もしも人気男性俳優が“家事”と“子育て”に専念を理由に引退を発表したら好感度が上がるかも
所属事務所を通じて芸能界引退を発表した元女優の堀北真希さん。
ただし、本人の直筆メッセージに「引退」の二文字はなく、「母になり、愛する家族と幸せな日々を送っています。このあたたかで、かけがえのない幸せを全力で守っていきたいと思っています」とつづるにとどめており、将来の復帰を臆測する報道もある。堀北さんは昨年末、夫で俳優の山本耕史との間に第１子を出産していた。
タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む！
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もしも２８歳の人気男性俳優が、「子供ができたので引退します！」と言ったら、と想像してみました。妻である女優は今までどおりにバリバリ仕事を続け、彼は家事と子育てに専念するというのです。
今どきですから「そういう生き方もあっていいよ！」「すてき！」という声が上がりそうです。むしろ、好感度が上がるかも。
引退したといっても、元人気俳優の主夫生活には皆、興味津々（しんしん）。そこで週刊誌は、彼がスーパーに買い出しに行ったり子供と散歩したりする様子を写真に撮り、近所の評判なんかも取材するでしょう。家事も手抜きせず、甲斐甲斐（かいがい）しく育児している様子が伝わってきます。
ここまでは、堀北真希さんの引退後と同じシナリオかもしれません。でもやがて、「妻は仕事をセーブしないの？」「母親なのに夫に任せきり？」「人気俳優が、今や妻のヒモに」という見出しが躍ることでしょう。
夫の浮気を笑顔で許す梨園の妻や、出産して引退する女性に賛辞を惜しまない記事を読むたび、「この記者は、男女が逆の場合はなんて書くのかな！？」と、つい意地悪な想像をしてしまうのです。
●小島慶子（Ｋｏｊｉｍａ Ｋｅｉｋｏ） タレント、エッセイスト。３０歳で出産したが、仕事は続けた。育休中に専業主婦の適性がないと気づいたのと、共稼ぎでないと家のローンが返せないという現実ゆえ。結局借金が性に合わず、後に売却