3日連続で行なわれた「東京アイドルフェスティバル2017」1日目を密着リポート!

さぁ、今年もやってきた東京アイドルフェスティバル2017(以下、TIF)――。

昨年から1日増え、3日間となったアツいアイドルの祭典が東京・お台場で8月4日~6日の3日間にわたって開催された。

今年訪れた来場者は、なんと史上最多の8万1378人! 参加グループは223組、1475人ものアイドルがお台場に集結したのだ!

毎年恒例となった週プレNEWSのTIFレポ! 今年も本日から4日連続で、激アツルポをお届けするーーまずは、8月4日(金)の1日目から!

【8/4】

佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)[SMILE GARDEN]

昨年、初めてのソロ参戦でTIFに降り立った、ももいろクローバーZの“あーりん”こと佐々木彩夏。今年も初日の一発目に登場だ。オープニングステージで、今年のTIFチェアマンである指原莉乃の「今年のTIF、トップバッターは、ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんです。皆さん、あーりんのステージ楽しむ準備はできていますか!?」という声に会場の熱気が高まる。

ももクロファンにはおなじみの『overture』が流れ…ると思ったら、流れない!? 代わりに、相撲が始まる前に叩かれる“寄せ太鼓”の音が! 心地よいトトントントンと流れる音色に「一体、何が起こったのか?」と、どよめき苦笑するファン。太鼓が終わると、そのままいつもの『overture』へ。視線がステージに集中すると、そこに現れたのは…なんと、しめ縄付き化粧まわしを付けた“横綱あーりん”! それを見た、ピンクのTシャツを着たファンたちは「あーりん! あーりん! あーりん!」――朝のSMILE GARDENが揺れるほどの“あーりんMIX”を乱れ撃つ。

それにしても、化粧まわしのなんと似合うことか! 8月25日、26日に両国国技館で行なわれるソロコンサート『AYAKA NATION』をイメージしての横綱土俵入りに会場のテンションは最高潮に。TIF幕開けの1曲目は『だって あーりんなんだもーん☆』! 化粧まわしを曲中、「変わるわよ~」という歌声とともにサラリと外すと『あーりんはあーりん♥』へと続く。そして最後の『あーりんは反抗期!』で「本当にコレが一発目?」と思うほど、さらに盛り上がる。

「あーりんはママが好き」「あーりんはシュークリームが好き」「あーりんはオトナになりたい」「あーりんはカワイい」ということを、これでもかというほど叩き込まれた怒涛の15分間。こうして今年もTIFは幕を開けたのだった。

こぶしファクトリー[HOT STAGE]

アイドル王国・ハロー!プロジェクトからやってきたのは、こぶしファクトリー。現在、体調不良で活動休止中の小川麗奈をのぞく6人のステージとなった。まず1曲目は『念には念』から。ブ厚く太い、こぶしの効いた歌声がHOT STAGEを切り裂く。「昨年は8人で立ったTIFのステージ。今回は6人ということでパワーダウンしているのでは?」…そう思っていたファンの不安を一気にブチ破る。

続く、『懸命ブルース』『シャララ!やれるはずさ』で会場はさらにヒートアップ。こぶしを振り上げるファン。あっという間にこぶしの海ができ上がった。『シャララ!やれるはずさ』のサビ、「タイムリミットがくるまえに~」という歌詞でなぜか鼻の奥がツンとする。なんだ! この感動は!?

そこからは『未熟半熟トロトロ』『エエジャナイカニンジャナイカ』『チョット愚直に!猪突猛進』というフルコース。最後はドスを効かせまくった『バッチ来い青春』――浜浦彩乃の強い声と視線、井上玲音(れい)の可憐さに釘付けになった。その勢いと熱すぎる“圧”。「これがハロプロの青春だ!」という彼女たちのパワーを見せつけられるステージだった。

PALET[SKY STAGE]

今年6月、ベストアルバムのリリースとともに「palet」から大文字のPALETへ改名するなどターニングポイントを迎え、より一層、グループの拡大化に注目が集まる彼女たち。日差しが強すぎず、過ごしやすいSKY STAGEでのパフォーマンスは『ラブファンファーレ』からスタート。フォーメーションダンスで観客を魅了する。

