テレビ埼玉で放送中の『ロバートの秋山竜次音楽事務所』。未来のスター候補を発掘し『㈱秋山竜次音楽事務所』の所属タレントを増やすため埼玉県内でスカウトしていく!

本編がすでに未公開映像っぽい(笑)

2017年1月よりテレビ埼玉で放送中の『ロバートの秋山竜次音楽事務所』。未来のスター候補を発掘し『㈱秋山竜次音楽事務所』の所属タレントを増やすため埼玉県内でスカウトしていくという話題の“街ブラ”バラエティだ。

秋山竜次がいかにもいそうな怪しい音楽事務所の社長に扮し、その部下でマネージャーを山本博が演じる。そして、秋山社長の古くからの友人で手広く事業をやっている、これまた怪しい社長を馬場裕之が演じ、番組を進行。

3人が扮する怪しいおじさんたちが街をブラブラ、アポなし取材しながらタレント性の高い埼玉県民(素人)を見つけてはイジっていく…ロバートならではの安定の回し、息の合った即興コントが見どころだ。

そんな番組のDVD(シーズン1)が待望の発売ということで、彼らに突撃インタビューを敢行した!

* * * 

―番組での3人のキャラはとにかく胡散(うさん)臭いですよね。特に秋山さんと馬場さんの、あのヒゲが気になります。

秋山 ヒゲを描きたいんです。コントにしても、ヒゲひとつ描きたい人間なので番組でもMYヒゲペンでヒゲを書いていますね。さらに、そのヒゲを見て、2、3人がチャンネルを止めてくれたらいいなと思ってやっています。

―だからひと目で、この人たち胡散臭いわぁーと思えてしまうわけですが、各キャラクター設定の経緯とは?

秋山 コントをやりたいのはありましたからね。インチキ臭さが立つ社長(秋山)に、さらに怪しい社長(馬場)をつけました。それでコントができるじゃないですか。

―馬場さんの『(有)ワールド・ハート』のキャラも、下町の飲み屋にいそうなインチキさで。各種イベント運営から中古車販売、エネルギー事業をやってるとか…(苦笑)。

馬場 最近はガールズバーも追加になりました。

―ますます何やってる人なんだか(笑)。山本さんは音楽事務所のマネージャーさんということですが…。

秋山 ま、ツッコミ役というか、真面目なキャラで。いつものロバートのコントの役割分担と同じです(笑)。

―テレビ埼玉×芸人といえば、千鳥の『いろはに千鳥』の1日8本まとめ撮りの過酷さが有名ですが、こちらはどうですか?

秋山 こっちは4本撮りですね。千鳥のことは聞いてたので、この倍を撮ってるなら何時まで撮影してるんだ?と思いますけど(笑)。

山本 もし、こっちが8本撮りだったら、ド深夜にドコ回るの!?じゃないですか。

馬場 僕らはロケの後に舞台の仕事も多くて、埼玉から千葉の劇場へ行くくらいの余裕はありますよ。

秋山 制作は千鳥と同じチームなんですが、きっとそこで学んだことがコチラに生かされているんでしょう(笑)。

ふざけてツッコミの山本博を隠してしまうリーダーの秋山竜次(中央)。そして馬場裕之(右)。

山本の扱いは雑でいいと見抜いた(笑)

ロバートのリーダーでボケの秋山竜次

―気になったことがひとつあるんですが、ロケ先へはアポ入れをして向かうんですか?

秋山 最初と最後は決まってますね。あとは「ロバートです」で行っちゃいます。

馬場 アポは取ってないってことです(笑)。

―突撃訪問しちゃうと、TVがNGな方々の確率が上がりそうですけど。

秋山 それが、人もお店もダメだったことはないですね。

馬場 埼玉の県民性? 「映さないで」はないですね。

山本 僕らの後ろを歩くおばあちゃんを秋山がいきなり「スパイ」扱いしたのにオンエアを断られなかったし。埼玉県の人はNGがないから面白いですね。

―アポなしでも問題もなく、千鳥のように制作サイドには不満はないと(苦笑)。

秋山 ただね、驚きはありますよ。普通は3発ボケやったら1発しかオンエアされないのに、しっかり全部流す。「もう切ってくれ!」ってところも全部じっくり使うんです。

馬場 カットしないから、本編がすでに未公開映像っぽい(笑)。

―そのせいですね。特典映像に新鮮さや驚きがなかったのは!

