編集部の方に入手していただいた「たまごかけごはん専用コンビーフ」! さっそくお家で食べてみたいと思います

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

近年、「コンビーフ」の缶詰に大ハマリしているという彼女。そのおいしさについて熱く語ってくれた。

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皆さんは普段、コンビーフって食べられますか? コンビーフとは、「corned beef」=「塩漬けした牛肉」のことです。日本で缶詰にされて売られているコンビーフは、身をほぐした状態の塩漬け肉ですが、アメリカではブロック肉の状態で売られていることが多いんです。

向こうでは、サンドイッチの具材などさまざまな料理に使われていますが……実は、子供の頃は嫌いでした(苦笑)。お肉、特に加工肉が好きではなかったので、口にしたことさえなかったと思います。ドッグフードっぽい見た目もあり、「人間の食べるものじゃないんだろうな」くらいに思っていました。

それが、ここ3年ほどの間に、急に目覚めてしまったんです(笑)。一度食べてみると、その肉感、脂(あぶら)感、そしてジャンクさに大ハマリ。なぜこんなに私好みの食材を今までスルーしていたのかと後悔しました。

コンビーフを食べたことのない方に説明すると、食感はひき肉よりもツナに近いかな? ただ、ツナよりも繊維が長くて、脂でベチョベチョしている感じ。牛肉の大和煮が一番近いでしょうか。

生でこの食感を生かして食べてもいいし、焼いて調理してもおいしい、万能食材です。ベーシックなのは、野菜と炒める調理法。キャベツなどと一緒に炒めると、コンビーフの肉感と脂の甘み、野菜のシャキシャキ感がハーモニーを織り成して、思わず「うま~♪」と声に出してしまいます。

生で食べるなら、サンドイッチにするのが鉄板。ニューヨーク名物の「ルーベンサンド」というサンドイッチにも、コンビーフが使われています。私がオススメするのは、卵サンドにコンビーフを一緒に挟む食べ方。コンビーフは卵料理とすごく相性がいいので、ぜひ試していただきたいですね。

トレーラーハウスにはコンビーフがつきもの

ちなみに、つい最近、「たまごかけごはん専用コンビーフ」という商品が発売されたんです! ご飯の上にコンビーフと卵を乗せて、卵かけご飯の要領で食べるんです。気になってはいるんですが、まだ見かけたこともないので、食べたらご報告しますね。

こんなふうに、いろんな食べ方ができるコンビーフ。言っちゃなんですが、融通の利かないスパムと違って、可能性は無限大です! クリームチーズと合わせる、ジャガイモと混ぜてコロッケにする、などなど…。コンビーフの持つ可能性をひとつひとつ試していきたいです。

もちろん、そのままコンビーフだけを食べることもできますよ。缶詰に入った状態のまま、フォークを使ってガシガシいく。そんなワイルドな食べ方をしたら、まるで自分がアメリカのトレーラーハウスの住人になったかのような気がします(笑)。なぜか、私の中で、トレーラーハウスにはコンビーフがつきものなんですよね。

とはいえ、このコンビーフ、実は結構、お高いのが玉にキズ。日本でコンビーフのシェア1位を誇るノザキさんが、公式アカウントで「ぶっちゃけ肉より高い」という自虐ツイートをしたことも(笑)。ちょっとした高級食材ではありますが、日本でももっと普及すれば安くなるのにな、と思います。

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、毎週土曜21時からオンエア中のJ-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』でナビゲーターを務めている。アメリカ占領時代の名残で、沖縄ではコンビーフは非常にメジャーな食材である