下、キカタン)ブームの火付け役ともなったAV女優・上原亜衣ちゃんが、11月に行なわれた「Japan Adult Expo2015」の舞台で突然のAV引退を発表、衝撃を呼んだ。

週プレ本誌でも幾度となくヌードグラビアを飾り、世の男性を刺激し続けてきた僕らのミューズが、ついにその決意を固めたのだ。...そこで、引退の撤回要請も辞さない覚悟で直撃インタビューを敢行してきたぞ!

―「Japan Adult Expo2015」で行なわれた「AV OPEN2015」の授賞式で突然の引退を発表したけど、あれは前々から考えていたこと?

上原 そうですね。引退自体は今年の3月から考えていて、事務所と話し合ってあのタイミングで発表しようと思っていました。

―この人気絶頂の中ですごい決断だよね。山口百恵さん以来の衝撃! あっ、ネタが古いか...。

上原 わかりますよ! 最後にステージにマイク置くみたいな感じですよね(笑)。

―亜衣ちゃんもあのステージで最後にバイブ置いてたら、お客さんみんな涙だったよ!

上原 フフフッ、それやっておけばよかった(笑)。

―それにしても大舞台での発表だったから、観に来ていた人たちも本当にビックリしていたよね。

上原 AVを始めた当初は「上原亜衣」という名前も出ないような素人モノ作品が多かったので、引退する時は人一倍大きな舞台で発表したいなっていうのがひとつの夢でもあったんです。

―来年2月でAVを始めて5年が経つけど、デビュー当時のことって覚えてる?

上原 覚えていますよ。最初は私、オムニバス作品の1コーナーとかしか出演できなくて、月に撮影は4本~5本程度。しかも現場ではエッチ1回だけとか。でもその頃はまだ大学にも通っていたり、歯の矯正もしていたので、逆に拘束時間が少ないことでバランスよくお仕事を受けられていましたね。

―そもそも始めたのはなぜ?

上原 街でスカウトされたのがきっかけです。自分としてもお金を貯めたいって目標があったので出てみようかなって。でも最初は半年くらいで辞めるつもりでいたんですけど、ちょうど半年くらいした時に事務所に小島みなみちゃんが入ってきたんです。

彼女はウチの初めての専属女優(単体女優)で、デビューした時にはグラビア撮影やイベント出演が続々といった感じで大々的に推されていたんですよ。それを見ていて、「私もああいう風になりたいな」って思ったんです。それからですね、本気でやってみよう!って思ったのは。ちょうど大学も卒業したので、タイミング的にもすごくよかったんです。

一番忙しい時期は月に撮影が25日間!

―でもキカタンからの出発だったけど、単体女優になりたいとか明確な目標はあったの?

上原 2012年に「スカパー!アダルト放送大賞」でキカタンの成瀬心美ちゃんが単体女優を押しのけて女優賞を獲得したんですよね。その時に「キカタンでも1番になれるんだ」って知って。それからAV界で1番を目指そうって思いました。

無謀かもしれないですけど、元々、何事もやってみないとわからないって思う性格なので挑戦してみようと。それからは来る仕事はなんでも受けて頑張るようにしました。

―ブレイクに繋がった作品ってある?

上原 「MOODYZファン感謝祭 バコバコバスツアー2012 バコリンピックスペシャル」に出てから知名度が上がってきた感じですかね。この作品は人気女優さんが多く出演しているので、たくさんのファンの方が買ってくれて、それでユーザーさんに知ってもらうことができました。それから2013年の年間売上げ1位に輝いた「びちゃびちゃWパイパン潮吹き!」。この作品あたりから「上原亜衣を撮ろう」というメーカーの方も増えてきて、転機になった作品だったと思います。

―それからは毎日、大忙しだったよね?

上原 一番忙しい時期は月に撮影が25日間入っていました!(笑)

―そんなに働いたら死んじゃうよ! しかもハードなプレイばかりでしょ?

上原 う~ん、プレイに関しては、私はあまりNGはなかったんですよね。元々、レズ作品でデビューでしたし(笑)。高校生の時はエッチは毎回、中出しばかりでしたから中出し作品もあまりハードだと思っていませんでした。素人男優さんとのからみも気にならなかったし、むしろ自分のことを好きな人とエッチするのは嬉しいくらいでしたよ。

―ここ最近の作品はドキュメントものが多かったけど、それは引退にも関係してるの?

上原 引退を考えていた3月からドキュメント作品のオファーが多かったというのもありましたけど、自分としても今まで見せていない上原亜衣の本性を見せたいなという気持ちもありました。というのも、私は"ロボット"ではないんだ、ということを実は言いたくて。

―ロボット?

