5年振りに開催される「第8回 東宝シンデレラオーディション」 (C)2016東宝シンデレラ実行委員会 5年振りに開催される「第8回 東宝シンデレラオーディション」 (C)2016東宝シンデレラ実行委員会

初代グランプリの沢口靖子から水野真紀長澤まさみなど多くの女優を生み出してきた「東宝シンデレラオーディション」。第1回は1984年と歴史ある、この大規模オーディションが5年ぶりに開催される。

今回は3つの賞が設けられており、グランプリには「映画女優デビュー」、アーティスト賞には「アニソン歌手デビュー」、そして小社ともタッグを組んだ集英社賞では「雑誌デビュー」という特典も!

これまで老舗“女優オーディション”のイメージが強かった「東宝シンデレラ」だが、今回、新たなチャレンジや仕掛けも多く、次世代へ向けて生まれ変わろうとしている?

そこにどんな思惑があるのか…。そしてますます激化する芸能界の現状と未来は!? オーディション実行委員の東宝芸能・城充雄(みつお)氏に直撃インタビュー!(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)

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―東宝シンデレラオーディションは前回が2011年、前々回は2006年と約5年に1回のペースではありますが、基本的には不定期開催なんですよね?

 そうですね。実はこれまで「前回のグランプリが一人前になったタイミング」を目安にして開催時期を決めてきたんですよ。ただ、今回に関してはちょっと違っていて、前のシンデレラを獲った上白石萌歌(かみしらいし・もか)は当時10歳で、特別賞を取ったコも小4ぐらい。このコたちが一人前になるにはもう少し時間がかかるなと。

とはいえ、少子化でもありますし、他社のオーディションやスカウトも熾烈なこの時代にそんな悠長に待っていられないですよね。次のスターを育てなければ!ということもあって、今年の開催を決めたんです。

―前回、中学生や高校生でこれは!という原石を見つけられなかった?

 はい。特に中学生くらいの応募者ではいなかった感じですよね。ちょうどその時期に芸能プロダクション主催のオーディションが増えましたし、「東宝シンデレラ」という冠(かんむり)だけで受けに来る世代が減ったのもあるのかなと。

―確かに、他のプロダクションとの争奪戦はますます厳しくなっているでしょうね。そんな中で今回求めているのは、ズバリどんな女のコなんでしょう? これまでは王道の正統派女優、清純・清楚でというイメージも強かったですけど…。

 仰る通り、そのイメージがあることはうちのストロングポイントのひとつだとは思います。ただ、今の芸能界はモデルや歌手がお芝居するのは当たり前で、逆に女優さんがモデルをやったり、歌を歌うのも当たり前の世界ですよね? そこでこれまで同様に「王道の女優だけを育てる」というやり方は厳しいのではと。

ですから今回は、東宝シンデレラのイメージを覆(くつがえ)してでも、多彩な才能を持った女のコ、マルチな女のコを発掘して育てることをテーマにしているんです。

―「こんなイメージで…」という先入観はあえて捨てるという感じですか?

 そうですね。これまでは“正統派美人じゃなければ採らない”という傾向があったと思いますが、モデルっぽいコや外国人っぽい顔立ちのコ、個性的な“うちっぽくない”タイプにも全然チャンスはあると思います。

 オーディション実行委員の東宝芸能・城充雄氏 オーディション実行委員の東宝芸能・城充雄氏

今まで芸能界に全く縁のなかったようなコを…

 今回のイメージポスターではこちらの3パターンを撮り下ろし。それぞれの個性を持った長澤まさみが合わさって… 今回のイメージポスターではこちらの3パターンを撮り下ろし。それぞれの個性を持った長澤まさみが合わさって…

―そんな“これまでにはないタイプ”を発掘するために、選考でもこれまでと違う試みをされるようですね。

 女優志望以外の応募者にも集まってもらえるように、雑誌デビューができる「集英社賞」、アニソン歌手デビューができる「アーティスト賞」を新たに用意しました。また、初の試みとして書類審査を廃止し、全国10都市で行なわれる予選会で「全員面接」をやる予定です。書類審査だと、やっぱり判断基準は写真のビジュアルになってしまうので、今回は全員と会って選ぼうと。

―このご時世、書類で送ってくる写真ほどアテにならないものはないですからね(笑)。それにしても、応募者全員に会うってすごい! 本気っぷりを感じさせます。

 それを表したのが「全国のシンデレラ、お迎えにあがります」という今回のキャッチコピーなんです。今まではどちらかというと、こちらが受け身だったんですよ。「みんな受けますか?」「来てみたら?」みたいな。今回はそうじゃなくて、僕らがいろんな仕掛けをしてシンデレラを迎えに行こうっていう。

―なるほど、ある意味、上から目線で「選んであげる」だった意識も変革しようと。それでいうと、今ふと思いましたが、シンデレラのイメージを払拭(ふっしょく)するということで「長澤まさみはいらない!」なんてコピーもありだったのでは?(笑)

 そのキャッチコピー、ぶるっとしますね(笑)。

―(笑)やはり長澤さんの存在も大きいだけに、だからこそ同じコはいないし、全く違う個性で輝いてるコを!という。

城 ただ、そうすると彼女の負担が大きすぎるんで、第1回グランプリの沢口靖子も加えて「沢口靖子・長澤まさみはいらない」にしたいですけどね(笑)。実は企画段階では「シンデレラをぶっ壊せ!」というキャッチコピーもあったんですけど、今活躍しているシンデレラがいる中で「ぶっ壊せ」はさすがにないかなって(笑)。

でも確かに、長澤まさみのようなコを探そうと思ってもいませんしね。やはり長澤まさみに代わるものは、長澤まさみでしかないっていう。だから、彼女が出てきた時のように「これまでにない新しいタイプを探そう」という結論にいきついたんです。

―まさに“見たこともない”ダイヤの原石を発掘しに伺う感じですね。

 そう、地方の奥底に眠ってる、今まで芸能界に全く縁のなかったようなコを探せたらと思っています。そんなコがオーディションを受けてスターになるっていう物語を作るのが理想ですね。

◆このインタビューの続き、後編はこちら→全国のシンデレラ、お迎えにあがります』に見えた、東宝オーディションの本気「“原石”の女のコは自分でその魅力に気づいていない」

 

(構成/岡本温子[short cut])

●オーディションの詳細はHPでチェック!http://www.toho-star2016.com/

https://youtu.be/anA4NpE-GGQ

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