桂正和先生が『週刊少年ジャンプ』誌上で連載していた伝説の恋愛マンガ『電影少女』(1989年~92年連載)と『I”s』(アイズ)(97年~2000年連載)が、なんと今年立て続けに実写化される。
そこで、1月4日発売の『週刊ヤングジャンプ』で『電影少女』の読み切り作品を執筆したばかりの桂先生にインタビュー。桂先生の本音120%トークに刮目(かつもく)せよ!
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―実写版『電影少女-VIDEO GIRL AI 2018-』(テレビ東京系)の「ビデオガール」天野アイ役は乃木坂46の西野七瀬さんですが、先生の中のイメージと合致していましたか?
桂 最初に西野さんだと聞いて写真を見たときは、きれいな人という印象だったから、どちらかというと、もえみ(主人公・洋太が片思いする美少女)に近いかなと思ったんですよ。けど、実際に動いてしゃべっている西野さんを見たら、案外いい線いってるんじゃないかって感じましたね。
―あいや、もえみといえば、彼女たちの裸体のなまめかしさに、当時、少年だった週プレ読者はいろいろと“お世話”になったはず(笑)。
桂 とにかくリアリティのある絵にしたかったんだよね。グラビア雑誌とか写真集とか毎週いっぱい買って、写真を見て影がどうついてるかとか参考にして描いてました。
―特にお尻のぷにぷに感は、パンツの食い込み加減が絶妙も絶妙で、ある意味、実写以上に興奮を覚えました。
桂 実は、あいのお尻は現実ではありえないんだよね。あいは細身で小尻だけど、風船みたいな肉感で描いてて、でもあれはマンガ的なウソで。ああいう小尻を写真どおりに描くなら、尻の両サイドに筋のような線を入れるべきなんだけど…その線を描いちゃうと貧相なお尻になっちゃう。あの肉感のあるあいのお尻は、写真とマンガのいいとこどりしてるんですよ。
―少年誌ではありえないほどの性描写も衝撃的でした。男女が恋人同士になり、セックスを意識しつつベッドインする(実際は最後まではしない)という生々しい展開!
桂 当時はね、マンガが有害図書指定になったりして、規制がすごく強まっていた時期だったんですよ。そういう世間の風潮に抗議というわけではないけど、腹が立ってたんです。あと、そもそも最初は恋愛ものって描きたくなくて(笑)。
でも当時の編集さんから描いてくれって言われて始めたから、「俺に恋愛を描かせるってのはこういうことだよ」っていう意思表示でもあったな。だって男と女が付き合うってことはさ、そういうこと(肉体関係)でしょ。
「ギリギリを攻めてたね」
―その部分ではウソはつきたくなかった?
桂 うん。だけど、ああいう性描写のある回のネーム(コマ割りやセリフなどを書いたもの)は、スケジュールどおりに編集さんに見せると直せって言われると思って、「まだできてない」ってウソついて(笑)、ネーム見せないまま、もう勝手にペン入れ始めちゃって。ゲリラ的にブッ込んでたんですよ。最初は洋太の家に後輩の伸子がお泊まりする回だったかな。編集さんが「え、こいつら寝てんじゃん!?」ってビビッてましたから。
―物語後半ではもえみも洋太とベッドイン。もえみが「手でしてあげる」と小声でささやくシーンは…もう…!
桂 さすがに洋太のアレを触ってるのを直で描くことはできないから(笑)、彼女の恥ずかしそうな表情や洋太の心の中の獣を描いたりして、ギリギリを攻めてたね。
★気になる実写版『I”s』のヒロイン役は? このインタビュー全文は『週刊プレイボーイ』5号(1月15日発売)にてお読みいただけます!
(取材・文/昌谷大介[A4studio] 撮影/下城英悟)
●桂 正和(かつら・まさかず) 1962年生まれ、55歳。1983年、『ウイングマン』(『週刊少年ジャンプ』)で連載デビュー。『電影少女』『I”s』といった恋愛マンガ以外にも、ハードなSFアクションマンガ『ZETMAN』などで人気を博す
■『電影少女-VIDEO GIRL AI 2018-』 土曜24時20分~絶賛放送中(テレビ東京系) 原作の25年後を舞台にオリジナルストーリーが展開される実写版が、テレビ東京系にて1月13日よりスタート。乃木坂46の西野七瀬さんと野村周平さんによるW主演で描かれる!