上原 確かに仕事としてなんでもこなせるロボットになりたいと思っている自分もいるんです。結構、ハードな作品も多いから、肉体的に辛いこともある。それを完璧にこなせる、ロボットみたいな存在になりたいという部分もあります。だけど、ネットで「上原亜衣はセックスマシーンだ」と言われているのを見て、さすがにそれもな...という自分もいるんです。「上原亜衣だって普通の人間なんだぞ」って言いたいところもあって。

身体よりも心にきた作品

―そんなドキュメント作品の中で印象に残ったものって?

上原 「100人×中出し」は、最初は全く違う企画の作品だと思っていたんですけど、現場に着いてみると実は...っていうドッキリ企画だったんです。あの時は本当にビックリしましたし、かなり素が出ていました(笑)。

あとは春原未来(すのはらみき)ちゃんと共演した「レズ・オーガズム」というレズ作品はすごかった。台本なしで「愛とは何か」を深く追求したんですけど、お互いの意見が激しくぶつかり合ってビンタあり首絞めありのとんでもないエッチをしたんです(笑)。あれは身体よりも心にきた作品でしたね。

このふたつの作品は私の本性が映っているので、観ていただけたらきっと印象が変わるんじゃないかなと思います。

―まさに全てをやり切った感じだよね。引退発表の時も「目標がなくなった」と言っていたけど、それが一番の理由?

上原 大きな要因ではありますね。「DMM.R18アダルトアワード2014」で最優秀女優賞を獲得して以来、トップに立ちたいっていうモチベーションが薄くなってしまって。それと、事務所にも十分恩返しできたかなという思いもあります。私が入った当時はまだ1年目の小さな会社で、スタッフの皆と一緒に成長してきたという思いがすごく強かったんですよね。

―確かに、事務所に銅像を置いてもらってもいいんじゃないかと...。

上原 それは恥ずかしい(笑)。それから1番の時に引退したいっていうのもあったんです。長く女優を続けて、人気が下降線をたどり始めてから辞めるよりもトップの時に引退したほうが人の記憶に残るだろうなって。「上原亜衣って女優いたよね」って強く印象を持ってもらえるタイミングって今しかないんじゃないかと思ったんです。

―じゃあ、もう未練はない?

上原 ありません。あっ、でも全部のメーカーさんから作品をリリースしたいって思いがあったんですけど、残念ながらいくつかは叶いませんでした。プロデューサーさんに営業とかしたんですけどね...。それだけが心残りです! 出たかったな、と(笑)。

今まで全然なかったので恋愛も...

―それだけのバイタリティがあるならまだ続けましょう!! 引退なんてイヤだイヤだ!!(ジタバタ)

上原 私、18歳の時からAVデビューして、年齢的には青春真っ只中のところをお仕事に全力で取り組んできました。本当にアッという間の5年近くで、もしかしたら普通の人の2倍くらいのスピードで過ごしたのかもって感じたくらい。だから恋愛や遊びもしていなくて、自分の時間を作れなかったんです。

応援してくれるのはすごくありたがたいことなんですけど、これからは今まで作れなかったその時間をAV女優の上原亜衣としてではなく、本当に自分のための時間として使いたいなと。普通の人の幸せをこれから考えていきたいです。

―そうですよね(ショボン)。ちなみに引退をしたらやってみたいことはあります?

上原 そうだな~、まずは車の免許を取ってみたい! それと今まで全然なかったので恋愛もしてみたい。友達とすら遊ぶ時間もなかったですから。でも、そういう楽しみって、きっとすぐ飽きると思うんですけどね(笑)

―AVのお仕事は12月いっぱい。正式な引退は来年3月だけど、それまでの活動は?

上原 最後の作品は再び「100人×中出し」に挑戦する予定で現在、参加男優さんを募集しています。2日間で2千人くらいの応募があったようなので、今は必死に絞っているところですね。さすがに2千人は無理ですから(笑)。

―最後に、上原亜衣にとってAVとは...?

上原 最近よく聞かれるんです、それ(笑)。すごく難しいですよね...。今だによくわからないんですけど、なんだろう。きっと「チームで作る1本」という感じですかね。みんなが一致団結してAVって作ってるんです。ユーザーさんは観ているだけなのでわかりにくいこともあると思いますが、作品1本撮るのにすごい日数と時間をかけていますし、協力しながら一生懸命作っているので。まさにチームによる作品なんです。

これだけたくさんの賞をいただいて、私だけがすごいと思われがちですけど、実はそうじゃなくて作っている人みんながすごいんです。その上で今の私がある。AVというお仕事に携われて本当によかったなと思っています。後悔はひとつもありません!

■上原亜衣ちゃんをはじめ、今年活躍したアダルト女優を一挙紹介する「2015AV女優ランキング」が『週刊プレイボーイ』52号に掲載!

(取材・文/HIROTAX 撮影/本田雄士)

●上原亜衣(うえはら・あい) 1992年生まれ 身長155cm B83 W57 H82 2011年にAVデビュー。2014年には「DMM.R18 アダルトアワード2014」で最優秀女優賞を受賞 そのほか最新情報はオフィシャルブログでチェック!http://blog.livedoor.jp/ueharaai/