2016年、「週プレNEWS」が今年“大注目する期待のアイドル”インタビュー」。
第5回目は、昨年のNHK紅白歌合戦にも出場し今、大ブレイク中の乃木坂46から星野みなみちゃんの登場です。
「最強の妹系」「次世代エース」と呼ばれる彼女の2016年をしっかりと聞いてみましょう!
* * *
―そんなわけで「2016年の注目アイドル」として来ていただきました!
星野 ありがとうございます。イエーイ!(笑)
―元気いっぱいですね。そんな星野さんがどんなコなのかを探りたいんですが、どういうきっかけで乃木坂46のオーディションを受けたんですか?
星野 中2の夏だったんですけど、その時、ちょうど陸上部を辞めちゃってて。
―何が原因だったんですか?
星野 先輩と喧嘩しちゃったんですよ(笑)。
―そういえば、一時、ファンやスタッフさんの中で「星野みなみの反抗期はロックだった」と言われてましたが、当時からロックだったんですね。
星野 そんなことないです!(笑) で、当時は他に塾しか行ってなくて「なんかつまんないから何かしようよ」って言ってたら、友達が「オーディションとか受けてみようよ」って言ってくれて。思い出作りってわけじゃないけど、ちょっとやってみようってことに。
…なんか乃木坂46って「女優さんになりたくてオーディションを受けました」みたいなコもいるから、昔は「あんまりこういうのって言わないほうがいいかな」って思ってたんですけど。
―いや、別に大丈夫じゃないですか? 言っても。
星野 だってー。…こう言ったら、「みなみ、やっぱりやる気ないわ」って言われちゃうじゃないですか。昔からそう言われてイヤだったから。できるだけ、そういう過去は削除していこうって思ってるんですよ。「やる気はあるんだぞ!」っていう、真実を伝えようと。
―なるほど(笑)。
星野 なんか、必ず握手会で「みなみちゃん、今日も眠そうな顔してるね」って言われたりするんですよ! 実際、元気な時まで「眠そう」とか「元気ないね」とか言われるとショックですよ。基本、ローテンションな感じに見られちゃうんですよね。
アイドルになんてなれるわけない…
―(笑)…で、オーディションを受けて。
星野 そう、アイドルは友達の影響で好きだったんですよ。でも「アイドルになりたい」とは思ってなくて。っていうか、「アイドルになんてなれるわけない」って。
―でも、オーディション当時からカワイらしかったですよ?
星野 絶対にないです! 自分がカワイイなんて1ミリも思ったことないです。特にあの頃はオシャレにも興味なかったし、陸上部だったから真っ黒だったし、オーディションにもTシャツにジーンズとかで行ってましたから。みんなワンピースだったしメイクしてるし。「あー、やっぱり間違えたな」って。それに面接も、みんな一生懸命でアピールするんですよ。
―そりゃあオーディションですもんね。星野さんはどんなアピールを?
星野 …特にありません、って感じで。
―ロック!! そんなバカな!?
星野 本当にそう言いました。で、面接終わりました。私、当時メガネでコンタクトじゃなくて。さすがにオーディションだからメガネを外していったんですよ。だから、審査員の方の反応とかわかんなかったんですけど。最終オーディションの時もそうだったから、秋元(康)先生の顔もわかんなかったです。「あ~、あそこらへんにそれっぽい感じの人がいるな?」って感じで。だから、自分が言ったことのどこが好評だったとか全然わかんないんですよ。
―…いや~、それは無欲の勝利というか、才能を審査員の方が見事に見抜いたというか…。
星野 ありがたいですよね。しかも、すぐに「暫定選抜」っていうのが発表されて、その中にも選んでいただいたんです。デビューした後も七福神(乃木坂46のトップメンバー7人。現在は人数が増え、十福神に)にも選んでもらえてたし。1列目で生駒(里奈)ちゃんと生ちゃん(生田絵梨花)の隣だったんですよ。もう今考えると本当にすごい! 生ちゃんは本当に天才だったから、生駒ちゃんと「私たちヤバいよね」って話してたんですよ。そしたら生駒ちゃんも、あっという間にすごくなっちゃったっていう(笑)。
―当時は1列目の3人で「生生星」(生駒、生田、星野)と呼ばれていたりしましたもんね。
星野 あれ、なんて読むのか、いまだにわかんないんですよね。「いこ、いく、ほし」なのか、「いく、いく、ぼし」なのか…。でも、ああやって呼ばれるのは申し訳なかったです。私ひとりだけ「星」で浮いてるし。
―プレッシャーでしたか?
星野 プレッシャーですよ! 昔の『乃木坂って、どこ?』(2011年9月から始まった、乃木坂46の冠番組。MCはバナナマン)とか絶対に観れないですもん。ひどすぎて! 全然喋れなかったし。バナナマンさんと喋れるようになったのって、シングル7枚目の『バレッタ』(2013年11月リリース)の頃ですもん。TVを観ていた友達にも「あなた大丈夫?」って心配されてたし。
だから初期は「私は喋れないから」って、ずっと壁っていうかバリアを作ってましたね。あと私は当時、福神だったけどファンの方も少なかったんで辛かったです。握手会も朝早い第1部って時間だと10人くらいしか来なかったこともありました。「私、人気無いのになんでこんなことに…」って。
プレッシャーからの反抗期!
―そして、先ほども出ましたが一時、反抗期だったと聞きます。具体的にはどんな反抗を?
星野 うーん、当時、メイクとか髪型を凝りはじめて。チークを塗りまくったり、マスカラをバーンってしたりして。スタッフさんから「ダメ、そんなの似合わないから取りなさい!」「これがいいのー!」って。綿棒でメイクを取られて、見られてないスキをついて、また塗って。気付かれると「またー!」って言って、また取られて。
―確かに反抗期ですね!(笑)他には?
