お互いに手を差し出し、手のひらを合わせ、力をギュッと入れる行為=握手。友情、和解、契約成立など、ビジネスで、プライベートで、握手をする機会は多いかもしれない。
だがキミは今まで握手についてきちんと考えたことはあっただろうか? ただ漫然と手を差し出してはいなかったか?
そこで、今年行なわれたAKB48選抜総選挙で、300人近いメンバーのなかから、ついに神7入りを決めたアイドル・須田亜香里ちゃんに握手の極意を聞いた!
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―初めての握手会は覚えていますか?
須田 私たちはお披露目が握手会だったんです。当時は同期が13人いて、ファンの方はそのなかのひとりとだけ握手できる。全員かわいい服を着て、髪もセットして、いざ勝負って感じでしたね。私は今は普通にブスとかいわれるようになったけど、当時は中の上ぐらいに思っていたので「このなかなら一番取れるっしょ」って自信がありました。結果は3番ぐらいでしたけど。
―握手のやり方は誰かから習ったんですか?
須田 母と練習しましたね。最初は優しく包み込む握手をしていたんです。でもファンの方から「握手する気ある?」って。「爪は長いし、手の握り方も緩い」って言われたんです。それが悔しくて先輩の握手を調べたら、松井玲奈さんの握手はめちゃくちゃ強い、でもクセになると。また母と練習して、今は手のツボを押しています。何に効くかわからないけど、ちょうど気持ちいいんです。
―握手会は時間が7秒ぐらいといわれていますが、その時間で印象を残すには?
須田 私はできるだけ近づきますね。ファンとの間にテーブルがあるんですけど、前に乗り出して。そして目をめっちゃ見ます。恥ずかしくて目をそらす方もいるんですけど、「せっかく一緒にいるのに、目を見れる時間が減っちゃうと後で後悔するから、ちゃんと見て!」って。
―すごいセリフですね! ちなみに、普段はどんな会話を?
須田 できるだけ定型文にならないように、そのときの気分でしゃべりたいことをしゃべります。目に映ったことや、いいにおいだねとか、五感を全部使ってしゃべりますね。普段はのんびりなんですけど、握手会のときはすごく反応がいいです。
ひとりとの握手が1時間を超えることも
―それはどうして?
須田 握手会って、こちらからは会いに行けないんです。ファンの人が来てくれるからできる。わざわざ何日も前から楽しみに来てくれるんだから、その時間は濃くしたいなって。
―握手会によっては、そこまでのファンじゃない人が来ることもあると思うんですが。
須田 そこは勝負の場所ですね。興味あるから来たという人には、意外と悪いやつじゃなかったと思われる握手を心がけてます。いい友達になれそうだなって。誰推しか聞いて、そのコについて盛り上がる。そこから好きになってもらえたら万々歳。
―参加券をたくさん持っていて、ひとりとの握手が長い時間になることもありますよね。
須田 1時間を超えることもあります。「手をつながなくてもいいよ」って言われるんですけど、やらないのも不まじめでいやなので。握手する手を替えながら、基本は私が好きなことをずっとしゃべってますね。
―正直、大変でしょ?
須田 自然体でやっているので大丈夫です。以前は「握手会はデートです」と言ってる時代もあって。でも昨年の選挙で順位が落ちて「自然体でやります」って宣言して変わりました。
―デートとして楽しんでいた“ガチ恋”ファンは悲しんでないですか?
須田 大丈夫でした。前はガチ恋の人に優しくしかできなかったけど、今はちょっと意地悪したり。「好きって言って」と言われても、「イヤ」って答えたり。それはそれで楽しんでくれてるみたいです。
―須田さんにとって握手とはなんですか?
須田 仲間や味方であることを実感する行為ですね。握手をしたら同じ気持ちになれる。また握手をしたら絶対同じ気持ちにさせるぞって自信はあるかも。
●須田亜香里(すだ・あかり) 1991年10月31日生まれ、愛知県出身。SKE48の3期生、チームE・AKB48選抜総選挙第7位。ニックネーム=あかりん。2009年12月劇場公演デビュー。SKE48 4thシングル『1!2!3!4! ヨロシク!』以降、SKE48のシングル選抜に入り続けている
(取材・文/関根弘康 撮影/武田敏将)