センターを務めた一ノ瀬りとの「皆さん、タオルの準備をしてくださ~い」の掛け声でファンがタオルを手にし、2曲目は『ピンクのハートの雲』。アップテンポな曲に合わせて、タオルを掲げたり回したりと、カラフルな色でSKY STAGEをPALET色に染め上げた。ラストは『Over The Rainbow』。ユニット名が小文字のpalet名義として最後の曲であり、メンバーにとってもファンにとっても思い出深い1曲。未来に向かう力強さを表した歌詞をパワフルに歌い上げ、ステージを締めくくった。

少女交響曲~Girls Symphony~[SKY STAGE]

2回目のTIF出場となる少女交響曲~Girls Symphony~はこの1年、メンバーの卒業が相次ぎ、昨年は8人で立ったTIFに3人で登場。ファーストシングルである『魔法をかけるよ』からステージが始まった。さらにMCでは2日前のライブで発表があった青山朱里(あかり)と二宮亜美のグループ卒業(8月19日)にも触れ、今後は清水雪姫莉(ゆきり)ひとりでの活動となってしまう。

3人でのステージを見られるのはTIFが最後。切なさを滲ませつつも「残り、楽しむぞー!」と青山が前向きな姿を見せ、引き続きピアノサウンドのイントロが切ない『嘘つきなボクたちは』を熱唱。Cメロでは青山のビブラートが響き渡る。そこに二宮、清水が客を煽り、会場はさらなる一体感に包まれた。

「ラスト、楽しんでいきましょう!」という二宮の掛け声で『Wake Up, Girls!』のイントロが流れる。先ほどとは正反対のポップでキラキラとしたサウンド、夏の始まりを予感させる曲で爽やかに締めくくった。最後は「みんなで奏でる」「ハーモニー!」(客のレスポンス)とお約束の挨拶をしてステージを後に…。来年もTIFで少女交響曲の姿を見たい。そう祈るばかりだ。

sora tob sakana[HOT STAGE]

初のHOT STAGEにやってきた“オサカナ”ことsora tob sakana。ステージに現れた少女たちの顔に少し緊張が見えたが、始まってしまえば、その緊張感はすぐに笑顔にかき消された。『海に纏わる言葉』から代表曲『夜空を全部』で走り出す。自由な魚のように動き回り、歌う。なぜ彼女たちの歌声はこんなにも強く、こんなにも濁らないのだろう。続く『クラウチングスタート』『広告の街』と、趣きの違う2曲を真っ直ぐに魅せる。

MCでは、風間玲(かざまれい)マライカが「TIFは2回目で去年『来年は絶対HOT STAGEに立ちたい!』って宣言してたんです。それが叶って本当に嬉しくて。皆さんのおかげです。ありがとうございます!」と喜びをかみしめると、そこから人気曲『魔法の言葉』へ。神崎風花(ふうか)の笑顔がカワイらしく、寺口夏花(なつか)はいたずらっぽい笑顔。そして、昨年はぎこちない笑顔だった山崎愛(まな)は去年よりも自然に笑えていた。まさに笑顔がこぼれ落ちるステージ。

そこから最後は、ミニアルバム『cocoon ep』に収録されている『夜間飛行』と『ribbon』で締め。子どもたちのイノセンスはどこまでも真っ直ぐに突き進んでいく。今はもう大人になってしまった観客の、カッコつけてしまっている自衛の壁を軽々と越えてきてくれる。彼女たちが辿り着いたHOT STAGE。そこで、夏のある日、観る者の心を洗ってくれた――そんな気持ちになるステージだった。

期間限定ユニットがTIFに殴り込み!?

