テレ朝のドキュメンタリーバラエティ『陸海空 こんな時間に地球征服するなんて』(火曜23時15分~)が、深夜帯にもかかわらず、大反響を呼んでいる。
テレビ解説者の木村隆志氏もこう絶賛する。
「視聴者目線で制作された旅番組です。変に笑いを取りにいかず、旅が本来持つ知的好奇心をくすぐる点に好感が持てます。今は深夜枠の実験的な番組にすぎませんが、この人気ぶりだと、1年後にゴールデンタイムに昇格してもおかしくありません」
この『陸海空』の人気を支えているのが、「芸人より面白い」と評判の番組スタッフ、“ナスD”こと友寄隆英ディレクターだ。
ナスDは南米ペルーをスタートし、世界のさまざまな部族と触れ合う「部族アース」というコーナーの担当なのだが、自ら出演者としてカメラに映り込み、旅ロケにチャレンジしているのだ。
ナスDの旅ロケで特に評判になったのが、5月2日にオンエアされたペルー・シピボ族の村潜入編。
テレビ初登場というナゾの部族、シピボ族から「ウィト」という果物に美容効果があると教えられ、さっそく果肉を塗ってみたところ、全身が黒ともナス色ともつかない不気味な色に染まってしまったではないか! 後に通訳の説明でわかったのだが、「ウィト」は美容効果だけでなく、入れ墨にも使用されるほどの強力な染色作用も秘めていた。「そんなこと、聞いてないよ~!」と悲鳴を上げるナスD。
しかし、もう後の祭り。いくら洗っても色は落ちず、ナスDは気持ち悪いゾンビにしか見えない。テレビ制作関係者がこう腹を抱える。
「あまりの変貌ぶりに、ナスDは次の目的地へ向かうべく乗ろうとした船の係員から『顔がパスポートと全然違う』と、乗船を拒否されていました。その様子がめちゃくちゃ面白い(笑)。しかも素人だから、すべてが大まじめのガチなんです。演出は一切ない。計算して笑いをとる芸人よりはるかに面白い!」
ナスDがイモトと人気を二分することに?
前出の木村氏が言う。
「もともとテレ朝は『お願い!ランキング』の『ちょい足し』コーナーでADを起用するなど、スタッフを画面に登場させることに長(た)けている。素人はカメラの前でも素のままにリアクションするので、時に受け狙いの芸人よりずっと面白いことがあるんです。そんなテレ朝の面白素人スタッフのなかで、ナスDは断トツの逸材。今ブレイク中の芸人、みやぞんより面白いかもしれません」
前出の制作関係者がこう予言する。
「この『陸海空』はテレ朝が日テレの『イッテQ!』に対抗するために作った番組と聞いています。日テレの高視聴率番組『イッテQ!』も旅番組ですが、近い将来、『イッテQ!』に並ぶ人気コンテンツに成長するとみています」
「イッテQ!」といえば、スターは“珍獣ハンター”のイモトアヤコ。
「並の芸人ではイモトには対抗できない。でも将来、『陸海空』と『イッテQ!』ががっぷり四つで視聴率競争することになれば、ナスDがイモトと人気を二分することになるかもしれません」
予定調和のお笑いは飽きた。これからは予測不能な大ボケをかます、素人Dが笑いの主役になる時代がやって来る?