最前線のクリエイターからも寵愛を受け、今ますます大注目の黒宮れい 最前線のクリエイターからも寵愛を受け、今ますます大注目の黒宮れい

黒宮れい、15歳――。

8歳の頃からジュニアアイドルとして活動を始めた彼女を一躍有名にしたのは国内屈指のアイドルオーディション「ミスiD2015」だ。

当時13歳の彼女は“武器としてのスクール水着”をまとい、エレキギターをプレイするという大胆不敵なパフォーマンスを披露。生意気なのに愛おしい存在感と自分の魅力を知り尽くしたセルフプロデュース力で多くの審査員を魅了し、「ミスiD2015」を見事獲得した。

2015年3月には、同オーディショングランプリの金子理江、女装パフォーマーのレディビアードと異色アイドルグループ「LADYBABY」を結成。デスボイスとアイドル風の曲調で日本の文化を紹介するデビューシングル『ニッポン饅頭』はYoutubeで1500万回再生を記録し、日本のみならず海外でも話題に。

さらに、10月には短編映画「Heavy Shabby Girl(ヘビーシャビーガール)」に主演するなど、現在はアイドル活動の他にも活動の幅を広げ、同作品の監督で「縷縷夢兎(ルルムウ)」のデザイナー・東佳苗、シンガーソングライター・大森靖子、ミスiD2015グランプリ・水野しずといった“ひと癖もふた癖もある最前線のクリエイター”から最上級の寵愛を受け、今ますます大注目となっている。

一体、黒宮れいとはどんな女のコなのか? インタビュー前編では意外にも“怖がり”な一面を見せてくれたが、今回は“自分らしさ”へのこだわりに迫った。

―れいちゃんといえば、ツイッターが過激で有名ですよね。

黒宮 え! そんなに過激ですかね?

―過去には「あぁ、うるせぇうぜぇしね^_-☆」「生まれてきちゃってたいへん申し訳ありませんでした~っ! 反省はしてませ~ん! ば~か」「Twitter上での媚とか、アイドルがアイドルに好きですみたいなリプライしてんのおもしろすぎ」等々、パンチのきいたツイートをしているように思いますが…。

黒宮 いろいろ書いてますね(笑)。でも、正直な気持ちをツイートしてたら、同世代の女のコのフォロワーが増えましたよ。今はリプライの9割が女のコです。「今日の服、ホントにかわいいです!!!」みたいなリアルな気持ちをリプライでもらえるのもほんとに嬉しいです。

―ネットだけでなく、街で「れいちゃんだ!」と声かけられることも増えたのでは?

黒宮 増えましたね! それも、ほとんど同世代の女のコです。声をかけてもらえるのはめちゃくちゃ嬉しくて、もう全員チューしてあげたい!

―同世代の男のコはどうですか? そんなにかわいいとモテるでしょ?

黒宮 かわいいとか、褒(ほ)めないで…。あんまり褒められ慣れてなくて…(照)。それに全然モテないです。

「ここは2ちゃんか!」ってムカつきました

―えー、めっちゃモテそうじゃないですか!?

黒宮 そもそも、れいは男の人はあんまり得意じゃなくて、目もなかなか合わせられないんです。同世代の男のコにはビビられることも多いし…。たまにビビらない人もいるけど、そういう人はかなり強引。勝手にLINEに追加されて「俺、おまえのこと好きなんだけど。付き合え!」みたいな。

あと男子の中で性的に見てくるやつが本当にキモい! 中学の時も学校で「お前は、早くAV堕ちしろ!」って言われて、「ここは2ちゃんか!」ってムカつきました。

―リアルでそんなことを言われるのは辛くないですか?

黒宮 いやいや、ネットでエゴサ(エゴサーチ)したほうが全然ヤバいですよ。

―エゴサするんですね! でも最近はツイッターで「れいちゃん、ホントかわいすぎ!」みたいな、褒めているものが多くないですか?

黒宮 れいは、2ちゃんも見ちゃうんです…。2ちゃんって面白くないですか?(笑)

―えっ! でもヒドいコメントを見ると、傷つきませんか?