サクラノユメ。[SMILE GARDEN]

TIFに並ぶ巨大アイドルイベント「@JAM EXPO 2017」を盛り上げるため、今年5月に結成された期間限定ユニット・サクラノユメ。がTIFに殴り込み? つりビット・安藤咲桜(さくら)、神宿(かみやど)・一ノ瀬みか、SUPER☆GiRLS・阿部夢梨(ゆめり)という、そうそうたるメンバーが揃うこのグループはプロデューサー・橋元恵一氏が言う通りの“絶対的美少女ユニット”。

白を基調とした衣装を身にまとった黒髪3人組がステージに登場するやいなや、「フゥ~!!↑↑」と沸く観客たち。阿部夢梨が「早速」を「さっそきゅ」と噛んだ曲フリのタイミングでも沸く、とにかく沸く。“カワイイは正義だ”と思い知らされる。

彼女たちが披露したのはユニット唯一のオリジナル曲で、アイドルの想いを軽やかに歌う『ドリーム☆ロード』。「どこまでもいけるんだ」という歌詞の通り、キラキラし過ぎている彼女たちに多くの可能性を感じさせられる。しかし、ユニットは8月末の「@JAM EXPO 2017」で解散してしまうとのこと。こんなにカワイいのに期間限定なのが心底、残念!

まねきケチャ[SMILE GARDEN]

昨年のTIFには、真夏でありながら冬服セーラー服で登場していたまねきケチャ。今年は夏らしくメンバーカラーのノースリーブワンピースをまとってSMILE GARDENに現れた。それぞれの自己紹介や、おっとりとゆる~い「盛り上がれますか~?」というアオりがほのぼのとさせる。しかし、『SPLASH』が流れた瞬間、空気は一変! 印象的な高速ドラムにふわふわボイスを重ねつつ、ステージ狭しと動き回ってタオルを振り回す。ファンも一緒になってタオルや腕を振り回し、実に夏フェスらしい雰囲気に!

その後、松下玲緒菜の「声が小さいです! もっと盛り上がれますか!」という(今度は)力の入ったアオりの後、最強の盛り上げ曲『冗談じゃないね』に突入。「じょっじょっじょじょっ、じょっじょっじょっ♪」「うりゃおい!」と“今、日本で最も盛り上がるアイドルソングのひとつ”にSMILE GARDEN後方までぎっしり押し寄せたファンが呼応する。壮絶な光景を目の当たりにした。

この他、TIF3日目の大トリ直前にメインステージでもパフォーマンスを行なったが、昨年は「メインステージ争奪バトル」に出場しライブ権を争っていたことを思うと、彼女たちが相当なスピードでアイドル界を駆け上がっていることが伝わるはずだ。

callme[SMILE GARDEN]

夏にぴったりの鮮やかなブルーの衣装で登場したcallme。「まずはクラップ、お願いします!」というMIMORIの言葉とともに爽やかなエレクトロサウンドの『step by step』が流れる。TIFのステージで幾度も披露してきたこの1曲。3人の軽やかなジャンプや凛(りん)とした笑顔、明るい歌詞に毎回泣かされそうになる。

続いて、メロディアスな鍵盤の音が印象的な新曲『One time』、疾走感たっぷりな『Peaceful world』という2曲を披露。“静”と“動”をバランスよく組み合わせた自作の振付や、しなやかでありながら力強いパフォーマンス。これらはもはや、他のアイドルには真似することができないレベルに到達している。どこまで進化していくのか楽しみだ。

つばきファクトリー[HOT STAGE]

アイドル王国・ハロプロから、こぶしファクトリーとともに参戦したのは、つばきファクトリー。「椿」のように端正で凛とした美しさ。エバーグリーンな瑞々しさと強さを備えたグループを目指す――こぶしファクトリーの“力強さ”とはまた違ったコンセプトを持っている。今年の2月に念願のメジャーデビューを果たした。

ステージに現れた彼女たちが1曲目に披露したのは、なんと6月に惜しまれながら解散した先輩グループ℃-uteのブチ上げ曲『Danceでバコーン!』。ハロプロファンなら思わず声をあげずにはいられない選曲! 一瞬で会場は熱狂状態に。続いて、1週間前にリリースした2ndシングル収録曲『笑って』『就活センセーション』『ハナモヨウ』へ。クオリティの高い、バチッと決まるダンス、真っ直ぐに響く歌声。スタイルもよく、大人っぽい雰囲気を醸(かも)し出す。9枚の花びらがキリリと正しく咲いているようだ。

