朝ドラ史上、今世紀2位の初回視聴率22.6%を記録した『とと姉ちゃん』(ビデオリサーチ調べ。関東地区)。暮しの手帖社の創業社長、大橋鎭子をモデルにした“スーパーウーマン”の活躍に早くも胸を躍らせている人も多いだろう。

ところで、主人公の小橋常子だけでなく、『暮しの手帖』を語る上では忘れてはならない人物がいる。初代編集長の花森安治だ。作家であり、アイドル評論家の中森明夫氏が語る。

「花森さんはイラスト、デザイン、撮影、原稿執筆となんでもこなした天才編集者。おまけにパーマをかけたおかっぱ姿で時に女装をしていたと噂される異形の持ち主。花森さん(役名は花山伊佐次)を唐沢寿明さんがどう演じるのか楽しみ。唐沢さんだと、ちょっとカッコよすぎる気もしますが(笑)」

破天荒で魅力的な登場人物たちが作品を彩(いろど)ってくれそうだが、物語の良しあしを左右する脚本は一体どんなものなのか? 『エキレビ!』で『日刊朝ドラレビュー』を連載中の木俣冬氏がこう語る。

「脚本の西田征史さんは元お笑い芸人で、ヒットの最大公約数をきちんと描ける人。直近だと、映画化されたドラマ『信長協奏曲』の脚本を手がけています。この作品は現代の高校生が織田信長の時代にタイムスリップするという設定ですが、原作のマンガ以上に“タイムスリップギャグ”が山盛り。

例えば、信長の家来が主人公の携帯電話を見て、『このすずりはなんですか?』と言ったり(笑)。わかりやすく、クスリと笑えるものを『とと姉ちゃん』でも盛り込んでくるはず。2話でも、さりげなく竹蔵に『安心してください』と言わせてますしね」

ところで、前作『あさが来た』では「びっくりぽん」という流行語が生まれたが、今回はどうだろう。有力候補は初回から常子が口にした「どうしたもんじゃろのう」。ドラマの舞台、浜松の遠州弁だ。

「ちょっと無理やり感がありますね。ただ、『びっくりぽん』も最初は抵抗があったけど、いつの間にか私も使うようになっていた(笑)。脚本の西田さんの使い方次第だけど、流行るかもしれない」(前出・木俣氏)

さらに、朝ドラは数々の若手女優をブレイクさせてきた。好調な滑り出しとなった『とと姉ちゃん』でも、主演の高畑充希だけでなく、多くの注目女優たちがこれから続々登場予定で好演が期待される。

発売中の『週刊プレイボーイ』17号では、そんな彼女たちの期待度について分析。朝ドラがもっと楽しくなる特集となっているのでそちらも是非お読みいただきたい。

■週刊プレイボーイ17号(4月11日発売)「朝ドラ『とと姉ちゃん』最速レビュー!!」より