昨今、アイドルが「身近な存在」になった一方で、ファンがイベントに刃物を持って乱入するなど、まさかの事態が発生するリスクが高まっている。
警備強化や持ち物検査など運営の対策はもちろんだが、最終的には自分の身は自分で守るしかないのか…?
そこでクラヴマガ・ジャパン公式認定インストラクターの川畑勇人(かわはた・はやと)氏を講師に迎え、アイドルが覚えておくべき護身術に仮面女子候補生・木下友里ちゃんとドリームプロジェクト・中丸 葵ちゃんに挑戦してもらった!
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【Case1:握手会で手を離してくれない!】 基本的に「相手の力が使えなくなる方法」を考えます。体幹に近いと力が入りやすいので、引っ張って相手の体幹から手を遠ざける。すると力が入らなくなり、簡単に手を抜くことができます(川畑)
【Case2:ハイタッチのとき胸を触ろうとしてきた!】 防御して相手の力を受け止めようとしないこと。さらに攻め込まれてしまうことも。勢いをうまく受け流すのがコツですね。うまく受け流すには手先ではなく、ヒジを使うといいです(川畑)
握手会で刃物で狙われた!
【Case3:ツーショット撮影中に隣から抱きつかれた!】 男性は自分より力の強い場合が多いので、まずは急所を攻撃して弱らせます。倒すときは腕で力任せに引っ張るのでなく、つかまって腰を落とすと、相手はバランスを崩して倒れます(川畑)
【Case4:握手会で刃物で狙われた!】 ナイフの場合もこちらに向かってくる力をうまく外へ受け流します。ただし、これはかなり練習しておかないと難しいです。僕ですら先日、本物のナイフで練習をしていたらケガしましたから(川畑)
ためらうことなく、目を指で突いてください!
―さて護身術を体験していかがでした?
木下 力がないとダメかなと思ったら、女性でもできるような簡単な技で安心しました。
中丸 覚えればすぐにできそうだよね。
川畑 やっぱり力では男性には勝てないので、今回はできるだけ力を使わずに対処できる方法を紹介しました。
―ふたりから先生に質問はありますか?
中丸 いきなり襲われた場合、守りの体勢で固まっちゃいそうなのですが。
川畑 ガードする体勢になった場合は何もできないので、まずは足を使って離れましょう。それでも向かってくる場合はうまく体をそらします。
―こちらから攻めたりしないんですか?
川畑 護身術はあくまで不意打ちを想定しているので、体をそらしますが、相手が来るとわかっていて、逃げることができないなら、自分から反撃したほうが早いですね。
―木下さんはいかがですか?
木下 相手の攻撃をうまく受け流せたらいいんですけど、もしつかまれたら、どうしますか?
川畑 そういうときはためらうことなく、目を指で突いてください! そして、ひるんでる間に逃げる。急所は鍛えられないので、体格差も関係ないです。僕は高校生の頃、格闘マンガの『軍鶏(しゃも)』に影響を受けて、自分の部屋の壁に目を描いて毎日100回目突きの練習をしてました。
―思わぬ黒歴史が! それでは、最後に先生からアドバイスを。
川畑 護身術はぶっつけ本番では難しいので普段からメンバー同士で練習してみましょう。例えば楽屋でいきなり抱きつくとか。そこでスムーズに対応ができるようになれば有事の際も安心です。
(取材・文/関根弘康 撮影/本田雄士)
●左・中丸 葵(なかまる・あおい) ドリームプロジェクト。8月7日生まれ埼玉県出身公式Twitter【@nakamaru_aoi】 ●右・木下友里(きのした・ゆうり) 仮面女子候補生。2002年3月3日生まれ東京都出身公式Twitter【@yuuri_kinoshita】
●川畑勇人(かわはた・はやと) クラヴマガ・ジャパン公式認定インストラクター。総合格闘技やキックボクシングで世界のリングを渡り歩いたゴリゴリのファイター。公式HP【http://www.kravmaga.co.jp/】