そして、デビューシングル『初恋サンライズ』。見どころは、曲中のセリフ後に見せるメンバー全員での大ジャンプだ。通称「サンライズジャンプ」がこの日はとびっきりだった。一瞬、時間の流れが止まったのかと思うほどの浮遊感覚。特に岸本ゆめのの褐色の肌から繰り出される機敏なダンスと笑顔に目を惹かれた。

曲後のMCで彼女の「私、今日のステージで誰よりも輝くって目標だったんですけど、今の『初恋サンライズ』のサンライズジャンプをした時に本当に皆さん一緒に飛んでいただいて。天気は、太陽はちょっと出てなかったんですけど、晴れた! 晴れましたよね!?」という、話しているうちに着地点が変わる独特な岸本流発言も飛び出した。また、他のメンバーが500mlの水を飲んでいるのに、ひとりだけ巨大な2リットルの水をガブ飲み…いろんな意味で、つばきファクトリーの中でも目立っていた。

最後は先輩グループであり、伝説的な存在であるBerryz工房の『一丁目ロック!』で締め。これで盛り上がらないわけがない。「ウォーウォーウオー!」と叫ぶファンたちとともに、とびっきりなステージは終了。大きな爪痕を残した。

ぷちぱすぽ☆[DOLL FACTORY]

昼下がりのDOLL FACTORYでパフォーマンスを行なったのは、ぷちぱすぽ☆。overuture(序曲)である『ぷちリンピック入場曲』が流れると、ファンならずとも「これから、ぷちぱのステージだ!」と気持ちが高まる。そして1曲目は10月11日に発売が決定している新曲『メラメラジャンピン』。小太鼓の軽快なリズムから始まり、歌い出しではメンバー5人の声が綺麗に重なる。落ちサビではふわふわとポニーテールを揺らす八木ひなたの声がDOLL FACTORYいっぱいに響き渡り、早くも会場はヒートアップ!

その勢いのまま『熱血ポジティブレヴォリューション』に突入。パフォーマンス中には千葉思佳(おもか)が人差し指でハートを描くなど、元気なだけではなくキュートな仕草を見せる。ラスト1曲は『結果オーライ!ケセラセラ!』。最後までずっと動きっぱなしでMCなしのノンストップ。平均年齢16.4歳の体力、侮るなかれ…! 息つく暇なく、爽やかに全力で駆け抜けた。

衝撃的な演出を見せ、観客をどよめかせたアイドル!

いぎなり東北産[DOLL FACTORY]

ももクロや私立恵比寿中学(エビ中)の後輩であり、メンバー全員が東北出身の9人組グループ・いぎなり東北産。メンバーのひとりがイベント活動休止中のため、今回は8人での出場だ。ステージに現れると、いきなり「5人のメンバーが倒れる」「最年少の3人はステージから逃げ出す」??という衝撃的な演出を見せ、観客をどよめかせる。

次の瞬間、スターダストファンにはお馴染み、エビ中の名曲『オーマイゴースト?~わたしが悪霊になっても~』が流れ出すと、倒れていた5人が蘇るように起き上がり、「おばけ♪おばけ♪」と大合唱。コミカルなダンスでファンを楽しませる。特に律月(りつき)ひかるのキュートな歌声がちょっぴり不気味な曲調とのギャップを誘い、ひと際目立っていた。その後はメンバー8人が集結し、ロック調のオリジナル曲『妄想方程式』へ。メンバーの汗が「キラキラと落ちる汗」という歌詞に呼応するように輝く。

さらに、カワイらしいルックスの桜ひなのは、その見た目とはギャップ大の低音ボイスを披露。観客の心をシビれさせる! ラストは夏全開の『ハイテンションサマー!』でメンバー全員が眩しい笑顔を振りまき、ファンは「ハイテンション!!」の連続コールで声を枯らした。勢いを落とすことなく歌い切り、最後は仙台名物・牛タンをイメージして舌を出す”牛タンポーズ”で締めくくった。

