週プレ酒場で圧巻のパフォーマンスを見せてくれたアイナ・ジ・エンド

週プレ酒場、初の試みとして11月19日(日)に開催されたアイナ・ジ・エンドのアコースティックソロライブ。

“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバーとしてだけでなく、ひとりの歌い手としても注目を集めるアーティストの素顔とは? ライブの間に行なわれた公開インタビューで迫る。

■ホームレスみたいな生活の先に

―まだまだアイナさんのことを知らない読者も多いと思うので、まずはご自身が子供だった頃のことから教えてください!

アイナ う~ん……とにかく落ち着きがないコでしたね。幼稚園か小学校の入学式のときに、初めて着た制服が暑すぎて。校長先生が話してるのに、ブワッと全裸になって「コーラ飲みたい!」って叫んで、運動場を走ってました。

あと、お父さんとプールに行ったときに、流れるプールで吐いちゃって、その吐いた物をかき混ぜたんですよ。お父さんには「おまえはもう、きっとひとりで生きていける。でも、混ぜたらアカン!」って怒られたんですけど(笑)。

―想像以上に落ち着いてなかった!そんな少女は何をきっかけに歌の世界へ?

アイナ ダンスは一応、4歳からやってたんですけど……17歳のときに、親友とカラオケに行ったんですよ。そこで「初めて尊敬した。アイナは歌で人を感動させられる」って泣きながら言ってくれて。「親友にそこまで言われるんやったら、東京で、歌で生きてみようかな」って思ったのがきっかけです。

―いい話! アイナ・ジ・エンド誕生のきっかけは、親友のひと言だったんですね。

アイナ 上京後はマルキューで働きながらオーディションを受けまくったり、路上ライブをしたり。あっ、何回かだまされたりもしましたね。

―だまされた?

アイナ 渋谷で「モデル募集してるんですけど」って言われて。すぐ断ったんですよ。でも、「じゃあ歌ってみる?」って事務所に連れていかれて。そこで「今、30万円払ってくれれば、来週メジャーデビューできるんだけど?」って言われて、迷ったんですけど分割でちょっと払って(笑)。

―超わかりやすいウソなのに!

アイナ 家賃も払えなくなっちゃって、ホームレスみたいにもなって……こうやってまとめると、不幸な人生みたいな感じになってますね(笑)。

―ところで、BiSHの前身ともいえるBiSのことは知ってたんですか? 当時(第1期、2010~14年)のBiSは全裸で富士の樹海を走り回るMVを撮ったり、とんでもないことばかりやっていましたけど。

アイナ 知ってました。最初は「楽曲がカッコいい」って思ったのを覚えてます。それから、彼女たちが「白米だけ食べて過ごすツアー」みたいなツラいことを、がむしゃらにやってることを知ったんですけど、私が同じことをやったとしてもヤフーニュースで話題にはならないじゃないですか。

話題になれば歌を聴いてもらえるし、ご飯も食べられるのに。で、「私が面白いことをしたらニュースにしてくれる人がいるんだったら、そこで歌いたい」って思ったときに、BiSHのオーディションがあったんです。

ライブには、BiSHの全楽曲を手がける音楽プロデューサー・松隈ケンタ氏もギタリストとしてサプライズ参加。彼のサウンドチーム「SCRAMBLES」メンバー・吉岡紘希を含めた3人で圧巻のパフォーマンスを見せてくれた

オーディションで「乳首なら自信あります!」

―おぉ。どんなオーディションだったんですか?

アイナ 変な人が多かったですね(笑)。「私、裸もいけます!」とか「オシッコかけたいです!」って、みんなすごくて。「このままじゃ負ける」と思った私も、追い込まれて最後の最後に「乳首なら自信あります!」って(笑)。

―……これ、なんのオーディションの話でしたっけ?

■BiSHはもっと圧倒的な存在に

―まあ、そうしてBiSHのアイナ・ジ・エンドとしての活動がスタートした、と。ちなみに、そのお名前は自分で?

アイナ はい。BiSHに入る前の……何もうまくいかなくて、大阪に自信を持って帰れない自分がイヤやったから、一回終わらせようって思ってつけました。でもこれ、「悲劇のヒロインみたいに思われるかな」と思って、今は「売れないバンドマンっぽくてカッコいいから」って言ってます。

―いいエピソードですけどね(笑)。では「ジ・エンド」にちなんで、アイナさんが思うBiSHの最終地点とは?

アイナ メンバーひとりに子供が生まれたら、みんなで急いで同じ年の子供をつくって、ジュニア同士を友達にしたいって話を最近してるんですけど、普通に答えたらやっぱり……武道館でやりたいです。

―お! 今年は幕張メッセでのライブも成功させましたし、正直、武道館も見えてきているんじゃないですか?

アイナ はい! でも、幕張のMCでも言ったんですけど、BiSHはもっと圧倒的な存在にならないと。この前、メンバーのモモコ(・グミカンパニー)と「今まで言ってた『行けるところまで行こう』じゃなくて、『行きたいところまで行くからついてこいよ!』って言えるようになるべきだよね」って話をしました。

―圧倒的な存在になる、手応えはつかめてますか?

アイナ 最近、ライブで『スパーク』って曲を歌ったときに、初めて“歌ってる感覚”をつかめたことがあって。「もっと歌と向き合って本物になりたい」って思いました。自分の中身はアイナ・ジ・エンドになる前から変わらないけど、それを好きになってくれる人がいるんだったら、自分を磨いてもっと好きになってもらえるように頑張らなきゃいけないです!

(取材・文/篠本634、アオキユウ[short cut] 撮影/山口康仁)

●アイナ・ジ・エンド(AiNA THE END)12月27日生まれ、大阪府出身。BiSHの“おくりびと”担当

■BiSH2015年に結成された6人組。通称“楽器を持たないパンクバンド”。今年は幕張メッセイベントホールでのワンマンライブをSOLD OUTさせ、来年1月30日からは全国12ヵ所を回る大規模ツアーを控えている

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