あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』。
前回、元Jリーガー・現FC岐阜監督のラモス瑠偉さんからご紹介いただいた第21回ゲストは、元Jリーガー・日本代表の武田修宏さん。
バラエティ番組などでも活躍、モテ男キャラの独身貴族として知られるが、前回は女性とのつきあいの難しさや結婚観まで吐露。そして、今また熱く胸に秘めるサッカー界復帰への思いを語っていただいた。準備が大事というストイックさもあり、すっかり夜遊びでのチャラさも影を潜めたようでーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)
―自他ともに認めるモテ男、それこそプレイボーイなイメージなのが最近は遊びも減って“ひとりメシ”ですか?
武田 なんかね、前は寂しいなと思ってたけど、今はひとりが楽になってきたんですよ。さっと帰って、お金もかかんないですし。そんな高いワイン飲んだりさ、この年になって結婚もしてなかったら意味ないもんね(笑)。
―いやいや、でもそれはある意味、遊び尽くしちゃったからとか…。
武田 まぁ男性なんでね、綺麗な人がいたら、たまに食事誘うのはあるけど。それで何も自分のためにならないんだったら、時間の使い方を変えなきゃいけないですよね。なんか、それより次の自分への投資っていうか、休みがあったらランニングして、サッカーの現場に行くとかなワケですよ、今は。
もちろん婚活もしなきゃと思うんだけど。難しいですよね。熱しやすく冷めやすいから。1回食事してダメだなと思えば、やっぱ諦めが大事だし。スパッて決めて、次っ!って。
―当然、過去の経験値があった上で、ハードルも高くなってるんでしょうけど。それ以上にときめくものがないと気持ちも動きませんよね。
武田 まぁそうっすね。独身だし、不倫とかもないから周りに迷惑かけないだけです。子供は欲しいんですけどね。
―なるほど。でも相手に求めるものが大きすぎると、なかなか結婚はね…。
武田 澤(穂希・ほまれ)さんにも言われましたもん、武ちんは繰り返しだって。キレイな人と食事して別れる、キレイな人と食事して別れる…それだけで進歩がないって言われちゃったからね、学習能力がないって(笑)。
―なんかズバリ核心を突かれた言われようですが(笑)。
武田 でもなんだろうな、結婚はもちろんしたいですけど、やっぱ本当に金目当ての女性とか多いんでね、周りに。まぁそういう女性が多いのは俺のキャラもあるし、しょうがないですけど。
(所属事務所の)ホリプロの会長も「幸せな結婚ならしなさい。幸せじゃないならしないほうがいい」って言ってくれたんですけど、やっぱ難しいですよね。今、女性のほうが強いから、結婚してお金取られて終わっちゃう人もいっぱいいるし。そういう意味ではやっぱ慎重にいってますよ。
「港区あたりに住んでる女性には疑いから…」
―だいぶ女性に対して疑心暗鬼になってるというか(苦笑)。そこでも几帳面さが出てるんでしょうけど。
武田 女性に遊ばれないようにはしてますよ。やっぱスポーツ選手と結婚した嫁さんとかね、別れてからTVでぺらぺら喋ってるの見たりするとちょっとムカつきますもん。まぁ家庭というかふたりの問題なんですけど…。だから僕はするなら普通のOLとします。
―なんか実感こもってますね(笑)。
武田 たぶん、綺麗な人とは結婚しないです。昨日もパーティ行ったら綺麗な人いっぱいいましたよ、モデルさんとか。でもこのコたち、絶対お金かかるなぁと思いながら帰ってきた。昔ならいってたけどね(笑)。
―そういうコたちの面倒臭さにもうんざりとか?
武田 まぁ、今はマイナスから始まりますからね、女性を見る時は。特に港区あたりに住んでる女性には基本的に疑いから始まりますから。なんでそんな売れてないのに贅沢な生活してるんだ?とか。
―ははは、港区って具体的すぎです。なんか裏の世界を知りすぎたのでは?(笑)
武田 だからまぁ東京がおかしいんですけど。やっぱ華やかだけど危ないとこいっぱいあるし、怪しい人も多いじゃないですか(笑)。だから付き合いとかも考えちゃうしね。そうなると自分ひとりになるんですよ。
―そういう特殊な業界に身を置くと尚更でしょうね。派手で華やかな裏に孤独感も。
武田 まぁ本当にサッカーとも違って、TVとか芸能界って精神的にキツいですから。サッカーは勝ち負けがはっきりしてるけど、TVは違うワケですよ。頑張ったから仕事があるワケでもないし、何がウケるかもわかんない、時間が不規則なのもキツいしね。
―疲弊も生半可じゃないし、虚実入り乱れて魑魅魍魎(ちみもうりょう)も…みたいな?