OnePixcel[DOLL FACTORY]

2015年に活動を開始して以来、初めてTIFのステージに立ったOnePixcel。歌い出しがラップの『KICK START』から彼女たちのステージは始まった。インスト部分ではひとりずつのダンスパートが輝く。ひとつ前のぷちぱすぽ☆とはまた違った盛り上がり方で、会場の一体感を高めていく。続いては『TONDEKE』。メンバーの長い手足が存分に活かされたダンスを見ていると、こちらも思わず踊り出したくなってしまう。

3人全員がダンスも歌も得意とするからこそ、それぞれのソロでの歌唱パート、ダンスパートに安定感がある。その3人が揃った時の爆発感はたまらない。田辺奈菜美がポニーテールをきゅっと締め直し、『sora』へ。ユニゾンが心地よく響く。最後は新曲の『monochrome』で締め。捌け際のMCではファンに向かって笑顔で手を振る姿も。“楽曲派”と呼ばれる彼女たちだが、“アイドルらしさ”も十二分に楽しめるステージだった。

Dorothy Little Happy[SMILE GARDEN]

今年7月に相方の白戸佳奈が引退し、高橋麻里のソロプロジェクトとなったドロシー。今年は事務所の後輩グループ・Tokyo Rocketsをバックダンサーに従えての出場で、まず披露したのはアイドル界の稀代の名曲『デモサヨナラ』。7年前の5人時代にこのSMILE GARDENで歌い踊り、ドロシーがブレイクするきっかけとなった1曲だ。ソロアイドルとして走り出した彼女がこの場所、このタイミングで歌うことにリスタートへの強い意志を感じてしまう。

高橋麻里は先日、某雑誌のインタビューで「ひとりで歌っていても、今までいたメンバーがいるように見せたい」と語っていた。『nerve』『恋は走りだした』と続いていく、キラーチューンがあふれるセットリストの中で、他のメンバーのことを頭に浮かべたファンも多いはずだ。メンバーへのドロシーへのアツい想いを歌声に乗せながら、彼女は今年もTIFを盛り上げてくれた。

わーすた[SMILE GARDEN]

14時台という最も暑い時間帯のスマイルガーデンに現れたのは、世界に“KAWAIIジャパンアイドルカルチャー”を届けるグループ・わーすた。キュートな衣装や猫耳がよく話題になる彼女たちだが、今回は「本物のフランスパン(!)なんです」「おいしい匂いがします」とのこと。「炎天下でそんな猫耳をつけていて大丈夫なのか…」という変な不安はさておき、まず披露したのは縦ノリソング『うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ』。

会場後方にいる観客たちまで飛び跳ねさせ、“猫耳しんどい”と心の声を漏らすゴシックロック『完全なるアイドル』へと続く。頭にパンを取り付けた5人組がドス黒い曲調を歌い上げる様はなんともシュールだが、そんなことはお構いなしに会場は沸き続ける。ラストは、らしさ全開の『いぬねこ。青春真っ盛り』。「ねこ! ねこ!」「いぬ! いぬ!」という独特なコールを轟かせ、この日イチ、ピースフルな雰囲気をSMILE GARDENに残していった。

PASSPO☆[SKY STAGE]

なんと、8年連続出場でTIF皆勤賞となる「PASSPO☆」。客室乗務員のイメージをテーマにしている彼女たちだけあって、水色の衣装がSKY STAGEにピッタリ! おなじみの機内アナウンス風のオープニングサウンドエフェクトが流れた後、「PASPPO☆テイクオフ!」の掛け声でPASSPO☆との空の旅が始まった。

まずは、増井みお、根岸愛、森詩織とリレー形式でメインボーカルが変わる『向日葵』を披露! 1曲目から夏が終わるのがほんの少し惜しくなるようなサウンド。続いては水鉄砲が登場し、懐かしの『LA LA LOVE TRAIN ~恋の片道切符~』に突入。玉井杏奈が増井を追いかけ回して水鉄砲をかける姿はなんだか微笑ましい。森の「もう水鉄砲タイムは終わりですよ(笑)!」の声に続き、最後は『Music Navigation』で盛り上がりは最高潮に!