星野 4枚目のシングル『制服のマネキン』の時はスカートを巻いて短くしようとしました。でも1列目だし、隣が生駒ちゃんと生ちゃんだから明らかにみなみのスカートだけ短くて、すぐバレるんですよ。で、衣装さんに「また!」って言われて長くされて。
―そんな反抗期は、どうやって終わったんですか?
星野 やっぱり6枚目の『ガールズルール』で福神から後ろに下がったことで、プレッシャーから解放されたんですよ。で、喋れるようになって。それまでは番組とかでメンバーが話しているのを聞いてる時も全く声を出さなかったんです。でも3列目に行ったら、みんなメンバーの言ってることに「おー」とか「わかる~」とか言っていて。「あー、こうやるんだ」と思ってから喋れるようになっていったんですよね。
生駒ちゃんと生ちゃんと比べられなくなったことで安心したっていうか。そこからさらに選抜から落ちて、またアンダーから戻って来て、今、福神に戻ってきて。…なんか、そういう経験ができて良かったなって思うんですよね。いろいろ変わりました。絶対に昔はこんなふうに取材でお喋りできなかったですもん。今はいろんなところで「みなみちゃん、明るくなったね」とかって言われるようになって。
―なんというか…「かわいらしさ」+「ロックな反抗期」というのも魅力でしたけど、今は「かわいらしさ」+「楽しそうに笑ってる」っていう、王道アイドルとしては最強の武器を手に入れた気がします。
星野 今、楽しいです。私、齋藤飛鳥と一緒に「あしゅみな」として撮影したり、取材を受けることが多いんですけど、本当に飛鳥ってすごいと思っていて。顔も小さいし、写真映えするし、モデルさんだし。で、隣に並ぶと、私の顔が大きく見えるんですよ。昔だったら、それで落ち込んでたんですけど、今は「大きいほうが見つけやすいじゃん」みたいな(笑)。こうやって言えちゃうんですよ。
―素晴らしいですね。ちなみに、星野さんが「あの人はすごい!」と言う人たちって、みんな誰にも負けない武器がありますよね。そこで“星野みなみの武器”ってなんだと思いますか?
星野 それがないんですよ!(大声)よくアンケートで「特技はなんですか?」って質問があるんです。でも「特にありません」って書くんですよ。
―オーディションから変わってないじゃないですか!(笑)
星野 そうなんです。…よくやってきましたよね。今日、自分で話しててそう思いました(笑)。武器、なかった!(笑)
5年間、“パン”一本でやってきた!
―では2016年、どういう武器を見つけて頑張りたいですか?
星野 ええーー??? 怖い! どうしよう! だって、5年も探せていなかったものを今探すんですか?? あと、もう少しで18歳になるのに! 13歳だったのに!
―お誕生日、おめでとうございます。
星野 ありがとうございます。…で、武器。武器。…私、何が好きなんだっけ? あ、パンは好きですけど、『乃木坂って、どこ?』でパンが好きって言っちゃってるから、そこはもうすでに武器としては使っちゃってるんですよ。パン一本でやってきちゃったので。
―「5年間、パン一本でやってきた」って、ちょっと面白いですね。
星野 そう、握手会って、結構「『好き』って言ってください!」って言ってくるファンの方がいたりするんですけど、みなみの場合は「『パン』って言ってください!」って言われたりするんですよ。
―え? それで「パン!」って言うんですか?
星野 言います。他にも「『フランスパン』って言ってください」「フランスパン」、「『メロンパン』って言ってください」「メロンパン」みたいな。
―なんですか? そのバリエーション?? ファンはそれで嬉しいんですか??
星野 「嬉しい」「それが聞きたかった!」みたいな感じです。なんか、せっかく来てくれてるのに「パン」で終わっちゃっていいのかな?って心配になりますね。かなり多いですよ。そういうファンの方。
―やっぱり武器は「パン」なんですね。
星野 でも、今まではそれで許されてきましたけど、18歳になるから許されなくなりますよ。それが今、すごい悩みです。ファンの方の中に「みなみを甘やかす会」っていうのがあるらしくて。でも、それに甘えてちゃいけないなって。
―でもさっきも言いましたけど、今の「かわいらしさ」+「楽しそうに笑ってる」って、充分な魅力だと思いますよ。アイドルとしては素晴らしい武器ですし、乃木坂46の中でも、一番「アイドル」なのかもしれません。
星野 …っていうか、アイドルじゃなかったら私、絶対に大変だと思います。パンだけですよ、だって。
―(笑)。パンをブンブン振り回して戦うのも、もう限界ですか?(笑)
星野 もう限界です。かなりパンも削れてきました。だから18歳になったら、武器を探すためにいろんなことに挑戦しようと思います。今年の目標は「自分に厳しく!」です! あとやっぱり「楽しく仕事をします!」ってことですね。旅行とかも行ってみたいです。海外とかに自分ひとりでチケットとか取って。武器を探す旅に! 5年間やってきて「武器とか、天から降ってくるものじゃない」って気付いたので。
―おぉ、自分探しの旅、頑張ってください! ありがとうございました。
(取材・文/篠本634[short cut] 撮影/武田敏将)
●星野みなみ(ほしの・みなみ) 1998年2月6日(17歳)千葉県出身。ニックネームは「みなみ」。そのカワイらしさは天下一品! パンが大好きで、一番好きなパンは「食パン」だそう。13枚目シングル『今、話したい誰かがいる』では8枚目ぶりの〝福神〟に復帰。公式サイトもチェック http://www.nogizaka46.com