武田 もちろん、その中でも本物の人とかいるんで、アッコさん(和田アキ子)なんかビッシビシ俺に言ってくれますけどね。崖から落とすみたいにいつも厳しいし(笑)。それはやっぱりいいですよね。ラモスさんも現役の時は厳しかったですから。勝っても点取っても「おまえ、調子乗るんじゃねえよ」とかって。
良いプレーは褒(ほ)めてくれるし、イエスノーはっきり言われたんで。で、「チャラチャラしてんじゃねえよ」とか。アッコさんもやっぱりそう。…でも最近思うのは、もうそのふたりから卒業しなきゃいけないなって。ラモスさんも新しい奥さんできたし。もう結構会ってないですからね。飲み行こうって言って、合わなかったり。
「2ステージ制も反対したけど強引に…」
―そうなんですか? ラモスさんは「勝ったら岐阜からでも六本木飲み行って、始発で帰ってくるよ」と(笑)。そういうところでご一緒されてるのかと。
武田 タイミングが急なのもあるけどね。昔はラモスさんと毎週行ってたのが今は本当に年に1回くらいで。そういう意味でも少しずつ、もう自分の時間を作らなきゃ、家族も作って自分の本当の相手を…っていう風には考えてますけどね。
結局、この歳になるとさ、同じ仲間でもみんな家族とか子供いるヤツは家庭に行くし。だから、やっぱ難しいっすよ。
―そんな心境だとは…。ほんとチャラ男どころか、派手に遊び回ってるイメージとますます程遠いですね。
武田 まぁ将来的にはね、監督も本当にやりたいんで。いつでも思ってますし。チャラいとかいろんなこと言われるけど、本心としてそういうのがあって、今やってることはすべて自分の人生の経験だと思ってるんで。本当にね、ピッチには戻りたいなと。
―ドーハ組くらいの同世代もね、監督されている方も多くなってきましたし。
武田 森保(一、現サンフレッチェ広島)とか井原(正巳、現アビスパ福岡)だったり。高木(琢也、現V・ファーレン長崎))もね、頑張ってる姿見ると、もうやってかなきゃいけないってのもありますし。そこだけは忘れないように。自分の終着地点がサッカーだったらっていうのは思いますよ。
最近、やっぱり寂しいと思うのは、僕たちがJリーグを作ってきて、なんかどんどん下火になってきてるんじゃないかって。他のスポーツも頑張って、サッカーが代表戦以外は注目されない、メディアにも書かれない…このままいったら本当に終わっちゃうんじゃないかなって危機感も持ってるしね。
―それで次のロシアでのW杯、もし代表が最終予選で負けることにでもなったら…というのはありますよね。
武田 そう、思ってます。だから僕もね、サッカーで命かけてきましたから。サッカー知らない人たちがちょっと好きだからトップになってとかじゃなく、なんか変えたいなって。じゃないと、ほんと日本のサッカーは衰退していきますもん。
―いまだ文化として根付いてないという話も出ましたが。そこで自分も戻って為すべきことを為さねばという使命感が?
武田 もちろん難しいんですけど。サッカーってコンテンツが金儲けだったりビジネスで動くのもあるし。でも本質はね、やっぱ強くするところが大事じゃないですか。だから、また2ステージ制にしたのも、ファンはみんな反対したワケですけど。それを強引にね。
そこで、考えの違う人達が本質を間違ってどんどん進めていったらダメになっていくし。だから僕はJリーグ10チームでやれっていうことも言ってるんですけど。今のチーム数でどんだけ年俸安くてクビになってるか…。ダメになって、プロリーグ終わっちゃいますよ。
「イメージのことばっか懸念してプロじゃない」
―「100年構想」を掲げながら行きつ戻りつ歩みが遅々として進まず。方向性も正しいのか否か覚束(おぼつか)ない…。
武田 そうですね、だから心配ですよ。本当になんか…せっかく作ってきたのに寂しいですよね。だってJ2の岐阜行ってさ、ラモスさんのラの字も出てこないでしょ、新聞の紙面にも。ほんと日本代表だけで。でも世界のサッカーって、クラブチームが盛り上がって、代表がその次。なんか違うほうに行ってる感じがして。
だから、外から冷静に見てね、僕はいろいろ言うんです。現場入ったら言えないもんね。森保とかもたまに電話しますけど、みんな言いたいこと言ったら批判になっちゃうし。逆に俺は俺で今、違うところにいるから言えるんです。やっぱよくしたいからね。
―いや本当に。マスコミにしても顔色を窺いつつ迂闊(うかつ)に批判もできない雰囲気がありますから…。
武田 取材禁止とかね、規制してくるから。良いか悪いかって言われるのはしょうがないのにイメージのことばっか懸念してるからさ。結局、プロじゃないんだよね。
―まぁそれを言ったら政治の世界もそうで(苦笑)。そういう意味では日本という国自体が上っ面で成熟していない、その縮図のような気がします。