黒宮 エゴサすると自己嫌悪になって気分が落ちるのはわかっているけど、やっぱりヤメられませんね。だから、エゴサをするのは週1回だけに決めてます。

―気分が落ちた時はどうしてるんですか?

黒宮 うーん、映画を観たりします。特に『チャーリーとチョコレート工場』は何度も観ていて、勝手に気分がアガるから最高なんです。

話が通じない大人は「全員死ね!」と…

―そんなテンション上がるような映画でしたっけ?

黒宮 あの“色彩の暴力”がたまらないんです! あと、エゴサしていろいろとムカついた時は、思ったことをブログに書いちゃいます。ブログだとツイッターと違ってあんまり拡散しないし、れいに興味がある人だけ読みに来てくれるので“避難場所”みたいな感じですね。

―ブログは「大人、死ね!」みたいな文章が多いですよね。大人は嫌いですか?

黒宮 理不尽なことを言ってくる大人は大キライです! 1対1で話しているのに子供扱いして、話が通じない大人は「全員死ね!」と思ってます。ブログは気分に任せて書いているので、あとから読んで、あまりにも「死ね!」とか書きすぎている時は修正しますけど、基本的には正直な気持ちをそのまま書いてる感じですね。

―れいちゃんのブログは自分の言葉で書かれているとても良い文章に思うのですが、こだわりは?

黒宮 れいは、本も途中で飽きちゃって全然読めないので、あんまり文章にこだわりはないです。でも自分の個性を大切にしたいとは思っています。れいは、れいでしかないので。

アイドルのファンの女のコって、好きなアイドルをそのまま真似して“クローン人間”みたいになっているけど、それはホントによくない! 同じことするのはつまんないし、自分を大切にしないのってもったいなくないですか?

―自分の個性を大切にするという気持ちは仕事でも意識していますか?

黒宮 もちろん、意識してます! ただ、お芝居をする時はそれが裏目に出ちゃうこともあって…。キャピキャピした女のコらしい演技を求められると「これ、誰? 自分じゃない!」と思って気持ち悪くなっちゃうんです。

辛いことはあるけど頑張っています!

―なるほど。黒宮れいはこんなじゃない、と違和感があるんですね。

黒宮 そうなんです。逆にミスiD2015のオーディションでスク水を着てギターを演奏した時は「何、そのコスチューム? キモい!」なんて言われたけど、あれは当時のれいにとって一番自分らしい格好でした。

れいは、実はガールズバンドのSCANDALがきっかけでバンドを始めたんです。だから「制服でギターを弾くこと」に憧れはあったけど、それは「黒宮れい」ではないんですよ。

ジュニアアイドルでグラビアのDVDを出していた自分を「スク水」、バンドをやっている自分を「ギター」で表現したかったから、あの格好で出たし、オーディション用に「太めのストライプが入った青いスク水」も自分で発注しました。

―めちゃくちゃプロ意識が高いじゃないですか!

黒宮 そんなことないですよー。だって、最近でもエゴサしたりしてメンタルがヤバい時にMV撮影の現場を抜け出しちゃって、泣きながら原宿を歩いたこともありました…。いろいろ辛いことはあるけど、なんとか頑張っています!

―最後に、今後についてですが、アイドル、バンドのシンガー、女優など活動の幅が広がっているれいちゃんはこれからどの分野に力を入れていきますか?

黒宮 えー、まだわからないです! 『Heavy Shabby Girl』に出たあとは、演技に挑戦することを薦めてくれる人も多いけど…。

―では、女優の道へ?

黒宮 演技するのはやっぱり恥ずかしいので、うーん…。なんでもいい(笑)。なるようになるしかないので、れいはれいらしく、これからも頑張っていこうと思います。

(取材・文/山本隆太郎 撮影/草野庸子)

■黒宮れい(くろみや・れい) 2000年11月29日生まれ。埼玉県出身。趣味=ファッション・歌うこと。特技=フラフープ・変顔。8歳でグラビアアイドルとしてデビュー。2015年の「ミスiD2015」受賞をきっかけに、ミュージシャンや女優などとしても活躍中。Twitterもチェック【@rei_Neverland】