客の後方にある取材エリアからライブを観ていると、当然ながら様々なグループのTシャツを着たファンの姿が見える。ただ、どの人もPASSPO☆のライブに全力で応えていた。そこに、さすがの貫禄を感じた。

ファンと約束をキッチリと守り、再びステージに立った!

桃色革命[FESTIVAL STAGE]

今年で8年を迎えるTIFに、なんと8年連続で出場している小桃音(ことね)まいが率いる桃色革命――昨年8月に結成され、注目が集まっている。小桃音まいは昨年、ソロとして最後のTIFに出場した際、「来年は必ずユニットでTIFに戻ってきます!」と、このFESTIVAL STAGEでファンと約束をしていた。それをキッチリと守り、仲間と共に再びステージに立ったのだ。

今回は9人で登場(現メンバーは11人)。1曲目はメンバー全員で旗を持っての『BANG BANG 鼓笛サンバ』からスタート。小桃音がソロ時代から歌っていたナンバーでファンと共に大きく右から左へと行進する。続いて2ndシングル『満開REVOLUTION』、そして小桃音まい時代の1stシングル『Dreamscape☆』では1年前と同じように熱いファンたちがケチャの華を咲かせる。

ラストは3rdシングル『Give me Bunny Love』でソロとは違う力強さと華やかさを見せてくれた。桃色革命にとって初めてのTIFは、緊張感がこちらにも伝わってくる場面もあったが、1年目で経験したものは大きい。伝説の小さな巨人・小桃音まいと共にアイドル街道を突き進んでいってほしい!

GANG PARADE[HEAT GARAGE]

Zepp DIVERCITYを舞台とするHEAT GARAGEに登場したGANG PARADE。通称『ギャンパレ』。1曲目はBiSからレンタル移籍したアヤ・エイトプリンスを迎えた新体制7人での初シングルである新曲『Beyond the Mountain』。スピード感とパワーに満ち溢れたパフォーマンスで会場は一気にヒートアップ。その勢いのまま代表曲『Plastic 2 Mercy』へ。メンバーが肩を組み左右移動するパートでは、観客も肩を組み左右に大きく動き、会場の盛り上がりが加速する。

3曲目には2015年、以前の名義「POP」でTIFに出場した際に初披露した曲『pretty pretty good』。当時からのメンバー、ユメノユアとヤママチミキの2名のダイナミックな動きに目を惹かれた。そして最後は7人の絆、希望を歌う名曲『FOUL』。ラスト前の間奏で起こる観客の「BODY and 7 SOUL」の大合唱がZeppに大きく鳴り響く。最初から最後まで会場全体が一体となった、この素晴らしいステージを観た者は大きく心を揺さぶられたに違いない。

マジカル・パンチライン[SKY STAGE]

ほんの少しだけ雨がちらつくSKY STAGEに元アイドリング!!!の“さとれな”こと佐藤麗奈が率いる「マジカル・パンチライン」が登場。空には灰色の雲――本来であれば決して恵まれたとはいえない天候だが、魔法をテーマにしている“マジパン”には妙にマッチ。グレーの空に5色の衣装が映え、1曲目の『マジカル・ジャーニー・ツアー』の冒険感のあるイントロにピッタリと合う。

この曲はフォーメーションを変えずステージを左右に移動するダンスが特徴的で、どの場所で見ていても「自分の前に来た!」とマジパンを近くに感じられるのだ。曲中には清水ひまわりの「もーっと!」の声に応えるようにファンが空に手を伸ばすシーンも。2曲目の『Happy New Kitchen』もアップテンポでカワイらしい曲で、小山リーナ&清水の中3コンビによるユニゾン部分に未来を感じた。

ラストは『謎から謎めくMystery』。腰を大きく振る振り付けにより、フィッシュテールの衣装がひらひらと空に舞う。まさに幻想的で、マジパンの世界観を存分に知ることができた。TIF終了後、メンバーのSNSには「来年の目標は『HOT STAGE』」というひと言が。彼女たちのパレードはまだまだ続く!

