NGT48卒業を発表した北原里英

「最後の曲になってしまうんですけど。その前に私から報告があります…」

珍しく北原里英の声が震えていた。何かを察したメンバーやファンがざわつく。そして少しの間があり、「私、北原里英はNGT48を卒業します!」と発表。「えーーー」「どうして?」会場のあちこちから悲鳴にも近い声が上がった。

8月21日(月)、新潟市のみなとぴあで行なわれた「NGT48お披露目2周年スペシャルLIVE~みなとまち新潟をもりあげちゃいます!~」において、NGT48の立ち上げからグループを牽引してきた、キャプテン北原里英が衝撃の卒業発表。

節目のイベントで、しかも会場はお披露目と同じ、みなとぴあの特設ステージ。セカンドシングルの発表や2期生募集、ツアーの発表など嬉しいサプライズを予想していたファンも多かっただけに、そのショックは大きかった。

ただ本人としては全メンバーが集まった場所での発表を希望していたこともあり、この日、この場での発表となったそうだが、副キャプテンの荻野由佳はその場に崩れ、しばし固まっていた高倉萌香は北原と目を合わせた瞬間、「やだーーーーーー」と絶叫。会場は深い悲しみに包まれた。

北原は柏木由紀とともにNGT48のオーディションから関わる、メンバーにとって母親のような存在。6月に行なわれたAKB48総選挙で出馬ラスト宣言はしていたが、全国区の人気があるメンバーとしてNGT48にとっては欠かせない人物であっただけに、その影響は計り知れない。

終了後、メディアの囲み取材に応じた北原は、このタイミングで卒業を決めた理由について「NGT48の成長が目まぐるしく、いなくなっても大丈夫じゃないか」と判断したと答えた。

その一方で、「キャプテンとしてやりがいもあり、もっと歩んでいきたいなというのがあったし、これから見る景色を一緒に見ていきたいと思っていた。でも先輩が卒業することで後輩が伸びていくのも見てきたし、後輩のためにも卒業しよう」と、悩みながらの決断であったことを話した。

今回のライブや卒業会見の模様は新潟のTV各局で放送され、翌朝の新聞にも掲載されるほど。また、公演前には県知事や市長らとともに新潟開港150年を盛り上げる「TEAM Nii port」への就任が発表されるなど、誕生して2年、NGT48は新潟にとって欠かせない存在になっている。

その成功の立役者でもある北原里英の卒業。グループとしての活動は来春までということで、安心して次のステップに旅立てるよう、残されたメンバーのさらなる飛躍が求められている。

(取材・文・撮影/関根弘康)