テレビ東京系の人気深夜番組『ゴッドタン』が今年で10年目に突入。現在のキャストでレギュラー放送が始まったのは2007年4月。
おぎやはぎ(小木博明、矢作兼)と劇団ひとり、松丸友紀アナウンサーというMC陣が勢ぞろいし、番組のウラ話を語り尽くす!
* * *
―10年目突入、おめでとうございます。
ひとり 『ゴッドタン』は2005年10月から3ヵ月間、いわゆるお試し期間として放送されていたんですよ。ハッキリ覚えているんですが、その最後の打ち上げの席で、僕は「こんないい番組が3ヵ月で終わっちゃうのはもったいない。もう10年はやるべきだ」って言ったんです。
矢作 おぉ~!
小木 覚えてないなぁ(笑)。
ひとり これだけは書いてほしいんですけど、ド深夜番組で10年続くって、本当にものすごいことなんですよ。
矢作 たぶん、今までにないんじゃない?
ひとり 犬の1年は人間の7年分に相当するって言われますけど、『ゴッドタン』にも同じことが言えると思う。ゴールデン帯のバラエティ番組が10年やるのとはちょっと違う価値があるっていうか。
―松丸アナはこの10年間いかがでした?
松丸 初めはお笑いのことがまったくわからず、空気を壊すこともしょっちゅうで…。スタッフさんたちが協議して、「松丸を外そう」っていう話まで出たとか(泣)。
ひとり 本当に?
松丸 松丸をクビにしようって話が実際にあったみたいですよ。プロデューサーの佐久間さんが「少し様子を見よう」と言ってくださって、ここまでくることができました。
ひとり 今でも、隙あらば松丸を外そうというスタッフがいたりして。
矢作 松丸はいまだに報道希望だからな。いつ外れるかわからないよ。
松丸 そんなこと言わないでください!!
「アイドルにおっぱいを見せてもらおう」
―MCの皆さんが印象に残っている企画は?
小木 「アイドルにおっぱいを見せてもらおう」かな。特に相澤仁美の回。「フライアウェイ」って呪文のように言い続けておっぱいを見ようとするんだけど、あれは笑いすぎて立っていられなかった。
松丸 最後、ひとりさんが暴走してましたよね(笑)。
矢作 オレはキングコングの西野と劇団ひとりの「仲直りフレンドパーク」。だってオープニングの時点で、お互い洋服がボロボロなんだもん。ふたりとも狂ってるよ(笑)。
ひとり やっぱり『ゴッドタン』で会う西野が一番好きなんですよね。ほかの番組だと、さすがにああはできないから。
小木 尻の穴に指を入れていたもんね。
ひとり あのときの西野が一番輝くんですよ。ほかの人にあれをやると、クレームが入ってもおかしくないけど、西野ならセーフみたいな。世間も許してくれてるんだと思う。
松丸 私が印象に残っているのは、「おっぱい見せて」の手島優さん。女相撲をしたときに私が投げ飛ばされて脳しんとうを起こしたり、手島さんが走って逃げた際に鏡にぶつかって倒れたり。そうしたハプニングこそ、『ゴッドタン』のシナリオにない部分の面白さだと思うんです。
ひとり 場が盛り上がると、一回の収録でその流れを終わらせないのもこの番組の特徴。例えば、収録でスピードワゴンの小沢さんが女のコに悪口を言えないとわかったら、それを言えるようにする企画が別に作られたり。いろいろ派生していくんですよ。
矢作 ダメな芸人を成仏させてあげようとするんだよね。
ひとり ちゃんとやった芸人たちは悔しいと思いますよ。ダメな人が2回目も呼ばれることが多いから。そう考えるとさ、僕とおぎやはぎも大丈夫なのかなって思わない!?
矢作 なんで?
ひとり ここのスタッフに気に入られているって実は“あっちの枠”なんじゃ…。
小木 オレらが知らないだけでね(笑)。
プッシュしたのにブレイクしなかったのは…
―『ゴッドタン』からブレイクした人も多いですよね。
小木 え~、そんないる?
矢作 ほら、おかずクラブとか三四郎の小宮とか。
ひとり アイドルだと小池美由や中村静香も。そう考えると、結構いるかも。逆にいまいち仕事が増えなかったのは谷桃子さん(笑)。番組であれだけプッシュしたのに。
矢作 ほかの番組は、あのテンションが怖くて手を出せなかったのかな…。
―今後、『ゴッドタン』はどうなっていきますか?
ひとり やっぱり目指すところは20周年。おぎやはぎは10年後、いくつになっている?
小木 55歳。ちょっとヤバいね。
矢作 だからさ、あと何年かしたら内容を変えて、坂を見に行ったりしようよ。『ブラタモリ』(NHK)みたいに。
ひとり せめて企画はかぶらないようにしようよ(笑)。
★後編⇒オークラ×佐久間Pが語る10年目の『ゴッドタン』。「『キス我慢』は最初、スタッフから反対されてたんです」
(取材・文/高篠友一 写真/井上太郎)