1月某日。東京都港区にある中国料理店・美林華(びりんか)飯店に現れた元FUNKY MONKEY BABYS・ファンキー加藤の手には一冊の本。昨年暮れ、堀江貴文が出したSB新書『本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方』が握られていた。
「この本、ドキッとすることがたくさん書いてあるんですよねぇ」。嵐の前の静けさか、初対面の緊張からか、加藤は落ち着かない様子で店の中を歩き回る。
ライブドアの設立から国政選挙への立候補、プロ野球への参入表明、宇宙への思い…と、ジェットコースターのような人生を歩んできた堀江貴文と、ただひたすらひとつの夢に向かって真っすぐに突っ走ってきたファンキー加藤。ふたりの出会いはどんな化学反応を起こすのか!?
『週刊プレイボーイ』本誌の創刊50周年カウントダウン企画として始まった「ファンキー加藤がレジェンドたちと語る旅」第2回戦。本音の対談が今、始まる――。
■本音が一番。でも、本音で生きるのも大変
加藤 本、読ませていただきました。はっと気づかされるところがいっぱいあって…中でも、「バランスをとるな!」という章では、ドキッとしました。
堀江 もしかして、加藤さんはバランス型の人間ですか?
加藤 いきなりズバッときますねぇ。エンターテインメントの世界で生きていこうとすると、あっちも立てなきゃいけないし、こっちも立てたいし…というケースがあるんですけど、それを除いても、思い当たるフシはあります。
堀江 アーティストの人も含めて、芸能人は、ある程度しょうがない面もありますけどね。スポンサーの意向とかもあるだろうし。
加藤 CMソングのオファーとかタイアップのお話をいただく時には、ほぼ100%「○○のような曲でお願いします」というリクエストが入っているんですよ。
堀江 『あとひとつ』のような?
加藤 それと、『ヒーロー』のようなですね。でも、『あとひとつ』にしても『ヒーロー』にしても、同じようなものを作る意味はないし、作る気もなくて…。最後は、出来上がった曲を聴いていただき、「いい曲ですね」と言っていただけるんですが、また次も、○○みたいなというリクエストが入っていて。
堀江 わかります。僕も言われますから。ライブドアみたいな会社をつくらないんですかって。
“生き方がずるい”ホリエモンに“最低のクズ野郎”加藤?
加藤 そういう時は、なんて答えるんですか?
堀江 絶対にやんねぇよ、ですかね(笑)。
加藤 はははっ。さすがにそれは言えない。
堀江 僕と加藤さんじゃ立っている場所が違いますから、それはしょうがない。
加藤 それはそうなんですけど、堀江さんはツイッターとかでも、失礼なやつには、「ボケ」って言っちゃうじゃないですか。あの潔(いさぎよ)さというか大胆さがすごいなと。自分も一度でいいから、言ってみたいと思う時がありますから。
堀江 本音で生きるというのも、それはそれで大変ですよ。理屈じゃなく、感情論で突っかかってこられることが多いですから。おまえは嫌いだとか、生き方がずるいとか(苦笑)。
加藤 僕は、最低のクズ野郎だって書かれたことがあります(笑)。
堀江 ひとつひとつ気にしてもしょうがないんだけど、やっぱりね、ムカッとした時は「ボケ」っと書いちゃいます。
加藤 堀江さんは、いつでも、どこでも、100%本音なんですか!?
堀江 100%じゃないけど…99%は本音で通してきましたね。
加藤 そういう言い方をされると、残りの1%がすごく気になるんですけど。
堀江 えー、そこ、突っ込みます?(笑)
◆発売中の『週刊プレイボーイ』8号では、夢やロック、そしてAV男優の話題にまで及んだ対談の続きを掲載! 意気投合したふたりだが、まさかのコラボも約束!?
●堀江貴文(Horie Takafumi) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『本音で生きる』(SB新書)が好評発売中。本当にうまい店が探せるグルメサービス『TERIYAKI』を運営 http://teriyaki.me
●ファンキー加藤(Funky Kato) 1978年12月18日生まれ、東京都出身。2月24日に5thシングル『中途半端なスター』を発売予定。初の主演映画『サブイボマスク』が6月11日より全国ロードショー公開予定。どちらも詳細は公式サイトにて http://funkykato.com/
(取材・文/工藤 晋 撮影/熊谷 貫)