「橋本環奈が天使なら、彼女は悪魔だ!」
そんなショッキングなワードがネットで飛び交ったのは昨秋頃。それをきっかけにアイドルファン以外にも認知され、知名度も徐々に上昇。最近ではTV、雑誌でも頻繁(ひんぱん)に顔を出すなど、大ブレイク最有力株として注目されている女のコがいるーー6人組アイドルグループ「ゆるめるモ!」のメンバーとして活躍する、あのだ。
ゆるめるモ!は2012年に結成、あのは翌年2013年に加入した。ギターウルフ、非常階段など音楽界の大御所とのコラボレーションを繰り返しながら高まったグループの知名度とともに、雑誌『Zipper』などでモデルも務め、10代女子のファッションアイコンとして人気急上昇中。
4月からはテレビ東京の「ほぼほぼ~真夜中のツギクルモノ探し~」に同グループのメンバー・ようなぴとレギュラー出演し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
ゆるめるモ!のライブでは、可愛い容姿からは想像できない客席ダイブや絶叫を披露する彼女。また、実は元ひきこもりだったりと、異色アイドルとしてファンや業界関係者からも俄然注目されている、あのは一体どんなコなのか…。当人を直撃すると、繊細でピュアな少女がそこにいた!
―ゆるめるモ!としての活動はもちろん、ファッションアイコンとして10代のカリスマ的存在になってるわけですが、いや、本当に可愛いですね。肌も真っ白で。
あの いや、全然可愛くないです。肌が白いのは、外出るの嫌いなので…。元々、ひきこもって学校もちゃんと行ってなかったですし。『笑っていいとも!』観たり、寝たりしてました。
―ひきこもりからアイドルってかなりギャップがありますが、きっかけは?
あの ひきこもったりしてる生活を変えたくて、自分で応募したんです。そうしたら合格だっていう通知がきたので、断りました。
―え? 断ったんですか!? 自分で応募しといて…。
あの はい…。プロデューサーさんから「直接会って今後のお話をしましょう」ってきたんですけど、なんか急に怖くなっちゃったんです。それで、やっぱりやめたいな、面倒くさいなとか思って。そもそも知らない人に会いにいくという行為が嫌だし、喋りたくないし。
だから、そこから連絡きてもずっとシカト。で、シカトし続けてたら「とりあえずライブだけでも観にきてください」と連絡があったんです。ライブを観るだけだったら、誰とも喋らなくていいので、とりあえず行ってみました。
誰かが必要としてくれるなら頑張ろうかな
―そんな、やり取りが…。でも、人と喋るのが苦手っていいますけど、今はかなり話せてますよね。
あの 前より大丈夫になっただけで、今もあまり喋るのは好きじゃないです。でも環境が変わると、自分も変わっていくんだなとは思います。それまでは学校とか嫌なことや辛いことからは全部逃げていたので。
でも、ゆるめるモ!に入ってからは、目の前にあるものから逃げなくなりました。プロデューサーさんに初めて会った時、「お願いだから入ってくれないかな、一緒に音楽やりたいんだ」って言ってもらえて…。人から求められる経験ってほとんどなかったので、すごい嬉しかったんです。それで、期待してくれるなら応えなきゃと思えるようになりました。
最近は音楽以外にもお芝居とか、求めてもらえることが徐々に増えてきていて、誰かが必要としてくれるなら頑張ろうかなって感じです。
―自分の中に前向きな気持ちが芽生えたってこと?
あの そうですね。仕事を始める前はアイドルの曲も全然聞かなかったんですけど、始めてからはチェックするようになりました。今はアイドルの人たちみんなをリスペクトしてます。
―でもアイドルになったら辛いこともありましたよね?
あの ははは…。まず、電車での移動がきつかったです。簡単な乗り換えはできるんですけど、ライブ活動とかになると新宿とか渋谷とか、乗り換えが難しい駅も使うじゃないですか。何に乗ったらどこに行くのかわからないし。何回も間違えちゃって、初めはほんとに泣きながら電車に乗ってたんですよ。
だから、初レコーディングは自力でスタジオにたどり着けませんでした。スタジオが結構遠くて、駅もワケわからない名前で、まず読めない(笑)。しかも夏だったから暑いし、もう挫折。乗り換えれば違う電車で、降りてまた戻ってを繰り返して…。結局、マネージャーさんに泣きながら電話して、迎えに来てもらいました。レコーディング自体は適当に歌ったらどうにかなった!(苦笑)
―方向音痴ってレベルじゃないですね(笑)。他にも苦戦したことってあります?
あの あとは最初、メンバーと目を合わせられなかったです。緊張するし、喋ることが不慣れだったので、レッスンで会っても自分からは話しかけられない。壁というか、かなり距離がありました。後から加入した中でも、マイナス以下からのスタートだと感じていたし。
介護されたいんですよ、ずっと…
―今はそんなことないんですよね?
あの 今もめちゃくちゃ喋るってわけではないですけど、昔と比べたら全然喋れますよ。だけど、人ってみんな違うし、一対一の時と複数でいる時の性格も全然違うから、未だに緊張するというか、どもって喋れなくなっちゃう自分がいて…。
まぁでも、どちらかというと一対一のほうが話せるかな。輪の中に入っていけないタイプなので。
―じゃあ、家にひとりでいる時がやっぱり一番リラックスできるってこと?
あの それはそうかもです。かといって、家にいてもすることないんですけどね。休みがあっても一日中、家にいますし。ずっと横になってて、最終的に寝る。
―休みの日も何もしないんですか? もったいない!
あの 何していいのかわからないんです。TVはつけたりしますけど、歩くのしんどいし。姿勢も悪くて、背骨も曲がってる疑惑だから、家にいても座ってるのすら辛い。もう、介護されたい(笑)。
―は、はい?(苦笑) どういうことですか…。
あの 介護されたいんですよ、ずっと。「ご飯だよ」って言われて顔を横に向けると食べさせてもらえて、ベッドに付いてるボタンを押すと起き上がったり寝たりできる。とりあえず、動きたくないんです。学校の体育の時間とかも地獄でした。プールも毎日見学してたし。あー、もうクソだるい。何事もだるい(笑)。
―(笑)。でも、ダンスのレッスンとかもありますよね? 体力使うじゃないですか…。
あの そうなんです。だから、レッスンの後、家に帰ったらぶっ倒れてます。しんどい。元々、運動とか好きじゃないので。(障害物等が)何もなくても一日に一回は転んでるくらいバランス感覚がない。だから怪我も多いんです。よく擦(す)りむくし。たぶん、背骨が曲がってるのとか、いろいろ関係してると思うんですけど。
―整体に一度いきましょうか…
あの 行きたいです! ゴッドハンドがいるところ!(笑)
●この続き、インタビュー後編は明日公開予定!
(取材・文/クリヤガワ・ユズル 撮影/草野庸子)
■あの 9月4日生まれ 血液型=A型 好きな食べ物=汁物、おかし、えび 2013年9月にゆるめるモ!に加入。以降、音楽活動の他、モデルや女優としても活躍中。 ○「ほぼほぼ~真夜中のツギクルモノ探し~」(テレビ東京系)出演中。7月10日(日)、新木場STUDIO COASTにて、ゆるめるモ!ワンマンライブ「6’n’ Roll History ~ゆるめるモ!第1章総集編~」公演予定。その他、最新情報は公式ホームページ、公式Twitter【@aNo2mass】にて