RADIO FISHが4月18日に配信スタートした新曲「進化論」が“フツーにかっこいい”と話題

お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」率いるダンス&ボーカルユニット・RADIO FISHが4月18日に配信スタートした新曲「進化論」が“フツーにかっこいい”と話題だ。

昨年、「PERFECT HUMAN」でNHK紅白歌合戦出場を果たすなど大ブレイクした彼らだが、同曲以来となるミュージックビデオ(MV)も公開。また、それがムダにカッコいい。

https://www.youtube.com/watch?v=sWrBk1_FBw0

確かに、「カッコよくて、むしろ笑える」という「PERFECT HUMAN」で提示した芸人・オリエンタルラジオの新境地をさらに進化させたような楽曲とMVである。というか、オリラジらはどこへ向かい、そしてどこまで行ってしまうのか…。

すでに再生回数が100万回を超える勢い(4月26日現在)のこのMV――ロッテのガム「ACUO」とRADIO FISHによるコラボレーション作品なのだが、実は“ある仕掛け”もちょっとした反響を呼んでいるという。

RADIO FISH (やエキストラのパーティーピーポー)が踊り狂うムービーには「7つの暗証番号」なるものが隠されており、それをすべて見つけ出し、シークレットサイト内でその番号を入力すれば、中田CEOの金庫を開けることができ、“素敵な商品”が当たるというのだ。

ちなみにその番号、フツーにMVを見ていてもまぁ気づかない…というか、何度見てもわからない。にもかかわらず、すでにMVを見たファンが番号を探し出し、シークレットサイトにアクセス。なんと3千を超える応募があったという(26日19時時点)。

沢尻エリカの電話番号が公開!?

●“沢尻エリカの電話”にはなんと10万件超も!

気になるのは最近、この手の仕掛け系CMやWEBムービーがやたら目立つこと。同じようなものでは、サントリーのチューハイ「ほろよい」のCMで沢尻エリカの電話番号が“流出”、みんなでその番号に電話してしまった件だ。

https://www.youtube.com/watch?v=1iQ0D3OqJxk

このCMにほんの一瞬、「erika 自分の番号:05 7000 4641」というシーンが挿入されネットが騒然としたのも記憶に新しいのでは…。

こちらの仕掛け、沢尻エリカが出るわけないのはわかっているけど(一縷の望みをかけつつ)電話し、留守電を残すと、後で彼女から折り返し電話がかかってきて、励ましのメッセージ(当たり前だが録音されたもの)を頂戴できるというもの。この“エリカ様ホイホイ”に多くの人がハマり、2ヵ月弱で10万件超近い着信があったという。

大東建託「いい部屋ネット」のCM では“岡山の奇跡”ことタレントの桜井日奈子がフィンランド民謡風のメロディに意味不明な歌詞を乗せて、奇妙なダンスを披露。こちらにも“ある仕掛け”があった。https://www.youtube.com/watch?v=g_rp2W9-cXc

この変な歌詞、逆再生してみると意味の通る歌詞になっている。ちなみにこちら(本サイト内参照)で、しっかりとコマーシャル&メッセージが確認できる。https://www.youtube.com/watch?v=ULIX8dQZPVc

地方発では宮崎県小林市の移住促進動画の仕掛けも面白い。動画には同市に住むフランス人男性が出演。市内の自然や食をフランス映画のような美しい映像と音楽とともに紹介していくものだ。https://www.youtube.com/watch?v=jrAS3MDxCeAあたかもフランス語で語られているかのような訥々(とつとつ)としたナレーション、実はすべて宮崎の一部で話される方言「西諸弁」だったというオチだ。

“仕掛け系CM”乱立のワケ

●“仕掛け系CM”乱立のワケ

RADIO FISH、沢尻エリカ、桜井日奈子など旬のタレントや人気女優を起用しつつも、それだけに飽き足らず何か“面白い”ことを仕込む傾向のある昨今のCM(及びWEBムービー)。なぜ、このような仕掛け系CMが多発しているのだろうか。

CM制作現場で働く男性がその背景についてこう解説する。

「まずひとつは予算の問題。昔と違い、多くのクライアントが大規模な予算があるわけではない。だから限られた予算の中で、いかにソーシャルメディアと連動してやるかが重要となっている」

つまりCMやムービーを使って終わりではなく、作った後にソーシャル上でどう拡散されるか、どれほど話題となるかが重要だということ。CM業界でいろいろな仕掛けが生まれているのはそのためだ。

「今や猫も杓子もSNSをやる時代。ソーシャル上では誰もが、自分が『見つけたこと』や『発見したこと』を周りに伝える“発信したい欲求”が原動力となっている。よく観るとそうだった、もう一度観るとわかるなどの仕掛けがあるCMやムービーが増えているのは、このソーシャル上の“発信したい欲求”を刺激することを狙っている」(前出男性)

かつてCMといえば、一方的で完結されたメッセージをただ伝えるだけだった。しかし、ソーシャル時代になり視聴者に探してもらう、つっこんでもらうなど、ある程度の「余白」を残すことがひとつのトレンドになっているのだろう。

そしてその余白そのものにセンスが問われる。やりすぎると理解されず、当たり前すぎてもつまらない。絶妙なあんばいの「くすぐり」が求められるのだ。今後、ますますこのての仕掛けが繰り出されるはずで、新たなアイディアに注目したい。