「フリーになるとそれぞれに路線変更して個性を出すなど工夫が必要」と語る小島さん

フジテレビのエースアナとして君臨したカトパンこと加藤綾子アナが5月からついにフリーに。

俳優の篠原涼子や谷原章介らが所属する「ジャパン・ミュージックエンターテインメント」での再出発が伝えられているーー。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

***

皆さんご存じの通り、ほとんどの女子アナは中途半端な美人です。女優ほどの完成度や個性はなく、モデルほど洗練されているわけでもなく、しかし最高級OLとして有名企業の看板娘を務めるには、ちょうどいいあんばいの美人なのです。そつなく、かわいく、お利口さん。

でも大手放送局正社員の肩書がないと、急に普通の人っぽく見えたりもするもの。だからフリーになるとそれぞれに路線変更して個性を出すなど工夫が必要なのですね。

しかし! TV局の箱入り娘というブランドで下駄を履かずとも、生まれながらに、期待される女子アナらしさをくまなく体現している人がごく稀(まれ)にいます。代表は高島彩さん。女子アナは才色兼備でお行儀のいい「いるはずのない完璧な女子」を演じる一種のコスプレでもありますが、技術も容姿も極めて完成度の高い存在です。

カトパンさんも、おそらくその系譜かと拝察申し上げます。この先、いわゆる女子アナは「高島彩と、そうでないもの」という分類しかなくなり、ごく少数のアヤパン属の人々しか「ただ女子アナであること」という商品カテゴリーでは生き残れないのかもしれません。

●小島慶子(こじま・けいこ)タレント、エッセイスト。1995年にTBSにアナウンサーとして入社。2010年退社、アナウンサーを廃業し、ラジオパーソナリティとして活動を開始。徐々に活動の幅を広げ、現在に至る