『週刊プレイボーイ』本誌で対談コラム「大人になってもわからない」を連載中のみうらじゅん氏と“クドカン”こと宮藤官九郎氏が「ゆとり世代」をフックにして世代論について語り合った。
クドカンさんが脚本を担当するドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)も話題となっており、そのテーマになっているのが「ゆとり世代」というわけでーー。
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みうら 宮藤さん、ゆとり世代のドラマやってるでしょ?
宮藤 今、ちょうど半分ぐらいまで物語が進んだところですね。
みうら 俺、あんまりよくわかってないんだけど、そもそも、ゆとり世代っていうのはどういう人たちのことをいうの?
宮藤 えっと、年代的には今、28歳、29歳くらいが第1世代で、下は20歳ぐらいまでですかね。学校が完全週休2日で、通知表が相対評価から絶対評価になった時期を経験してて、競争意識があんまりないとか打たれ弱いとかって一般的にはいわれてますよね。
みうら 競争意識って、ないほうが楽でいいとは思うけど、ちょっとでもイヤなことがあるとすぐに会社辞めちゃったりするっつー話じゃないですか。
宮藤 多いみたいですね、そういう人。脚本を書くにあたって、ゆとり世代のサラリーマン何人かと会っていろいろ話を聞かせてもらったんですよ。そしたら、社会に出た頃にリーマン・ショック(2008年)が直撃して経済がダメになる様子を見てるんで、定年まで同じ会社で勤め上げるのが美徳っていう意識がないみたいで。
みうら じゃあ、いろんな会社を転々とすることになるよね?
宮藤 そうですね、スキルアップと称して。「転職サイト」っていうのに登録して、他にいい条件の会社があったらすぐに移るみたいです。なんでしょうね、常に居場所探しの途中っていう感覚なのかなぁ。
「俺はゆとりじゃない」って主張してる人も…
みうら 自分探しの次は居場所探しかぁ。
宮藤 あと、会社の飲み会は基本行かないとか、上司からの誘いも平気で断っちゃうとか。特に金曜の晩は絶対NGみたいで。
みうら なんで?
宮藤 とにかくプライベート優先なんですって。平日は我慢して土日を充実させるために働いてるから、金曜の晩に会社の上司なんかと飲みに行ったら、週末に影響が出ちゃうじゃないかっていう(笑)。
みうら そんなヤツ、初めっから誘うほうもどうかしてるよ(笑)。
宮藤 一緒に飲んでも楽しくないですもんね(笑)。
みうら 今、説明を聞いてる感じだと、うまく付き合っていくのが難しい世代っていう感じだね。
宮藤 まあ、よくわかんない人たちですよね。わかんないからドラマ書いてるっていう部分もあるんですけど。とはいえ、本人たち的にもこれまで「ゆとり世代は使えない」とか「これだからゆとりは」っていろんなとこでいわれて、かわいそうではあります。「他のヤツは知らないけど、俺はゆとりじゃない」って主張してる人もいたし。
みうら 俺もその世代だったら言うかもなぁ。ひとくくりにされること自体、ちょっとイヤだし。
宮藤 確かに、ゆとり世代っていうくくり自体に違和感を持ってる人も結構いましたね。
みうら 「ゆとり」ってひらがな表記でしょ。そこがヤだ(笑)。
◆この全文は『週刊プレイボーイ』22号(5月16日発売)でお読みいただけます!
(撮影/三浦憲治)