BILLIE IDLE(R)[SKY STAGE]

SKY STAGEに颯爽(さっそう)と現れたBILLIE IDLE(R)は、元BiSのファーストサマーウイカとヒラノノゾミに、モモセモモとアキラを加えた「NOT IDOL」な4人組。前グループのマジカルパンチラインが終わり、去っていくお客さんに「ロリコンの皆さん、帰らんといて~! ビリーアイドル観ていって~!」とファーストサマーウイカが強烈なジョークをかまして笑いが起こる。

しかし、そんなノリとは裏腹にステージは一流品。15分と短い時間ながら『ダーリンにはならない』『be-bop tu-tu』『MY WAY』『be my boy』の4曲を立て続けに披露。80年代を彷彿(ほうふつ)させる軽快なポップソングはどれも名曲で、モモセモモの歌唱力も素晴らしい。ところどころ差し込まれるファーストサマーウイカのアドリブトークも非常にパワフルで楽しませてくれる。その対極なポジションのヒラノノゾミは、BiS時代から変わらない“ある種の存在感”を感じさせ、モモセの実妹アキラは明るくステージを盛り上げた。

TIFに集まるアイドルファンのド真ん中ではないが、観れば決して損はしないステージを魅せてくれるカッコいいグループ。それがBILLIE IDLE(R)である。ちなみにビリーアイドルの「アイドル」は「IDLE」と書くのでお間違えなく。

神宿[SKY STAGE]

昨年、一躍注目のグループとなり、この1年でアイドル界の最前線を駆け抜けてきた神宿。初のSKY STAGEでまず披露したのは『カムチャッカ・アドベンチャー』。一ノ瀬みかと羽島めいが背中合わせで歌う曲の入りが印象的な1曲だ。続いてはグループ紹介の曲でもある『原宿戦隊!神宿レンジャー』。ゲーム音楽やラップ、アイドル風…多くの要素が入り混じったこの曲では、メンバーの様々な表情を見ることができる。

また、曲中にしっかりとファンと目を合わせ、にこっと笑う一ノ瀬の姿は全人類が恋に落ちてしまいそうなほどの破壊力があった。他のメンバーも常にニコニコと笑顔パフォーマンス。見ていると自然とこちらも笑顔になってくる……これぞ、まさにアイドル!

MCを挟み、ラストは『Summer Dream』! 小山ひなの歌い出しで始まる定番の夏曲。サビではくるくるとタオルを回し、フェスらしさを存分に味わせてくれた。曲の合間合間に「もっともっとー!」と羽島めいが煽りを入れる。クールな見た目に反してアツい一面が垣間見え、心をぐっと掴まれた。

大きなメンバーチェンジを行なった新体制のアイドル!

lyricalschool[SKY STAGE]

今年、大きなメンバーチェンジを行なった新体制“リリスク”がSKY STAGEに登場。新体制1stシングル『夏休みのBABY』からスタート。そこから『そりゃ夏だ!』『サマーファンデーション』と夏ソングを立て続けに3曲披露する。minanとhimeという実力派の既存メンバーに加わった新メンバーも着実にレベルアップ。特にrisanoの弾けっぷりは新しいムードメーカーとしてその持ち味を十分に発揮しているように見えた。

最後はリリスクの名曲『photograph』。日の落ちたSKY STAGEが歌詞の通り、優しい風に誘われるような感覚。多くの観客の心を魅了したことだろう。さらに3日目のHEAT GARAGEでは、元気いっぱいのパフォーマンスを魅せた新生lyricalschool。再び大きく注目される日が来るのは時間の問題だ。

コラボライブ 神ケチャ(神宿×まねきケチャ)[HEAT GARAGE]

TIFの醍醐味でもある「コラボライブ」。HEAT GARAGEは満員御礼! ステージでは神宿の羽島めいがMCを務める。両グループの自己紹介ポーズを組み合わせた振り付けで「私たち、神ケチャでーす!」とコラボユニット名を紹介した。まずは、楽曲交換から。まねきケチャの『告白のススメ』を神宿が披露。こんなにも「『好き』と歌われることはあるだろうか?」と思うほどの「好き」の嵐!

