写真左から古谷完氏(dropプロデューサー)、山田昌治氏(アップアップガールズ(仮)プロデューサー)、大住太郎氏(アイドルカレッジプロデューサー)

アイドル好きなら一度は憧れる職業、アイドルプロデューサー。

というワケで、今回は現在開催中の『グラビア×ライブ バトルカーニバル』(略して「グラバカ!」)にエントリー中のdropアップアップガールズ(仮)アイドルカレッジという、3グループのプロデューサーに登場していただき、いろいろ語ってもらった! 気になるその実態とは…?

古谷完氏(drop「ツインテールで日本の女性を元気にする」をスローガンに活動する「日本ツインテール協会」の会長。グラビアでも活躍するカメラマンでもある。現在は、dropの妹分「まねきケチャ」もプロデュース中

大住太郎氏(アイドルカレッジ役者を中心とした芸能事務所にてマネジメントを学び、芸能事務所「ブルーローズ」を設立。「クラスで5番目、6番目くらいのコたちが努力して夢をつかむ」をテーマにアイドルカレッジを立ち上げた

山田昌治(アップアップガールズ(仮))過去にはスマイレージなど、多くのハロー!プロジェクト所属のアイドルを担当。その厳しさから「鬼軍曹」とも呼ばれる。アプガの数多くのメチャクチャな挑戦は、すべて山田氏の戦略による

―今回集まっていただいた3人には共通点があります。実は過去、週プレ誌上で3回行なわれた『グラビア編集の隠し玉GグランプリP』というグラビアバトル企画の優勝者(3回ともアイドルグループのメンバーが優勝)のプロデューサーさんなんです! 今回は、そんなお三方にいろいろお聞きします。まずは、プロデューサーになったキッカケから…古谷さん、お願いします!

古谷 僕は元々、ファッションデザイナーとカメラマンをやっていました。仕事でアイドルを撮影することが多かったんです。で、数年前にAKB48さんのメンバーを撮影した際に、劇場に招待していただいて。当時はアイドルに興味はそこまでなかったんですけど、劇場で見た彼女たちがすごくて。

大住 すごく近いですもんね。

古谷 そう、そこでアイドルのすごさに気がついたんですよ。そこからいろんなアイドルを調べていくうち、自分なりの“理想のアイドル像”が固まってきて。結果、アイドルグループをつくっちゃったんです。発想としてはアイドルオタですね(笑)。社長の僕がいきなり始めたから、デザイン会社のスタッフからは反対されましたけど(笑)。

―アイドル好きが高じてプロデューサー! 夢のある話です。次は、アップアップガールズ(仮)の山田さん!

山田 僕は、芸能の仕事がしたくて「ゼティマ」という、アップフロントのレコード会社にアルバイトとして入って。その後、マネージャー志望だったこともあって、アップフロントに異動になったんです。そうしたら配属先がモーニング娘。で、そこからアイドル畑に関わりだしました。

で、数年前にハロプロエッグっていう研修生たちが何人か研修期間終了って話になっちゃったんですよ。そんな彼女たちを見て「このコたちには何かの魅力があるんじゃないか?」って思って。平たく言えばクビになったコたちを集めて始めたのがアプガだったんです。

―で、プロデューサーに。

山田 いや、プロデューサーの定義も難しいんですよね。例えば、スマイレージ(現・アンジュルム)のマネージャー時代、プロデューサーは、つんく♂さんでしたけど、僕も売るためにいろいろ考えてましたから。だから僕は今でも“マネージャー”なんですよ。マネージャーはプロデューサーの一面も持ってなくちゃいけないと思っていますし。曖昧(あいまい)なんです。

―なるほど。ではアイカレの大住さんはどんな経緯で?

大住 僕はもともと役者系の芸能事務所に就職して。最初は原宿駅とかでスカウトマンをやらされてました。で、その後、自分で芸能事務所を立ち上げることになって。自分的には役者をやりたかったんですけど、当時って「アイドルがこれからくるんじゃないか?」って言われ始めたタイミングだったんで、「だったら、アイドルもやってみよう」って。何度かオーディションをして始めたのがアイドルカレッジだったんです。

死ぬようなことは絶対させません!

―いきなりプロデューサーを始める人や、芸能事務所に入ってから始める人もいると。いろんな道があるんですね! でもプロデューサーって、具体的にどういう仕事なんですか?

