結成時の欅坂46。現在は20名のメンバーと12名のけやき坂46(通称・ひらがなけやき)メンバーで活動中

昨年8月に結成されたアイドルグループ・欅坂46

その勢いはすさまじく、今年3月に行なった初ライブでは5千枚のチケットが即完。4月に発売された1stシングルは女性アイドルグループのデビュー作としては史上1位の初週売り上げを記録した。

今やコンビニに並ぶ有名誌の表紙も次々とジャックし、ますます認知度を上げている欅坂46は、なぜこれほど早く“売れた”のか? その成功の秘密を分析してみると…。

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■ステップ1 乃木坂46との「相似」と「相違」

欅坂46というグループを語るためには、彼女たちの先輩グループである乃木坂46の存在が欠かせない。欅坂46とは、乃木坂46と「相似」したフォーマットに乗りつつ、その中身では「相違」するコンテンツを提供することで急成長したグループだからだ。

「乃木坂46に続く“坂道シリーズ”第2弾グループ」という公式アナウンスのもと、欅坂46が結成されたのは昨年8月21日。実は乃木坂46の結成日も2011年の8月21日である。

また、乃木坂46の初イベントは、ファンがひとりだけ推しメンを選んで握手をするという「お見立て会」だったが、欅坂46も同じタイトル・形式で初めてファンの前に立った。

さらに、乃木坂46は活動初期から『乃木坂って、どこ?』(現在のタイトルは『乃木坂工事中』)という冠番組を持っているが、その放送直後の枠で欅坂46も冠番組『欅って、書けない?』をスタートさせた。

そもそも、乃木坂46も結成当初はAKB48の“公式ライバル”を名乗り、積極的に先輩グループの人気・知名度にあやかってきた。欅坂46も今や人気の絶頂にある乃木坂46のフォーマットを継ぐことで、既存のファンが入りやすい状況を作ったのだ。

“非アイドルファン”をも惹きつけた

しかし、コンテンツの内容では乃木坂46とほぼ真逆のものを打ち出しているところがポイントだ。

乃木坂46が「フランス領にある女学校の生徒」を思わせる柔らかい雰囲気のビジュアルを提示したのに対して、欅坂46は「イギリスのモッズ」(60年代に流行した反体制的なスタイル)をイメージしたミリタリー調の衣装を身にまとった。

また、乃木坂46のデビュー曲『ぐるぐるカーテン』が山の手(高台)の女子校に通う保守的な女の子像を打ち出したのに対し、欅坂46の『サイレントマジョリティー』のMVは夜の渋谷で撮影されており、都会(低地)の反抗的な若者像を描いている。

欅坂46デビューシングル『サイレントマジョリティー』公式衣装。イギリスのモッズファッションをイメージしている。

さらに、メンバー編成の点でも新しい企画が動きだした。欅坂46は早くも2回目のオーディションを開催し、本隊とは別に「けやき坂46(通称・ひらがなけやき)」を結成。この新グループは、いわゆる「2期生」という立ち位置とは異なる活動を予定しているそうで、その謎めいた展開に注目が集まっている。

こうした先輩グループとの相違点が乃木坂46ファンから新鮮に受け止められるとともに、保守的なアイドルにはハマらなかった“非アイドルファン”をも惹(ひ)きつけ、欅坂46は急速に存在感を増したーー。

本日発売の『週刊プレイボーイ』28号では、さらにステップ2「『サイマジョ』現象」、ステップ3「高めの年齢層と高身長」と3つの分析でこの“欅坂46現象”を検証!

欅坂46のセンター・平手友梨奈が表紙&巻頭グラビアに登場し、彼女と欅坂46選抜のポスターも封入されている豪華版となっているのでチェックしていただきたい!

(文/西中賢治)

■週刊プレイボーイ28号(6月27日発売)「3ステップで解き明かす欅坂46入門」より