武田 あと、僕らはね、プライベートなくなってるんですよ。昔は酒飲んで遊んでたけど、今はtwitterとかLINEで武田が女といるって写真撮られちゃうから。LINEで流出しちゃうとか気を付けないと。時代、時代で…まぁしょうがないですけどね。
―どんどんいろんなことが世知辛く下世話になっている感じですよね。
武田 下世話ですよ。人のプライベート、結婚した、付き合ってる…ネタにする人が多いじゃないですか。だからそういうのもあってサッカー行きたいんですけどね。そりゃ厳しいのは同じだけど、やっぱりねぇ…いいなあって思いますよね。
―まぁ先ほどの占いの話だと、もう1、2年は我慢する時期のようですが…。
武田 だから、時代を読んでいかないとね。生きていかなきゃいけないし、時代感だったり、常にアンテナを張りながらじゃないと。僕らももうおじさんですから(笑)。おじさんができることを考えていかなきゃ。
で、最近いつも思うのは、もう30代じゃないし、衣装にしても40代のおっさんが似合うオシャレにしようと思って。スーツだったりネクタイだったり。そういう自分の年を考えながら、先の将来をいろいろね。時代のスピードが早いし、タイミング的にはそろそろ現場戻って、指導者でやるってことですけど。
次回ゲストは熱すぎるサッカー解説の…
―そこで何か変わると、それをきっかけに良い女性との巡り合わせも…。
武田 まぁ大体知り合うのはバツイチ、子持ちとかしかいないですから(笑)。
―(笑)。それも悪くないようですよ。実際に増えてて、うちでも昨年、バツイチ、子持ちの女性と結婚するのがいいって特集記事をやりましたから。
武田 いやでも編集長、同じ世代だから話合うと思うけど、お金かかるんですよ。子供の養育費だってさ。
―そのためにまた自分も頑張るっていう。そういう女性は前の結婚で失敗した分、男に依存しないとか、多くを求めないようですけどね。
武田 でも俺、サッカーで指導学も勉強してるから子供のこともわかるんだけど、親じゃない親がどうやって接するかっていうのはすごい難しい問題だよね。そこまで本当に愛せるかなって、深く考えちゃうんですよ。
―それはどうしても考えるでしょうけど。やっぱりそこも武田さんの慎重さがまず出ますかね…。
武田 そうっすね。でもとにかく監督はやりたいよね…いきなり監督やりたいんですよ。小倉(隆史、現名古屋グランパス)もそうだしね。で、ラモス対武田とかさ、あとカズさん(三浦知良、横浜FC)とも戦いたいし。カズさんは現場でやって選手と監督としてね。まぁこればっかりは本当に需要と供給ですけど。みんな同じ世代、同級生がやってるんで、もうそろそろくるんじゃないかなぁ。
―いやでも本当にタイミングが来て、その姿を見たいとは思います。いろいろな経験をまた指導者としてどう還元されていくか興味深いですし。
武田 だからグラウンドの面もそうですし、どうPRしていくのかとかね。華やかな時代のことも日本リーグのことも知ってるし、南米も行ってるし。
俺が今、監督になったら(田中マルクス)闘莉王(トゥーリオ)獲るよって言ってるんだけどね。雰囲気盛り上げて、明るくして。チーム、監督のためにって、彼みたいなハートがあって熱いヤツを上手くコントロールできるような監督になりたいよね。チームの雰囲気を良くして勝たせたいなと思うんで。
―エリートでありスターだった実績だけじゃなく、それこそ幼少期から自分で切り拓いてきた経験が活きてきますよね。
武田 そこは本当に自分の感覚とか決断力だったり。自分の人生振り返った時に、いつもそういうとこでは成功してるんで。高校卒業する時も逆境に行ったし、プロができて南米移って、全部自分のことは自分で決断してこの人生あるんでね。
―では、そろそろお友達を紹介していただければと。事前に松木(安太郎)さんを候補でというお話ですよね。
武田 松木さんがJリーグの社長になって、俺を早く監督にしてください!って言っといてください(笑)。
―了解しました(笑)。では読売クラブからの先輩であり、ヴェルディの初代監督に繋がせていただきます!
●第22回は5月1日(日)配信予定! ゲストは元日本代表でサッカー解説者の松木安太郎さんです。
●武田修宏(のぶひろ) 1967年5月10日生まれ、静岡県浜松市出身。小学校1年生からサッカーを始め、中3でジュニアユース日本代表に。清水東高校では1年時より全国 高校サッカー選手権で準優勝の原動力となり注目を集める。卒業後、読売クラブ(現:東京ヴェルディ1969)入団。新人王、MVP、4度のベストイレブン に輝き、19歳で日本代表に選出。ヴェルディの中心選手として黄金期を支える。2001年に現役引退後はサッカー解説者やタレントとして活躍。チャリ ティーサッカー2014チャリティーマッチでは監督・コーチを務める。
(撮影/塔下智士)