秋山 その代わり、埼玉らしさが詰まった埼玉県の地産地消DVDになっていますよ。

―なんじゃそりゃ(笑)。“らしさ”が詰まったことになる一因は、1ヵ所のロケ先で撮れ高を上げようと素人相手に随分と奮闘されているからだと思いますが。3人の役割がしっかりしているからこそ、スカウトしたひとりひとりのキャラが上手に立てられていて、番組の面白さに繋がっているかと。

秋山 自分たちの冠番組なので、放送の30分間は場を保たせよう、話を広げようという任務を感じていますからね。イケるトコまでいって、相手を掘らないと。

―制作サイドからのリクエストはないんですか?

山本 ないですね。ロケ中は時間を気にして急かされることもなく。

秋山 最初から「自由にやっていい」「タイトルも決めていい」だったんですよ。

ロバートのツッコミ担当・山本博

ロバートの怪しいボケ担当・馬場裕之

―丸投げすぎる(笑)。そんなフリーなロケでスカウトした人材で印象に残ってる方っています?

山本 シーズンⅡで秋山が『カエルの歌』を輪唱させたのがあって。4人組くらいのおばさんの歩いているのを「音楽事務所」だと言って、無理やり止めて歌わせたんだけど、どの組も成功していないんですよ(笑)。

秋山 埼玉県だからなのか、もしくはあの世代のせいなのか。

馬場 「♪ケロケロケケケケ」って、言い出してましたからね。

山本 自分の番が終わったら歌うのを止めちゃうから輪唱にならないとか。

秋山 だんだんソワソワして、周りの人と同じ歌詞を歌い始めるんですよ。今後も検証したいなぁ。『カエルの歌』がチョット苦手…もしかしたら、埼玉の弱点かもしれないですし。

―周りと合わせちゃうとか協調性豊かな県民性!? 他には…。

秋山 2回目の放送のお茶屋の幼稚園ぐらいの女のコかなぁ。ホノボノ感はなかなかないんですよ。ぬいぐるみをお店に隠して、当てるゲームをしているのについつい答えを言っちゃう。カワイいコで、後で手紙を送ってくれたんですけど、僕らの人間関係を見て、山本は下だと(笑)。

山本 手紙に僕の絵だけ描いてなくて…。

秋山 あの年齢で、山本の扱いは雑でいいと見抜いたんですね。自然に純粋に。

―あははっ。子どもでもオンナですね(笑)。

秋山 あと、やっぱり初回に登場した理髪店ですかねぇ。娘さんの旅行写真やDVDをお客さんに見せてるんですが、僕らはDVDのほうを見させられて。だから今回、このDVDを購入されると、その旅行DVDを間接的に鑑賞するハメになりますよ!

山本 DVDを観ながらDVDを観る。ややこしいですよね。

―それも素人100%のね! では最後に今後、番組でやりたいことを教えてください。

秋山 DVDには入ってないですけど、シーズンⅡで歯を治療するのがあって。この番組内で虫歯を治して完治しようと思ってるんですよ。1本ごとに歯医者を変えて。

馬場 ちょっと治療すれば、すぐ治る虫歯ばっかだから。

秋山 1本10分くらいで治るからね。

―番組に歯医者探訪の新コーナーができちゃうかも!?

(取材・文/渡辺しかし 撮影/松井秀樹)

ロバート1998年結成。幼稚園からの親友の秋山竜次と馬場博之、吉本の養成所・NSCで出会った山本博からなるトリオ。最近では、秋山の“なりきりキャラ”、馬場の料理などピンの活動も目立つが、『ロバートの秋山竜次音楽事務所』(テレビ埼玉 毎週月曜日23時~23時30分。ほか)では、得意のコント仕様のトークといじりが全開。DVDは3巻同時で発売中(各3600円+税)。