“第2のピコ太郎”と呼ばれる芸人・パーマ大佐

今年、最もブレイクした人物といえば「PPAP」のピコ太郎。You Tubeがきっかけで、その人気は世界レベルに! 

そんな中、“第2のピコ太郎”と呼ばれる芸人がいるのをご存知だろうか? その名はパーマ大佐。パーマ頭の年齢不詳な風貌で、ウクレレを片手にお馴染みの童謡に隠された裏ストーリーを歌い上げる。そして12月7日にはついに『森のくまさん』でメジャーデビュー!…って、あなた何者ですか?

―パーマ大佐って、ぶっちゃけ変な芸名ですけど、なぜそんな名前に?

パーマ 埼玉県の北本市出身なんですけど、芸名に出身地を入れたいなと。まず北本を使おうと思ったけどうまくいかなくて、埼玉は逆から読んだら「またいさ」、これはいいなと。そこに自分が天然パーマなので、パーマ大佐にしようと。

―歌ネタはいつからやってたんですか。

パーマ You Tubeにアップするようになったのは去年の5月ぐらいからですね。毎週1本アップしようという目標を立てて。『森のくまさん』は去年の6月ぐらいに発表した曲です。その後、太田プロライブの歌ネタ王選手権でこの曲を歌って優勝して、徐々に知られるようになっていきました。

―声がいいですし、ウクレレもかなりの腕前ですが音楽経験は?

パーマ 物心ついた頃からピアノをやってました。音楽一家なんです。両親とも東京芸大出身で、父は声楽科を出て音楽評論家、母はピアニスト。姉もシンガーソングライターをやっています。

―すごい! 自分も音楽の道へ進もうとは思わなかったんですか?

パーマ 小6で辞めました。毎日レッスン、コンクール、レッスンの繰り返しで、友達と遊ぶ時間がなくてイヤになっちゃったんです。それにピアノを褒められることの違和感があって。曲は作曲した人がいるし、うまく弾けるようになったのは母のおかげ。面白くないなと。

―そこからなぜお笑いの道を歩もうと…。

パーマ ピアノを辞めてから、最初はブラックマヨネーズさんにハマって、その後、浅越ゴエさんとかバカリズムさんの完コピを友達の前でやったり。ピアノは終わった後の拍手しかないけど、お笑いだと途中で笑い声とかリアクションが返ってきて、これは楽しいなと。中3で初めて「R-1ぐらんぷり」に出ました。

中3で初めて「R-1」に

―中学生で! 以前はどんなネタをやってたんですか?

パーマ フリップ芸です。ボードゲームの「人生ゲーム」に書かれたコマに突っ込んだりとか。R-1も2回戦ぐらいはいくんですけど、なかなかTVに出れない。歌ネタにたどりついたのは2年ぐらい前、単独ライブをやったんです。そこでお客さんからもらったお題で即興で曲を作るネタをやって。それが一番評判よかったんで。

―ウクレレは結構、練習したんですか?

パーマ ウクレレを買ったのは単独ライブの2週間前で、その時初めて触ったんですけど、なんとなく弾けちゃったんですよね。ピアノをやっていてよかったなって思いました。

―あらためてパーマ大佐バージョンの『森のくまさん』は壮大なストーリーですよね。

パーマ せっかくCDにするなら、ちゃんとしたいなって。もう一度、作詞家の姉と一緒にストーリーを考えました。過去に熊がお嬢さんから受けた恩とか、その奇跡的な出会いとか、生まれた意味はキミを守るためとか。メロディもすごくよくて泣ける曲で、もう100点の出来だったんですけど、気づいたら6分になっちゃって。泣く泣く一部カットしました。

―MVもすごく豪華なメンバーで。

パーマ まさかお嬢さんが鈴木奈々さんになるとは思いませんでした。あとは熊の役で先輩の上島竜兵さんに出てもらいました。まだ2回ぐらいしかお会いしたことなくて。熊はずっとぬいぐるみに入っているので、最初「なんで俺なんだよ!!」って。でも「売れるよう頑張ってね」って優しかったです。

―音楽家の両親の反応は?

パーマ お笑いを始めた頃は反対していたので、すごく喜んでくれました。でも親父からは「鼻濁音(鼻から抜ける音)に気をつけて喋りなさい」と。母親はお笑いライブによく来てくれるんですが、「サビの部分のシのフラットの音がずれてた。あとはコード進行が単調だとお客さんが離れちゃうからセブンス(コード)入れな」とか。

―さすが専門的な感想で手厳しい!

パーマ コード進行とか言われすぎて、今年の初めぐらいはネタを五線譜に書いてたんですよ。

―ミュージシャンじゃないですか!

パーマ 鍵盤で弾いて、おしゃれなコード進行を考えて。すごくいい曲なんですけど笑えない(苦笑)。結局、ネタは大学ノートに戻しました。やっぱり歌ネタはフレーズが大事なんです。コード進行はおまけ。親の言うことは無視するようになりました(笑)。

今年の初めぐらいはネタを五線譜に書いてたんです

―今や営業に引っ張りだこじゃないですか?

パーマ でも『森のくまさん』は音響の整っている会場じゃないとウケないですね(苦笑)。あと歌詞が長くて、展開をきちんと覚えてないといけないので、お客さんが酒を飲んでいたりすると…。

―オペラやクラシックコンサートみたい! いつか音響のしっかりしたホールでやりましょう。

パーマ あまりやりすぎちゃうと、もうお笑いじゃなくなっちゃいます(笑)。でもまずは『森のくまさん』でブレイクを狙いたいです! 年末もスケジュールにまだ空白があるので…。

―“第2のピコ太郎”として、来年は大ブレイクを期待しています!

(取材・文・撮影/関根弘康)

●パーマ大佐1993年8月26日生まれ、埼玉県出身 特技:ボイスパーカッション、縦笛、ウクレレ

https://youtu.be/tbmhHiLDlps