続いて、まねきケチャの楽曲である『Summer Dream』を神宿がカバー。『Summer Dream』の歌い出しは藤川千愛(ちあい)の澄んだ声が会場に響き渡り、まさに鳥肌モノ。一転、サビではタオル回しのパフォーマンスもあり、両グループのファンのテンションは最高潮! そしてここからがお待ちかねの神ケチャステージ! まねきケチャの鉄板曲であり、グランドフィナーレのラストでも披露された『冗談じゃないね』。9人がステージに立つと、それぞれの魅力が弾ける! 中でも、ぴょこぴょことステージの上で飛び跳ねる小山ひなの全力パフォーマンスが愛おしい。

そしてラスト1曲は、神宿の『あの娘にばれるような…』。少し大人っぽい「聞かせる曲」でコラボライブの終わりを感じ、ついつい切ない気持ちに襲われる。クライマックスで神宿の羽島みきが「“俺得”だった人~~?」と会場のファンに問いかけると「はーい!」と無数の手が上がった。まさにHEATな、盛り上がらない瞬間がこれっぽっちもない濃厚な30分であった。

Maison book girl[SMILE GARDEN]

TIF初出場のMaison book girl。通称『ブクガ』は矢川葵、井上唯、和田輪(わだ・りん)、コショージメグミの4人によるニューエイジ・ポップ・ユニット。音楽家サクライケンタが2014年のBiS解散後、メンバーのひとりだったコショージメグミを中心として同年に結成したグループだ。その独特な楽曲とビジュアルにより多方面から注目を受けている。

まずは特徴的な7拍子のイントロが流れ、彼女たちの1stアルバムのタイトルにもなっている『bath room』。会場にクラップが起こり、黒い衣装に身を包んだ4人のメンバーが登場。淡々と表情を変えることなく歌い踊る。まさにそれが“ブクガ”の世界観。芸術的な雰囲気すら感じさせる。続いて5拍子から始まる『sin morning』で観客はその独特な世界観にどんどん引きこまれていく。最後は代表曲のひとつ『snow irony』。透明感の中に激しさが交じるポップチューンに会場は大いに盛り上がった。

大阪☆春夏秋冬[SKY STAGE] 460w

初日のSKY STAGEのトリを務めたのは、チェアマン・指原莉乃から「大阪さん」と呼ばれている大阪☆春夏秋冬。圧倒的な実力を見せつけ、一躍脚光を浴びた2015年のTIF以降、3年連続の出場だ。1曲目のミディアムバラード『What yougonna do』からメインボーカル・MAINAはお台場の夜景に溶け込む見事な美声を披露。間髪入れずにファンクな『BABY CRAZY』へと続け、メンバー全員で観客をアオる、アオる! これほど踊れるSKY STAGEは見たことがない!

MCではMAINAが「次はここのステージに一番合う曲です」と話し、ミディアムテンポなラストナンバー『SHINE』へと誘う。飛行機のジェット音が遠ざかっていくイントロに合わせ、メンバーが夜空を見上げている間に、ファンは十数本のサイリウムを使って「RUNA HAPPY BIRTHDAY」という文字を作るサプライズ! この日が誕生日だったRUNAを祝う粋(いき)なプレゼントに彼女だけでなく、メンバー全員が涙する。初日の夜、お台場にハートフルな夜風が吹いていた。

世界最大のアイドルフェス「東京アイドルフェスティバル2017」レポ! アイドルってのは、ゴールのないマラソンなんだよ!【中編】

(取材・文/TIF大好き取材班 撮影/武田敏将・関根弘康・アオキユウ)