山田 千差万別ですね。僕の場合は、どう売っていくかの戦略を考えるところから、握手会の“剥(は)がし”までやりますよ。

古谷 僕は基本、全部の現場に行きますし、スケジュール管理もします。曲のイメージを作曲家に伝えて作ってもらったり、歌詞も書いたりします。

大住 僕は音楽系に疎(うと)いので、楽曲は音楽プロデューサーを立ててお願いしてます。基本、トータル的に見ていますね。業務の多くはメンバーのやりたい仕事、例えば女優とかそういう案件を取ってくるための営業をすることが多いです。

―ちなみに、自分のところのアイドルに対してはどんな態度なんですか? 厳しくしてます? あえて優しかったり?

大住 僕は、現場ではフレンドリーにしてますね。彼女たちの精神をケアするために意識してそうしてます。

山田 ウチは、フレンドリーではないですね(笑)。

古谷 山田さんは厳しいイメージ。「死ぬ気でやれ! 死なねぇから」とか言ってそう(笑)。

山田 言わないですよ! でもまぁ、基本、死なないですよね。

古谷 すごい!(笑)

山田 逆に言えば、死ぬようなことは絶対させません。僕、メンバーに富士山の頂上でライブをさせたり、プロレスのリングに上げたり、むちゃをさせてるように見られますけど、「親御さんに返せなくなる」ようなことは絶対にしませんから。

古谷 わかるな~。でも思うのが、アプガさんって強烈な個性を持ってますよね。それって山田さんの色というか、気持ちがにじみ出てるんでしょうね。

大住 そう、パワーが違いますよね。アプガさんのライブを見るたびに、ウチのコたちも勉強させてもらいたいって思いますよ。

山田 いやいやいや…(笑)。

古谷 我々3組はそれぞれ、週プレさんの『隠し玉GP』というバトルを勝ち上がりましたけど…直接戦ったわけではないですしね(ニヤリ)。

大住 ぜひライブとかでも戦えたら面白いですよね。機会があれば、アプガさんと勉強させていただきたいですよ(笑)。

「休みはなくなるもの」!?

―おぉ! おふたりとも軽く、アプガさんに宣戦布告してます?(笑)。あと、お聞きしたいのは、プロデューサーをやっていて辛かったことって?

古谷 野外フェスで前のアイドルさんのライブが終わって、dropの順番になった瞬間、3分の2が帰ったことがあるんですよ。アレは辛かった。「すまない」って気持ちになります。

大住 あと、メンバーが「卒業したい」って言ってきた時。必死に一緒にやってきて、そう言われると…悔しいですね。

山田 個人的には、メンバーと一緒に富士山に登った時が一番辛かった。死にそうでした。

―…「富士山でライブをやる」って言いだしたのは山田さんですよね? あと、「休みがない」とかも辛そうです。

山田 ないですね。一年で休みが1日とかもありますよ。

―休みなさすぎ!!

古谷 僕も2015年は1日しか休んでないです。でも苦じゃないんです。普通ですよ。

大住 この世界に入った時から「休みはなくなるもの」って思ってますからね。

―アイドルプロデューサーってかわいい女のコとウハウハな甘い世界じゃないみたい…。じゃあ、逆に「こういうことがあるから、続けられる!」みたいに嬉しかったことは?

大住 普通に聞こえちゃうかもしれないですけど、いいライブができると、メンバーも感極まって泣くんですよ。それを見ながら「いい仕事ができたな」って思えるのが嬉しいですね。

山田 僕もベタですけど、彼女たちの夢を叶(かな)えてあげられた時は、こちらも嬉しいですよ。夢だった中野サンプラザでコンサートができた時とか。

古谷 それは同感です。…あと、告白すると、僕自身がアイドルオタなので(笑)、元気がない時に客席でファンと一緒に大騒ぎするんです。プロデューサーとしてはいけないことかもしれないんですけど…。

―何をやってるんですか!?

古谷 そう(笑)。彼女たちに元気をもらってます。この仕事をしてるからこそ、近くにいられるって思うと嬉しいですね。

山田 (笑)。でも夢を叶えていくには、リアルにファンがいないと無理なんですよ。アプガは日本武道館を目指してますけど、そのためには一緒に夢に乗ってくれる約8千人を集めなきゃいけないわけで。きれい事に聞こえるかもしれないですけど、ファンがいてくれるからアイドルもプロデューサーも頑張れるんです。すごくきれいに締めちゃいましたね(笑)。

―アイドル好きなら誰もが一度は憧れるアイドルプロデューサーを目指してみる? 実は、この座談会でアイカレ大住氏とdrop古谷氏が「この3組でバトルをやりたいですね! ぜひアプガさんに挑戦したい!」と盛り上がった結果、『グラバカ!』が開催されることに…。今後の動向をチェックだ!

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(取材・文/篠本634(short cut) 撮影/武田敏将)