『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。
人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。
今回はガンダムオタクである彼女が、静岡のアミューズメントパークで見つけたモビルスーツ風のアトラクションについて語ってくれた。
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先日、静岡県の伊東市にある「伊豆ぐらんぱる公園」というアミューズメントパークに行ってきました。
そもそもは、知り合いの実家が伊東でお店をやっていて、そこがおいしいと評判なので、友人たちと訪問することになったんです。ただ、「どうせ伊東に行くなら面白いところに寄りたいな」と思ってリサーチしてみると…『機動戦士ガンダム』のモビルスーツにどことなく似た機械に、実際に乗れるアトラクションを発見!
それがぐらんぱる公園にある「バトルキング」というものだったんですが、写真を見る限りはモビルスーツ感があるにもかかわらず、ガンダムオタクの間でもまったく話題になっていませんでした。そこで、「これは自分の目と体で確かめねば!」と思い、旅程に組み込んでもらった次第です。
行きは、憧れだったJR特急「スーパービュー踊り子」号のグリーン車個室を貸し切り。グリーンの個室は最近減っていて、踊り子の個室に乗るのは私も初めてでした。グリーン車なので、食べ物を注文したり、持ち込んだお菓子を食べたりとわいわい過ごして、ものすごく楽しかったです。伊東まであっという間に着いちゃったので「このまま下田まで乗っていきたい!」と思ったくらい。
そんなこんなでやって来たぐらんぱる公園。さっそくお目当てのバトルキングに乗り込んで「市川、いきまーす!」と元気よく発進したものの…。正直に言うと、ちょっと微妙でした(苦笑)。
そもそも、脚が2本ついているにもかかわらず、二足歩行できるわけでもなく、足の裏についた車輪でウィーンと動く仕組みなんです。まさに「脚なんて飾りです」状態。考えてみれば、人を乗せた状態での二足歩行なんてそうそう実装できるはずはないんですけど、それにしても自由度が低いんです。ほかの機体とぶつかってはいけないらしく、ちょっと近づくとすぐに係員に方向転換させられてしまいます。
ビームを当てられないまま、さまよいました
また、このバトルキングというアトラクションは、手元のボタンを押すと、赤外線か何かで相手の機体を撃てるというゲームなんですが、このボタンの反応が悪くて(苦笑)。お互いにビームを当てられないまま、ウィーン、ウィーンとさまよいました。まあ、悪口っぽくなってしまいましたが、アトラクションとしてはすごく可能性を感じるので、ボタンの反応だけでもよくしてほしいです!
ところで、このぐらんぱる公園には、バトルキングだけではなく、バギーやジップラインなどさまざまなアスレチックがあります。どれも楽しくて、たくさん遊んでしまったんですが、特に印象的だったのがウォーターバルーン。
巨大なバルーンの中に入り、水の上を歩くというアトラクションです。やってみると、バランスを取るのが難しくて、ほとんどの時間を寝転んで過ごしてしまったんですが、それだけでも意外と楽しかったです。
ただし、このアトラクションの難点は、密室空間のため空気が入れ替わらないこと。中にいると、ものっすごい暑くなるんです(苦笑)。最終的には、バルーンの中で疲れ切ってしまって、降りてすぐに帰ることにしました(笑)。
●市川紗椰(いちかわ・さや) 1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、毎週土曜21時からオンエアのJ-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』でナビゲーターを務める。踊り子号に乗った記念に、なぜか成田エクスプレスの6色ボールペンを購入した